コンサート開演の2時間前、最愛の母が亡くなっていた――野口五郎は、その事実を知らないままステージに立った。その裏には前日に妻に伝えていた“願い”があったという。6日放送の『徹子の部屋』で野口は、歌手として歩んできた人生とともに、母との忘れられない思い出、そして今も胸に残る“後悔”を語った。

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今年70歳・歌手生活56年の野口五郎「ある意味で人生の最終章に入ってきた」

野口五郎は、6日放送のテレビ朝日系トーク番組『徹子の部屋』(毎週月~金曜13:00~)に出演。

15歳でデビューし、今年で歌手活動56周年。2月には70歳の古希を迎えた野口は、人生の節目を迎えた現在の心境について語った。

「ある意味で人生の最終章に入ってきたなと思う。僕の父親が74歳で他界したのですが、古希を迎えたころの親父はすごく貫禄があったなと……(僕は)これで古希でいいのかなと思うこともある」としみじみと振り返った。

昨年2月には、最愛の母が他界。実はその日、野口はコンサート本番を控えていたという。母が亡くなったのは開演の2時間前。しかし野口は、その事実を知らないままステージに立っていた。

その背景には、前日に妻へ伝えていた“あるお願い”があったという。

「自分でもなぜそんなことを言ったのか、わからないんですけど、コンサートの前日に妻に『もし母親に何かあったとしても、コンサートの最中には言わないでくれ。コンサートが終わってから言ってくれ』と言っていた」

そう頼んだ理由について、野口は歌手として上京した当時の思いを明かす。

「僕が母親と上京したのは、歌手になるという強い意思で出てきた。(コンサートに出ないことは)母も絶対に喜ばないから」

そしてコンサートを無事に終えた後、妻から母の訃報を知らされたという。「実はお義母さんが、コンサート初日の2時間前に……」と告げられたとき、初めてその事実を知った。

さらに、妻だけでなく子どもたちも祖母の死を知りながら、野口には気づかれないようにしていたという。野口は後に子どもたちを呼び、「よく黙っていてくれた」と抱きしめたと明かした。

そんな母との思い出の中で、野口には今も忘れられない後悔があるという。

忙しかった当時、朝起きてから家を出るまでの時間を1時間と決め、そのうち最後の15分で食事をとる生活を続けていたという野口。ある朝、食事をしていると母が自分の分の食事を持ってきて、隣で食べ始めたという。

しかし当時は忙しさのあまり、その行動の意味が理解できなかったと振り返る。

「僕はこれから出かけるんだから! おふくろは時間あるんだから、あとでゆっくり食べればいいじゃない! なにしてんのよ!」

思わずそう言ってしまうと、母は静かに食事を下げてしまったという。

その姿を見たとき、野口は強い後悔に襲われた。

「なんてことを言ってしまったんだろうと……それから何十年も思い出すたびに愚かな自分が虚しくて」と、自身の言葉を悔やみ続けていることを明かした。

野口が出演した6日放送の『徹子の部屋』は、Tverで13日まで見逃し配信中。

【編集部MEMO】
『徹子の部屋』は、1976年にスタートしたテレビ朝日系トーク番組。2026年で50周年を迎え、放送回数は1万2,000回を超えている。