ピン芸日本一決定戦『R-1グランプリ2026』。過去最多6,171人のエントリーの中から決勝戦(カンテレ・フジテレビ系、21日18:30~生放送)に駒を進めたのは、しんや、今井らいぱち、ドンデコルテ 渡辺銀次、ななまがり 初瀬、さすらいラビー 中田、真輝志、ルシファー吉岡、九条ジョー、トンツカタン お抹茶の9人だ(※決勝戦ネタ順)。
ファイナリスト9人へのインタビューを、決勝戦前日まで紹介。「まず安心しました」と静かに振り返るドンデコルテ 渡辺銀次は、40歳で迎えた大舞台を「思秋期」と表現する理由、意識するライバル・ルシファー吉岡への思い、そして「命綱」と語る『R-1』への特別な感情を明かした――。
ファイナリストの中で「一番しゃべると思います」
決勝進出が決まった瞬間について、「まず安心しました」と振り返る渡辺。自身のピンネタを見た芸人たちから「今年は決勝あるぞ」と声をかけられることが多かったため、「期待を裏切らずに済んだ、危ねえという気持ちでした」とホッとした様子だ。2025年の『M-1グランプリ』準優勝という実績ではなく、ネタそのものを見て期待してくれていたことがうれしかったという。
ただ、状況の変化に対しては冷静でもある。「どれだけ“今がんばらなきゃ”と思っても、もう40歳ですから。20代で売れている芸人のようにはいきません」と話し、現在の自身の状態を「思秋期」と表現した。秋の先に冬があるような、複雑な時期だという意味を込めた言葉だ。
決勝メンバーについては、「自分が出ていなかったら“おもしろそう、見たいな”と思える大会」としながらも、「自分事なので“最悪…おもしれえやつばっかりじゃん”という気持ち」と率直に語る。
特に意識している存在として挙げたのが、ルシファー吉岡。ファイナリスト発表会見で、年齢はルシファーの方が上ながら芸歴は同期だと気づいたという。渡辺にとって今回が8回目の挑戦である一方、ルシファーは今回で8回目の決勝進出。「ずっと『R-1』で見ていた存在」といい、「激闘を繰り広げることができたら“ルシファーくん”と呼べるようになるかな」と笑う。現在は「見上げる存在」であり、「『R-1』の生き字引」と評する。
自身の強みについては、「ファイナリストの中でも一番しゃべると思います」と明言。言葉量で勝負しながら、観客にまっすぐ訴えかけるスタイルだ。『M-1』では「私はこういう人間です」という自己紹介のような内容だったが、『R-1』では「どうなんですか、これは!」と観客に問いかけるネタになると予告する。
「かつての自分を救ってやる大会」
渡辺にとって『R-1グランプリ』は特別な大会でもある。コンビを組まずピンネタだけを作り続けていた時期が長く、仕事がほとんどない時期もあった。芸人を辞めることを考えたこともあったが、『R-1』の舞台で笑いが起きた経験が支えになった。
「3回戦で落ちたときも、“笑ってもらえている”、“分かってもらえている”と思えた」と振り返る渡辺。そうした経験を重ねながら、芸人として活動を続けてきた。
今回の決勝については、「かつての自分を救ってやる大会」と位置づける。もし優勝できれば、当時の自分が一番喜ぶはずだという思いもある。芸人仲間の守谷日和からも「そのときの自分が喜ぶんちゃう?」と声をかけられたという。
渡辺にとって『R-1グランプリ』は、自身の芸人活動を支えてきた大会でもある。その舞台でどんなネタを届けるのか、決勝のパフォーマンスに注目が集まる。

