
閑静な住宅街の奥、入り組んだ道を進んで行くと、立派な石造りの鳥居が出現します。こちらの子守神社(こもりじんじゃ)は、鎌倉市民でもあまり知られていない神社です。
完全にマニア向けですが、鎌倉上級者への登竜門とも言えるでしょう。
子守神社の歴史
『鎌倉市史 社寺編』などの資料によると、勧請年は未詳。元は蔵王権現社(ざおうごんげんしゃ)と呼ばれていました。
江戸時代以前は仏行寺(笛田)が管理し、神仏混淆の祭祀が執り行われていたそうです。明治時代に入って神仏分離が行われると、仏教的性質が排除されて現在の子守神社となりました。
はじめは笛田村に所属していましたが、打越集落の人口増加によって笛田村から独立。1946年(昭和21年)5月に宗教法人を取得、打越地区の鎮守となります。
子守神社の御祭神|子守大神(こもりのおおかみ)
安産子育・農業守護・産業振興にご利益があるそうです。創建当初は山の神様である蔵王権現(ざおうごんげん)をお祀りしていました。
やがて山神(さんじん)を産神(さんじん)と解釈し、安「産」子育や「産」業振興のご利益も追加されたと言います。
また分水神(みくまり。川や水流の分岐点を司る神)が訛ってミコモリ(身籠り≒妊娠出産、御子守)となったとする説もありました。
子守神社の見どころ
山の斜面を活かした境内には、他の神社ではなかなか見られないユニークな見どころが散りばめられています。今回はその一部を紹介しましょう。
社殿を横からのぞいてみて!
子守神社の社殿は、拝殿(はいでん。拝む建物)の奥に本殿(御祭神が祀られている建物)がつながる形となっています。
横に回って見ると、拝殿の後ろからのびた本殿が山の段差にかかっていました。つまり本殿が渡り廊下のようになっているのです。
こういう形状にワクワクしてしまうのは、きっと筆者だけではないでしょう。この渡り廊下?をくぐると、何かご利益にあずかれそうな気がしてしまいますね。
社殿の釘隠(金具)がユニーク!
じっくり観察していると、鎌倉ファンにはおなじみ、あのシルエットが目に入ることでしょう。そう、俗に源氏の家紋(※)と言われる笹竜胆(ささりんどう)です。
やっぱり鎌倉だから、源氏らしさにこだわったのかも…… と思いながらよく見ると、実は笹竜胆ではありません。
梅花の両脇を松葉ではさみ、下に五枚の笹をあしらっていました。これは松竹梅を笹竜胆のシルエットになるよう組み合わせたものです。
このユーモアあふれるセンスに、一本とられた気がしました。
(※)実際に使用していたのは、宇多源氏など一部のみ。源氏の嫡流を称していた源頼朝は家紋を用いず、白無地の旗を掲げていました。
首がない?謎の石像
社殿の裏手に回ると、お稲荷様などが祀られています。そんな中、謎の石像が気になりました。
石像は棒から手足が生え、頭が欠けたような形状です。下半身の造りから、これは猿が座っている姿ではないかと思います。
前面には「奉納」の文字が刻まれ、背面には「明治◆◆(年と推測)八月」と刻まれていました。猿は山神の使いとされているため、狛犬ならぬ狛猿(こまざる)だったのかもしれませんね。
木々のざわめき、生き物たちの気配
境内には大小の樹木が繁り、風のざわめきや、生き物たちの気配に満ちています。そんな中にたたずんでいると、心身が浄化され、自然と一体になったような気分に浸れることでしょう。
日々の忙しさに疲れた心身を癒やす場として、境内を活用するのもおすすめです。
苔むした末社たち
社殿に向かって右手側、苔むした石造りの祠(ほこら)二基と石塔一基がたたずんでいました。
これらは左から稲荷社・恵比寿社・道祖神で、それぞれ農業守護・商売繁盛・厄除開運などのご利益があります。
手を合わせた後に、じっくりと観察してみてください。かつてこれらを造った人々の思いが、感じ取れるかもしれません。
まとめ
今回は、鎌倉市笛田の子守神社を紹介しました。
ご覧のとおり観光向けの神社ではありません。しかし鎌倉らしい静かな自然を味わい、神性が深く感じられる地元民おすすめのパワースポットです。
定番の観光ルートに飽きてしまった方は、一度参拝してみてはいかがでしょうか。
子守神社
参拝時間
24時間
ただし照明が不十分なため、夜間の参拝は危険です。
休務日
社務所はありません。連絡等は管理元神社へお願いいたします。
主な祭礼
祈年祭(さいと) 1月14日例祭 8月第3日曜日アクセス
所在地:鎌倉市 笛田5-34-6
鎌倉駅東口から「火ノ見下」バス停より徒歩3分(190m)
駐車場:なし(公共交通機関のご利用がおすすめです)
連絡先
管理元神社:御霊神社(鎌倉市坂ノ下)
電話:0467-22-3251
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