
礼賛がミニアルバム『キラーパス』を発表した。昨年11月に日本武道館でのワンマンライブを成功させ、新作は川谷絵音がSony Music Labels内に設立した新レーベル・Daphnis records(ダフニスレコーズ)からのリリース。恋愛のトキメキを肯定する「ホレタハレタ」、サーヤが現在のリアルな心境を綴った「果てない」を含む6曲は、後ろ向きな冷笑ムードにノーを突きつけ、自分の信じる道を邁進するすべての人に最高のキラーパスを通す作品だ。最初の集大成を経て、結成5周年イヤーに突入し、新たなスタートを切った礼賛はここからどこへ向かうのか? 超BUSYでも、5人のメンバーが揃えば笑いの絶えない、礼賛の最新インタビューをどうぞ。
左から休日課長(春日山)、木下哲(簸)、サーヤ(CLR)、川谷絵音(晩餐)、GOTO(foot vinegar)
Photo by Masato Yokoyama
武道館ワンマンを振り返る
ー昨年11月に行われた日本武道館でのワンマンライブは、下北沢ERAでの初ライブから約3年半にして、最初の集大成になったかと思います。これまでの歩みをどう振り返りますか?
川谷:これでもまだ足踏みをしてたというか、もうちょっと早いタイミングで色々仕掛けることもできたと思うんです。でも3年半かけたからライブがすごくよくなって、武道館でもすごくいいライブができたので、一番いい状態でソニーに移ったのかなって。
ー絵音くんやサーヤさんの知名度を考えれば、すぐに大きい会場でライブをすることもできたのかもしれないけど、ちゃんと階段を飛ばさずにきたからこその今のバンドとしての実力が、武道館ではしっかり発揮されていたと思います。
川谷:去年ライブ40本やってますからね。
ーそれはちゃんとライブバンドになりますよね。
課長:武道館とかの節目があると、さっきみたいに「初ライブから3年半」みたいな話が出てくるじゃないですか。「もう3年半なんだ」って、あっという間だったなと思うんですけど、でも武道館のセトリを見ると、リリースしたけどやらない曲もあって、「こんなに曲を作ってきたのか」とも思ったりして。あっという間に駆け抜けてきたけど、結構いろいろなことを体験してきたんだなと思いましたね。
木下:ホントここまであっという間でしたけど、自分の中では武道館は四つ目の景色だったなと思っていて。一つ目はライブハウス、二つ目がツアー、三つ目がフェス。武道館はそのどれとも違う景色だったので、自分にとってもバンドにとってもすごくいい経験になったし、五つ目も楽しみだなっていう気持ちになりました。
ーGOTOくんはどうですか?
GOTO:いやもう、本当に集大成だったなあと。
サーヤ:前日は飲んでなかったですか?
全員:(爆笑)
川谷:あれが僕の中でハイライトだったな。
サーヤ:3年半のハイライト。武道館のワンマンより野音のワンマン(笑)。
ー日比谷野音のライブのときにGOTOくんが二日酔いで、病院に行ってからのライブだったとか。
GOTO:大変失礼しました。武道館では飲まずにやって、すごく気持ちよくライブができました。楽しかったです。
ーRIP SLYMEとの共演はどうでしたか?
GOTO:RIP SLYMEは世代だし、僕はPESさんのソロでもサポートをしてたので、自分がメンバーのバンドのライブに呼んで共演するのは感慨深くて。思わずステージ上でPESさんを抱きしめちゃいましたね。


昨年11月6日開催「礼賛と武道館」より(Photo by Yosuke Torii, Daiki Miura)
ーサーヤさんはどうでしょう?
サーヤ:3年半か……芸人としてもそうですけど、だんだん時間の感覚がわけわかんなくなってきてて(笑)。だから、「2年前のあのときはこうだった」とか言われてもピンとこないことが年々増えてきてるので、そこは感覚としてはあんまり頼ってないんですよね。でも武道館に立ったときは……みんなといろんなところに一緒に行ったのが、走馬灯みたいに蘇ってきて、その蓄積で、割と自信を持ってステージに出れたのが自分としては収穫だったというか、「早くこれを見せたい」っていう前向きな気持ちで出れたのがよかったなって。アーティストの人が武道館に立ったときとかに、「みんなに連れてきてもらった」とか言うじゃないですか。あれ「やってんなあ」と思ってたんですけど(笑)。
ーあはははははは。
サーヤ:でも「こういうことなんだ」って、自分の体験として経験できると思ってなかったので、そこでハッとしたというか、馬鹿にならないなと思いました。あとトラブルもちゃんとあったんですけど 、あのカオスな状況も含めて、礼賛っぽかったなって。
ーイヤモニのトラブルからの、スモークガンから煙が止まらなくなるという、なかなかのアクシデントでしたけど、あれをすぐにさらなる盛り上げに繋げられたのは、ステージの本数をたくさんこなしてきたからこそでしょうね。
サーヤ:後ろでお兄さんたちが「一回止めて!」って、ちゃんと判断をしてくれたのが助かりました。やっぱり、安心感がありましたね。

Photo by Masato Yokoyama
ーただMCでは「今年の上半期は活躍の舞台が広がるとともに、様々な悪意が向けられ、脱毛症になったり、メンタルがすり減るときが初めてきてしまった」という話もありました。そういう時期もバンドだからこそ乗り越えられた?
サーヤ:そうですね。去年の上半期はしんどすぎて、そういうことは初めてで。でも、「礼賛をやっててよかったな」に尽きるというか、結果的には全部、何かしらの形にできたし、「武道館に向かってる」っていうのが一個の救いにもなったし。まあでも、「なんとかなるだろう」と思えたというか、絵音さんもメンタル強いので、その背中は大きかったし、哲くんとごっちゃんがちいかわみたいに話してるのを見て、「どうでもいいか」と思えたことも多いし、課長と飲み行けば全部ネタになるし。それぞれに助けられた感じがあります。みんなメンケアですね(笑)。
ーそのMCの後に「擦り切れそうになったときに、励まされた曲」として、アデルの「Rolling In The Deep」をカバーして、あれは名演だったと思います。アデルはずっと聴いてたんですか?
サーヤ:アデルは親の影響でずっと聴いてました。で、当時の自分たちの状況的にもあの歌はいいなと思ってたので、「訳詞をやらせて欲しい」って言って、日本語の訳を後ろに出させてもらったりして。割と意訳したんですけど。
ーあれサーヤさんの訳だったんだ。
サーヤ:そうです。状況的にも重なる部分があったので、良かったなと。
川谷:あれはめっちゃ良かったですよね。演奏してて、自分もすごいうるっと来ました。あれをアコースティックで、お客さんと近いところでやるっていうのも含めて、すごく良かったから、ああいうことはこれからもやっていきたい。
課長:あのときは半分観客気分でした。気を抜くと演奏ミスるんで、集中はしてましたけど、でも半分お客さんとして聴いてた感覚がありました。素晴らしかった。
サーヤ:お母さんが一番褒めてくれたんですよ。お母さんはずっと洋楽が好きで、今でも会うと「これ知ってる?」って、私が知らない洋楽を聴かせてくるんです。で、お母さんはアデルのファンだったから、「礼賛の曲も良かったけど、アデル良かったよ」みたいに言ってくれて、嬉しかったですね。
ソニー移籍と「カラッとした」ムード
ー1月31日のindigo la Endの日本武道館でのライブで、絵音くんがSony Music Labels内に新レーベル・Daphnis recordsを設立して、indigo la Endと礼賛が所属することが発表されました。どういった経緯だったのでしょうか?
川谷:サーヤちゃんとはずっと、「礼賛は別のところでやってもいいんじゃないか」っていう話をしてて。僕が長くワーナーにいたから、そのままワーナーでやってたけど、バンドとしての血筋が全然違うから、もしかしたら違うところの方が合うかもしれないなって。だから、むしろindigo la Endより礼賛がきっかけではあるんです。礼賛は一緒にやるスタッフだったり場所によっていろいろ変わってくるというか、もっといろんなことができるなと思ったので。
ーサーヤさんが誰かと一緒に仕事をする上で大事にしているのはどんなポイントですか?
サーヤ:最速で会話できるというか、スピーディーであることですかね。スタイリストの子も、デザインの子もそうですけど、喋ってて、ニュアンスで話が伝わる、最短距離でゴールまで行ける、そういう会話ができる人が大事だなと思っていて。まあ、そればっかりは相性だと思うんですけど。
川谷:サーヤちゃんマターの人たちって、礼賛で初めて会う人が多かったんですよ。グッズのデザインをしてくれる人とか、スタイリストさんとか、みんなすごく仕事が早い。映像を作ってくれる人とかも、あんまり細かく伝えなくても、ある程度お任せですごくいい感じになるんですよね。
ーサーヤさんと課長と、礼賛は社長が2人いるバンドでもあって、セルフマネジメントができることも強みですよね。
サーヤ:ごっちゃんと哲くんにしても、意外と「何でもいいよ」気質じゃないのがいいんですよね。ちゃんとイエスノーはある感じ。
川谷:ライブ前日の酒はノーですけどね(笑)。
GOTO:それは2度とやりません。

Photo by Masato Yokoyama
ー(笑)。日本武道館でのワンマン、レーベルの移籍を経て、今後の礼賛の活動についてはどんな展望を持っていますか?
サーヤ:景気がいいなって思わせたい(笑)。今って日本人に「景気いいぜ」っていうモードがないのが悲しいので、ちょっとバブリーでいたいと思いますよね。「ライブに来たらなんかアガる」みたいな、礼賛はそのテンション感を出せると思ってるので、景気が良さそうな5人でいておきたい。 不景気だったり、そういう雰囲気がずっとあるじゃないですか。 私は去年の12月に30歳になったんですけど、「失われた30年」っていう言葉があるように、人生丸ごとずっと不景気なんですよ。好景気の日本を知らないんです。だからこそ、自分がきっかけでいろんなところが潤うといいなっていうのはずっと思っていて。地産地消というか、自分がお金も生み出すし、お金も落とすしっていうサイクルの中で、ちゃんと面白いことをやりたいなっていうのはずっとあるんです。礼賛はそれができそうな感じがするんですよね。
川谷:そのためにもちゃんといい曲を作って、それをちゃんと広げる。武道館をやりましたけど、次はアリーナツアーをできるようになるとか、ちゃんと段階を踏んでいきたいですね。
ー今の話にも通じると思うんですけど、武道館のMCでは「何かを真剣にやってる人とか、全力で楽しんでる人を冷笑するのはやめて、一緒にぶち上がっていけたもん勝ちかなと思ってます」とも話していましたよね。礼賛はそういうムードを発信していけるバンドだし、新作の『キラーパス』もそんな作品だと感じました。
サーヤ:そこは大事にしておきたい部分だし、ミニアルバムにもそういう前向きさが出たかなと思ってます。「SOS」(※CDのみ収録のボーナストラック)とかは自分の中のスピを散りばめた部分もあるんですけど(笑)、メンタル的な部分も上がるようになったらいいなって。2025年をもってXをやめたんですけど、そこを切り離したときに、だいぶ明るいなと思った部分があって。閉鎖的なところの意見を見るより、自分はカラッとしてた方がいいなと思いました。ジメジメした場所は居心地がいいんですけど、そこにいるとカビが生えてくるというか、麻痺していく感じがするので、もっとカラッとしておこうっていう、切り替えの意味も込めてやめたんです。で、礼讃のムードもそっちかなって。
ーそういう話はみんなでしたりもするんですか?
川谷:そんなにはしないですけど、Xやめる、みたいな話はしてました。
サーヤ:Xはおしまいっていう話はよくして。
ーララチューンでもしてましたもんね(笑)。
サーヤ:でも礼賛はカラッとしてるのがベースというか、みんなといるときはジメジメ感がないんですよ。そこは礼賛で学んだことかもしれません。
GOTO:俺めっちゃX見てます。
サーヤ:でもX民の顔してない。
GOTO:エロアカ見てる(笑)。
サーヤ:カラカラでした(笑)。
ー(笑)。礼讃の人たちはみんなそれぞれいろんなことをやっていて、冷笑するよりも前に動いている人たちというか、そういうムードがもともとありますよね。GOTOくんにしても、自分のバンドのDALLJUB STEP CLUBをはじめ、サポートで何個のバンドに関わってるの?みたいな感じだし。
GOTO:確かに、そう言われたらみんなそういうタイプというか、冷笑するタイプだったら、自分で何か作ったりとか、そういうことはやらないですもんね。
課長:この人たちと一緒にいると、僕自身ちょっと前向きになれてる気がします。みんなお酒を飲むから、そこも通じ合ってるので、仲良くなるスピードめちゃくちゃ早かったですしね。
木下:そこは最初からずっと変わってなくて、それが一番いいですよね。まあ、サーヤちゃんやGOTOくんの話を聞いても思いましたけど、冷笑する時間ないもんね。何か作ってたりすると、気づいたら一年なんて終わってるから。だから、そういうクリエイティブなことが一番大事かなって思う。さっき言ってた「景気がいい感じ」っていう話にもつながると思うけど、5人で音を出すとエネルギーが生まれるから、それが一番楽しいし、結果的にそれが良い循環になってるんじゃないかなと思います。
『キラーパス』の多様なリファレンス
ーでは『キラーパス』について聞かせてください。リード曲としてMVが作られたのが1曲目の「ホレタハレタ」で、去年からライブで演奏されてますね。どういった着想から作られた曲なのでしょうか?
川谷:ツアーで北海道で打ち上げをしたときに、サーヤちゃんがとある楽曲を飲みコールみたいな替え歌にしてて。
ー100億年LIVEでも、あやまんJAPANさんと飲みゲーのコールやってましたよね(笑)。
サーヤ:やってました(笑)。
川谷:それでめっちゃ盛り上がったんですけど、その楽曲が80年代のディスコ歌謡をリファレンスにしていて。そういった雰囲気を礼讃に落とし込めないかなって、そこからスタートして。あとはサーヤちゃんの歌うシティポップもすごくいいので、そういう感じも入れながらできていった感じですね。
ー曲自体のポップなムードから、歌詞のテーマも決まっていった?
サーヤ:そうですね。「曖昧なBEACH」以外にもデートの歌みたいなのがあったらいいなと思ってて。ちょうど課長の恋愛事情とかも重なって、会うたびに進捗を聞いてたので、余計に書きやすくて、こういう歌詞になりました(笑)。
ー「惚れた腫れたは当座の内」みたいな言い方は、それこそ現代で言う冷笑だと思いますけど、恋愛を肯定する、ホレタハレタを肯定するのがいいなって。
サーヤ:その状態が一番楽しいと思ったので、そういうサビになったら面白いかなって。「ホレタハレタ」っていう言葉はずっと使いたかったんです。最初は楽曲提供に使おうかなと思ってたんですけど、すごい気に入ってたワードだからずっと寝かせてて、いつかこれで恋の歌を書きたいと思ってたから、礼賛で作れてめっちゃ嬉しいです。
ーでも確か課長の恋愛は……。
課長:あの、はい、振られました。ホレタハレタフラレタ。
ーあははははははは。
課長:でも自分の人生が大好きな曲にちょっとでも入ってるのは感慨深いですし、この曲を聴くと当時のことを思い出したりするので、そういう意味でもすごく嬉しかったです。礼賛を代表する曲がまた一つ生まれたんじゃないかなって。
GOTO:まだリリースしてないけど、ライブでは前からやってて、気づいたらすでにライブの定番曲みたいな感じになってて。
サーヤ:最後の方にやることも多くて、フェスでも締まるんですよね。メロディーはサビの部分の哲くんのギターから、この音程にしました。

Photo by Masato Yokoyama
ーミニアルバムの他の曲でも、リファレンスがある曲はありますか?
課長:「果てない」はシンプルだけど耳に残るベースラインが結構多くて、それはMen I Trustの影響を受けたのかなって、 この前ライブを見に行って思いました。
木下:去年はストーン・ローゼズをめっちゃ聴いてたかな。(ギターの)ジョン・スクワイアがすごく好きで。でも曲ごとに「こういうのがいい」って言ってくれるので、フラットにそれに反応できるように、そのときの趣向が出過ぎないようにはしてて、その方が純度が上がるかなって。あとは音符を減らした方が、ラップが乗ってるときはよりいいから、シンプルなフレーズの反復を意識したり、昔から軽い音にはしないようにしてて、重さがある音がいいっていうか、金物に近いギターの音はあんまり好きじゃないので、ボーカルのちょっと下にいるようにしてます。
GOTO:ドラムじゃないですけど、「SOS」の途中で変なサンプルの声が入ってて、あれは曲を作ってるときに俺が勝手に入れたら「これいいね」ってなって、採用されたんですけど。
ーあれなんて言ってるんですか?「もう終わり?」ですか?
GOTO:そうです。あれは打ち上げで課長がダンサーの子と一緒に踊ってて、曲が終わっちゃったときに、「もう終わり?」って叫んだのを録ってて。
ーなんで録ってるの?(笑)
GOTO:それを入れて、ちょっと音程を変えて。
サーヤ:あれ歌詞作るときめっちゃ邪魔だった。
ーあはははははは。
GOTO:あれが今回一番頑張ったところです(笑)。
ー絵音くんは細かいアレンジはもちろん、曲の全体像を見ることも多い?
川谷:そうですね。「Soul n the City」っていうSpotifyのプレイリストがあるんですけど、更新されると絶対聴いてて、めっちゃいいんですよ。整体に行ったときに流れてて、これ何ですか? って聞いて、プレイリストを教えてもらって。Ntjam Rosieの新曲とかもこれで知ったし、これで聴いた曲がリファレンスになることも多いですね。
「果てない」のエモさと生々しさ
ー最後の曲の「果てない」も武道館で披露されていて、非常に印象的でした。
川谷:前で言うと「生活」っていう曲だったり、毎回サーヤちゃんの内面が出る曲が1曲は絶対入ってるので、そういうのになればいいなと思って作った曲で。ギターリフを入れて、ループっぽい感じを意識したんですけど、これはサーヤちゃんの歌メロが入ったときにびっくりしました。めちゃくちゃすごいメロディーが乗ったので。ライブでやってもお客さんの反応がすごくよくて、武道館では歌詞を出したりして、まだ出てない曲だったけど、心に刻まれた曲というか。サーヤちゃんのいいところがめちゃくちゃ出てるなって。
ー「生活」は昔を振り返って書いたりしてたけど、「果てない」は今現在のサーヤさんの思いがストレートに表れた歌詞なのかなと。
サーヤ:ある程度、生き方がわかっちゃってくる年になって、割と安全に生きられるな、みたいなステージに来た中で生まれた歌詞なんですけど、でも武道館が決まった後に「まだこういうことをしてみたい」が浮かんできたんですよね。いろいろゴールを決めても、その度にまたやりたいことが出てきて、悩みも尽きないし、果てしない部分があるなと思って。ホントに最初のAメロの部分じゃないですけど…。
ー〈やり込んだゲーム たまらないゲージ 落ち着いちゃっておざなりのセーブ なんて勿体無いし自分に不誠実〉。
サーヤ:結構ノリでバーってクリアできる状態まで、いろんな分野で来た中で、もうちょい深掘りしてみる、別のステージを探してみる、みたいな心意気が必要だなと思ったタイミングでできた感じですね。
ーいつまでたっても果てがないしんどさもあるけど、それでもやっぱり追いかけてしまう。ある種のアンビバレンツな感情も生々しく入ってますよね。
サーヤ:そうですね。誰かがリタイアしていく感じもめちゃくちゃあったし。

Photo by Masato Yokoyama
ー〈走る横で誰かがまたリタイヤ〉はめちゃめちゃリアルですよね。
サーヤ:最近はそこに気を使っちゃってるなっていうのもあったんですよね。うまくいってない同業の子とか見てると、頑張るのってよくないんじゃないか、みたいな錯覚をするときが結構あったりしたんですけど、でもやっぱり止められないっていう、そこはジレンマとしてありました。
課長:この曲ライブでやってるときにめっちゃエモくならない?
川谷:なる。僕ライブでスタイリストの子に「絵音さん、『果てない』のときにめっちゃ動いてました」って言われた(笑)。
ー曲にしろ歌詞にしろ、それぞれに刺さる部分があるんでしょうね。
木下:自分としては20代の頃の感情に近くて、下北沢とか、ライブハウスの景色が見える曲で。そういう意味では、すごくエモい 。
GOTO:自分の周りにもリタイアしてる人めっちゃいるし。この前もね、サポートをしてたAwesome City Clubが活動休止になったりして、だからめっちゃ共感するというか、いい歌詞だなって。
ー〈この偶然とルーツで好きを収集して夢中夢中〉というラインにはサーヤさんのどんな考え方が反映されていると言えますか?
サーヤ:精神的なことばっかり言ってて、これも私のスピの軸なんですけど。結局理論とかで考えずに、偶然起きたこととか、自分がここまでやってきたことに集中することが一番大事というか、近道なのかなって。礼賛が集結したときにうまくいったのは、たまたまのようで、意外とこれまでやってきたことが全部必要不可欠だったんじゃないか、みたいなことが人生において多かったので、それを歌ってます。自分の中での教訓というか、とにかく何かしら夢中になっておいた方がいいっていうのはありますね。
ー「偶然」については、インディゴの武道館のMCで絵音くんも話してましたよね。
川谷:ああ、それにも通じるところがあるかもしれない。僕がそのとき話したのは、「偶然は何も準備してない人を助けない」っていう言葉で、サーヤちゃんも今までやってきたことがあったからこそ、偶然が起きてるというか。サーヤちゃんの始まりは芸人かもしれないけど、それこそ親の影響でずっと音楽を聴いてたのもあるし、ずっと歌が好きで歌ってきて、それが今に繋がってる。何もやってない人に偶然は訪れないから、そういう意味でも、この歌詞はみんなに当てはまる歌詞だと思いますね。

Photo by Masato Yokoyama
ー『キラーパス』というタイトルに関しては、「GURA GURA」の歌詞に出てきますね。
サーヤ:ミニアルバムで出てくる歌詞の中で一番しっくりきたワードというか。礼賛のお客さんって、ミーグリをしたときもそうだし、ライブのMC中も思うんですけど、何かしらに打ち込んでる人とか、何かしらに向かってる人が多い気がしてて。基本忙しい人が多くて、だから「超BUSY」みたいな曲も刺さってる感じがする。そういう人たちにいい感じのパスが出せるようにっていう意味で、『キラーパス』になりました。
ー恋愛でも仕事でも、冷笑せずに自分のやりたいことを頑張ってる人たちに向けての、背中を押すようなキラーパス。まさに礼賛らしいですよね。では最後に、2月21日から始まる「超超超BUSYツアー」に向けて、一言いただけますか?
サーヤ:もうすでに何曲か新しい曲のデモが送られてきてるんですけど、まずは『キラーパス』を聴いてもらいたいです(笑)。現状の好景気な礼賛を受け取ってもらえるミニアルバムにはなったと思うし、まだ全然ライブでやってない曲もありますしね。CDのみに入ってる「SOS」も、トチ狂ってる曲だけど、中身的には大事なことを言ってるつもりなので、そういうのも楽しみに聴いてもらえたら嬉しいなと思います。
ー好景気な感じのツアーになりそうですね。
サーヤ:全国をぶち上げて、ぶち上げて、ぶち上げてまいります。

礼賛
ミニアルバム『キラーパス』
配信中
再生・購入:https://rai-san.lnk.to/killerpass
2026年3月18日(水)CDリリース(ボーナストラック1曲追加)
購入:https://rai-san.lnk.to/killerpass_PKG

礼賛 ONEMAN TOUR 2026
『超超超BUSYツアー』
チケット購入:https://eplus.jp/raisan/
【福岡】2026年2月28日(土)Zepp Fukuoka
【新潟】2026年3月3日(火)新潟LOTS
【大阪】2026年3月6日(金)Zepp Bayside Osaka
【大阪】2026年3月7日(土)Zepp Bayside Osaka
【石川】2026年3月9日(月)金沢REDSUN
【愛知】2026年3月12日(木)Zepp Nagoya
【愛知】2026年3月13日(金)Zepp Nagoya
【広島】2026年3月15日(日)広島CLUB QUATTRO
【東京】2026年3月19日(木)Zepp Haneda(TOKYO)
【東京】2026年3月20日(金)Zepp Haneda(TOKYO)
【仙台】2026年3月22日(日)SENDAI GIGS
【北海道】2026年3月28日(土)Zepp Sapporo
【北海道】2026年3月29日(日)帯広MEGA STONE
【香川】2026年4月5日(日)高松festhalle
【鹿児島】2026年4月8日(水)鹿児島CAPARVO HALL
【沖縄】2026年4月11日(土)ミュージックタウン音市場

ツタロックフェス2026
2026年3月20日(金祝)、21日(土)、22日(日)
幕張メッセ国際展示場4・5・6・7ホール
※礼賛は3月21日(土)出演
公式HP:https://cemusiccreative.com/tsutarock2026
FUJI ROCK FESTIVAL '26
2026年7月24日(金)〜26日(日)新潟・苗場スキー場
※礼賛は7月26日(日)出演
