(左から)スコット、ディアス、クライン(写真:Getty Images)

 

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 大谷翔平を筆頭にスターが並ぶロサンゼルス・ドジャース。オフにはオールスター外野手カイル・タッカーも加わり、ワールドシリーズ3連覇へ向けた陣容はさらに厚みを増した。しかし、その裏で鍵を握るのが、昨季の課題とされていたリリーフ投手陣だ。今回は数字と指標をもとに、来季のドジャースリリーフ投手の展望を探る。(文:Eli)

 

反則レベルの補強…リリーフ投手陣の成績展望は?

エドウィン・ディアス

[caption id="attachment_249656" align="aligncenter" width="1045"] エドウィン・ディアス成績展望[/caption]

 

 

 ドジャースは昨季弱点と化したブルペンを、市場でもトップ級の人材であるエドウィン・ディアス獲得によって大きく改善した。投手としてのディアスはWBCでの故障以降、全盛期のように「対戦打者の半分以上を三振に斬る」領域からは一回り落ちた印象はある。

 

 とはいえ昨季は防御率1.63、リリーバー2位のK%38.0を記録し、支配力そのものは依然としてリーグ最上位だ。三振で局面を終わらせられるタイプである以上、来季いきなり別人のように崩れるリスクは大きくないだろう。

 

 役割は基本的にクローザーで9回が主戦場。ただしセーブシチュエーションに縛られず、相手中軸が7〜8回に来る展開ではその回に投入する運用も想定される。

 

 

タナー・スコット

[caption id="attachment_249657" align="aligncenter" width="1047"] タナー・スコット成績展望[/caption]

 

 昨オフに大型契約で加入したものの、失望のシーズンに終わり、ポストシーズンでは登板ゼロだったタナー・スコット。防御率4.74、FIP4.70と表向きの数字も指標も両方悪く、言い訳の難しい1年だった。

 

 特にコンタクト時のダメージが急上昇し、打球初速やバレル率などは前年から大きく悪化している。

 

 一方で三振や空振りは奪えており、球威・球速は高水準、コマンドも平均程度とポジティブ材料は残る。今季はディアス加入で役割が一段下がり、まずはセットアッパー起用が基本線だろう。

 

 ただし昨季のように“当てられた時の被害”が改善しない場合、左のワンポイント的な限定起用に回される可能性もある。

 

アレックス・ベシア

[caption id="attachment_249658" align="aligncenter" width="1044"] アレックス・ベシア成績展望[/caption]

 2020年オフにトレード加入して以降、ドジャースのブルペンを支えてきたアレックス・ベシア。来季は早くも6年目でFA前最終年となる。

 

 昨季はシーズン後半のブルペン大崩れに巻き込まれる形で数字を落としたが、通算では防御率3.02、FIP3.77と総じて見れば安定した戦力だ。

 

 K%33.8と制圧力も維持しており、左のワンポイントに留まらない“要所で三振を取れる左腕”として価値が高い。

 

 若干の球速低下など不安がないわけではないが、空振りを奪える武器が残っている以上、役割が大きく揺らぐ可能性は高くない。今季も例年通りセットアッパー起用される見込みだ。

 

ブルスダー・グラテロル

[caption id="attachment_249659" align="aligncenter" width="1040"] ブルスダー・グラテロル成績展望[/caption]

 ブルスダー・グラテロルは2024、2025と故障続きで満足なシーズンを送れず、順調にいけば今季は久々の本格復帰となる。三振は多くないが、100マイル(約161キロ)を頻繁に計測するシンカーで驚異のゴロ率66.0%。

 

 奪三振でねじ伏せるというより、打たせて地面に叩きつける“究極のゴロ投手”だ。ただしフル稼働は2年前、最後の実戦登板は1年前で、肩の手術明けでもあるため、どこまで戻るかは未知数。

 

 スプリングトレーニングで段階的に強度を上げ、順調ならば右のセットアッパーとして起用される見込みだ。

 

 

ブレイク・トライネン

[caption id="attachment_249660" align="aligncenter" width="1041"] ブレイク・トライネン成績展望[/caption]

 

 ブレイク・トライネンは昨季37歳で全球種の球速を上げた。その一方で制球は急激に悪化し、ドジャース時代では最も悪いシーズンを送った。

 

 元々キャリア末期を迎えるにあたりドジャースとトライネンは策を打っていたようだが、これが裏目に出た形だ。

 

 ポジティブ要素としては前述した球威に加えて、三振を奪えていること、BABIP.380にみられるように非常に運が悪かったことが挙げられる。

 

 年齢からもブルペン上位にいる必要は無く、とりあえずは防御率3-4点台くらいのミドルリリーフを目指して修正をしていくことが当面の目標となりそうだ。

 

 

ジャック・ドライアー

[caption id="attachment_249661" align="aligncenter" width="1044"] ジャック・ドライアー成績展望[/caption]

 昨季彗星の如く現れたジャック・ドライアー。オープナーやロングリリーフなど様々な役割を担い、76.1回、防御率2.95、FIP2.82の好成績を残した。

 

 三振を量産するタイプではないものの、徹底的に長打性の打球を抑える投球で、底堅いリリーバーとして定着したと言える。

 

 一方でHR/FBが異常に低く、これが平年値に戻れば数字はある程度悪化する可能性がある。

 

 実際、補正をかけたxFIPや打球の質を加味したSIERAでは3点台後半〜4点台が示されており、昨季は少し上振れた面も否めない。

 

 ただ、今季もミドルリリーフの軸として試合を壊さずイニングを稼ぐ役割で重宝されるだろう。状況次第では昨季同様、オープナーや“短い先発”のような起用でブルペン運用のクッションになる存在だ。

 

ベン・カスパリウス

[caption id="attachment_249662" align="aligncenter" width="1045"] ベン・カスパリウス成績展望[/caption]

 

 2024年プレーオフでの経験を経て、メジャーに定着したベン・カスパリウス。

 

 投手陣の台所事情から先発・リリーフを行き来する起用が続き、調子を崩して1年完走とはいかなかったが、46試合でFIP3点台はルーキーイヤーとしては十分評価できる数字だ。

 

 特にリリーフ専念で出力が上がった時期には、球速も向上しセットアッパークラスの投球を見せていた。

 

 今季は複数イニングを含むリリーフに専念する見込みで、役割が固定されれば安定感の向上が期待できる。

 

 短い回ではセットアップも任せられる一方、試合展開によってはロング要員としても機能する存在で、ブルペン運用の柔軟性を高めるピースになりそうだ。

 

ブルペンのデプス要員成績展望

[caption id="attachment_249663" align="aligncenter" width="1042"] ドジャースのブルペンデプス[/caption]

 

 

 マイナーのリリーフ投手は縁の下の力持ちだ。故障者が出たときの代替要員に加え、メジャーとマイナーを行き来できることから、メジャーブルペンの負担軽減にもなる。

 

 そして今季は課題を抱えながらも楽しみな投手が多い。

 

 ウィル・クラインはワールドシリーズGame3でキャリアハイの倍となる71球無失点の投球を見せ、一躍救世主となった。

 

 

 PSロースターに登録されたのは敗戦処理だったとはいえ投げる球は悪くなく、100マイル(約161キロ)を叩けるフォーシーム、90マイル(約145キロ)を超えるスイーパーなどポテンシャルは大きい。

 

 WSでの活躍をバネにセットアッパークラスまで出世に期待だ。

 

 エドガルド・ヘンリケスは平均100マイル(約161キロ)を投げる剛腕で同じ剛速球を投げることから”ベイビー・グラテロル”とも呼ばれる。

 

 昨季は12試合連続無失点などを達成した一方で、シーズン終盤に向けて調子を落とし、PSではインパクトを残すことは出来なかった。

 

 投げているボールはメイソン・ミラー級で経験さえ積めばセットアッパー、クローザー候補にまで化ける天井を持つ。

 

 ポール・ジャーベイスは昨季レイズから加入しドジャースでは1試合に登板した。メジャーでもマイナーでも成績や投げる球は微妙で、今のところデプス要員だが、わざわざトレード獲得しバンダを先に放出したことからも使う予定はありそうだ。

 

 ロナン・コップはルール5ドラフトでの流出前に40-manに登録され、ドジャースは来季使う意思を示した。オーバースローから角度のあるフォーシームと90マイル(約145キロ)を超えるスライダーを投げ、マイナーでは40近いK%を記録。

 

 一方で制球は壊滅的でメジャーでの活躍に向けて大きな課題だ。

 

 カイル・ハートは2023シーズン最終盤にデビューしたが、トミージョン手術の影響で2024-25をリハビリに費やした。今季が本格復帰となる。

 

 チェンジアップが大きな武器で、登板時には投球の30%以上を占めた上で空振りを量産した。故障前の成長曲線に再度乗れるか注目だ。

 

 ボビー・ミラーは2023に先発で成功したが肩の故障が原因でフォームを崩し制球が悪化してしまった。昨季中盤からリリーフ転向し、調子を戻したが依然として立ち位置の再確立には至っていない。

 

 それでも先発時代に常時99マイル(約159キロ)を計測していた球威は残っており、先発・リリーフを問わず、再起できるかに注目が集まる。

 

【著者プロフィール】

Eli

主にXでドジャース、MLBに関する情報を発信。

X:@byeli_dodgers59

note: https://note.com/lim33

 

 

【一覧】2026年ドジャースブルペン投手陣成績予想

 

 

[caption id="attachment_249656" align="aligncenter" width="1045"] エドウィン・ディアス成績展望[/caption]

[caption id="attachment_249657" align="aligncenter" width="1047"] タナー・スコット成績展望[/caption]

[caption id="attachment_249658" align="aligncenter" width="1044"] アレックス・ベシア成績展望[/caption]

[caption id="attachment_249659" align="aligncenter" width="1040"] ブルスダー・グラテロル成績展望[/caption]

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[caption id="attachment_249661" align="aligncenter" width="1044"] ジャック・ドライアー成績展望[/caption]

[caption id="attachment_249662" align="aligncenter" width="1045"] ベン・カスパリウス成績展望[/caption]

[caption id="attachment_249663" align="aligncenter" width="1042"] ドジャースのブルペンデプス[/caption]

 

 

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【了】