福士蒼汰が主演するフジテレビ系ドラマ『東京P.D. 警視庁広報2係』(毎週火曜21:00~ ※全話放送終了後、FODでseason2独占配信)の第6話が、3日に放送された。
今作は数多く制作されてきた“警察ドラマ”の中でも、知られざる「警視庁広報課」を舞台にした完全オリジナル作品。今回は、通り魔事件の発生から犯人の捜索、巧妙な偽装工作、そして真犯人の特定に至るまで、刑事ドラマの王道をいく超エンターテインメントを展開しながらも、「警視庁広報」という本作のアイデンティティを微塵もブレさせずに描ききった、圧巻の回だった。
刑事ドラマの王道を更新する展開力
前回の誘拐事件と汚職スキャンダルが交錯したダブルサスペンスも濃密であったが、今回はそれを上回る密度だったと言えよう。
事件発生からすぐさま確保されたかに見えた犯人が、実は周到に用意された罠だったという反転。そこから真犯人を炙り出し、冒頭に提示された“サーチタグ”という伏線によって鮮やかに着地させる構成は、ミステリーとしての完成度も極めて高かった。特に、“あからさま”と言ってもよかった冒頭の伏線提示を、中盤の怒涛の展開によって意識から一時的に消し去り、終盤の決定打として再浮上させた手際は、まさにエンターテインメントのお手本と呼ぶにふさわしかった。
しかし、本作が単なる“出来の良い刑事モノ”にとどまらないのは、やはり「警視庁広報」という独自のフィルターを通した視点が存分に生きているからだろう。
今回、刑事ドラマとしては常套のキーワードである“真犯人”を巡って描かれたのは、“加害者”と決めつけたことによる世間の過熱するバッシング。この現代的な社会問題を風刺として取り込みつつ、一方で刑事ドラマファンが否応なしに期待してしまう「SIT(特殊犯捜査係)」も、単なる万能な解決策としてではなく、そのプロフェッショナルな手際を丹念に、かつ当然の風景として描写することで、警察ドラマとしての厚みを持たせている点に好感が持てた。
そして特筆すべきは、広報と捜査現場の“活躍の塩梅”だ。
“広報だけがヒーロー”にしない巧みな構成
広報課が舞台である以上、彼らの活躍を描かなければドラマは成立しない。しかし、百戦錬磨の刑事たちを差し置いて広報官の奔走だけで事件が解決してしまえば、リアリティを放棄した絵空事に成り下がってしまう。
その点、本作のバランス感覚は実に巧妙だ。主人公・今泉(福士)が加害者家族から“サーチタグ”という決定打を引き出せたのは、彼が広報官としての立ち回りを真剣に考え、泥臭く信頼を築いたからである。だが同時に、中盤で今泉が気づいた“筆跡”については、捜査一課もまた独自の足取りで同じ結論へたどり着こうとしていたことが示唆された。
広報課だけをヒーローにするのではなく、刑事たちの矜持もまた守る。この組織としての適材適所が丁寧に描かれているからこそ、今泉の独走ではない、警察組織が一丸となって真実に肉薄するカタルシスが生まれたのだ。そうでなければラストの“お守り”も、ただのお涙頂戴になっていたに違いない。
広報課の知られざる業務、刑事ドラマとしての醍醐味、そして社会派としての鋭い視点。それらが三位一体となって機能した第6話は、稀有なバランスの上に成り立つ本作の到達点だったと言えるだろう。
物語はいよいよ、前回から暗示されている“内通者”の存在へとフォーカスしていくのだろうか。組織の深部でうごめく影が、警察の、あるいは社会のさらなる闇を暴き出すのだとすれば、本作はまだ見ぬところへと我々を連れていくはずだ。表の顔である広報が、その“裏側”をどう発信していくのか、その覚悟を最後まで見届けたい。






