俳優の濱正悟が、連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で演じている庄田多吉役や、同作の撮影秘話について語った。

庄田多吉は、松江の秀才で錦織友一(吉沢亮)の友人。「大盤石」と呼ばれる錦織に対して、「半分弱」と自称する。同作は、濱にとって『舞いあがれ!』(22)以来の朝ドラとなる。

  • 連続テレビ小説『ばけばけ』で庄田多吉を演じる濱正悟

    連続テレビ小説『ばけばけ』で庄田多吉を演じる濱正悟

濱正悟コメント

――久しぶりの朝ドラの現場はいかがですか?

『舞いあがれ!』も大阪制作だったので、また大阪で撮影できるのがとても楽しみでした。知っているスタッフさんがたくさんいらっしゃって初日からいろんな人にイジられ、居心地がよかったです(笑)。キャストの皆さんもフランクな方ばかり。吉沢さんに英語ゼリフの覚え方を聞いたら「常に聞き続けて反復している」と教えてくれたので、僕もとにかく反復しました。英語を練習しているとトミーさんも「あってる、あってる」という感じでニコニコしてくれて、優しかったです。

――庄田さんを演じてのご感想を教えてください。

庄田と関わりの多いおサワさん(円井わん)は「ばけばけ」の中で一番まともと言えるぐらい芯がある方で、親友の錦織も割とツンとしている。だから、その二人にゆるく絡んでいくのはどうだろうと考えて演じてみました。素の自分自身に近い感じかもしれません。これまでは癖が強いキャラや悪い奴を演じることが多く、庄田のような役をあまりやってこなかったので新鮮でしたね。言動に悪意がない純粋でまっすぐな男ですが、「ばけばけ」の他の人物と同じように多面的に描かれていているところがいいなと思います。

印象的だったのは第83回でサワとお蕎麦を食べるシーン。庄田のセリフがとても長く、しかもワンテイクで撮るのでかなり緊張しました。実は撮影順の都合でここが初めての会話芝居だったので、この撮影までは円井さんに話しかけないと決めていたんです。そのせいでさらに緊張してしまい、お蕎麦の味は覚えていません(笑)。

――庄田はどこでサワを好きになったと思われますか?

どこで決定的に好きになったとするか監督と話し合いましたが、あまり分かりやすくしなくていいとのことでした。庄田には「人の役に立つ」「人に何か教えたい」という教育者としての気持ちがあるので、最初はそんな思いでサワに勉強を教えはじめたのだと思います。単純に女性の教師があまりいないから気になったところもあるでしょう。会話をするうちに、サワにも「ちょっと遠い存在になっているすごい親友」がいて自分と似たような感じなんだと気づく。それで勉強を教えていると、サワがふと庄田に笑顔を見せたりするんです。こういう表情やしぐさに惹(ひ)かれたのかなと思いながら演じていました。台本に「サワ、笑顔になる」とは書いていないけれど、円井わんさんが絶妙な機微の反応をくださって二人の関係性のポイントが想定外の所にできていく。それが撮影していて面白かったです。庄田のプロポーズはすごく早いと思いましたが(笑)、これはおトキさんの後押しがあってこそ。おサワさんの親友から背中を押されたらいけると思いますよね。それでも一筋縄でいかないのが「ばけばけ」です。視聴者の皆さんには、女心をわかっていない庄田にツッコミを入れつつ応援していただけたらうれしいです。

――錦織とのシーンはどんな思いで演じられましたか?

錦織と庄田は親友の割に一緒のシーンが少ないんです。第4週から再会する第17週までかなり開いたのでどうやろうか少し悩みましたが、錦織の目を久しぶりに見た時に多くを語らずともこれだけでいいと感じられました。でも、帝大卒の資格試験と教員免許の件でやはり気まずさも。山橋西洋料理店で話をした時は、監督からカットがかかった瞬間に僕も吉沢さんも思わず「気まずっ」と言ったほど気まずかったです。

そんな二人の友情と、庄田の教育者としての一面もこれから描かれていきます。庄田としては胃が痛くなることが起きてしまうのですが……どうぞお見逃しなく!

【編集部MEMO】
113作目の朝ドラとなる『ばけばけ』は、松江の没落士族の娘・小泉セツと、夫のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、怪談を愛する夫婦の何気ない日常を描く物語。小泉セツがモデルのヒロイン・松野トキを高石あかり、小泉八雲がモデルのレフカダ・ヘブンをトミー・バストウが演じ、脚本はふじきみつ彦氏が手掛けている。

(C)NHK