「確定申告は自営業の人がやるもの」と思われがちですが、医療費控除やふるさと納税など、会社員でも"やったほうが得"なケースは少なくありません。令和7年分の所得税等の確定申告の受付は2月16日(月)〜3月16日(月)です。対象となる可能性がある人は、今のうちに自分が当てはまるかを確認し、必要に応じて早めに準備を進めておきましょう。

本記事では、会社員が知っておきたい確定申告が必要になるケースとあわせて、最新情報をもとにした"確定申告のやり方"についても解説します。

  • 忘れると損する会社員がやるべき確定申告とは?

    忘れると損する会社員がやるべき確定申告とは?

会社員でも確定申告をした方がいいケース

まずは、会社員でも確定申告をした方がいい主なケースを確認しましょう。

1.医療費が多くかかった(医療費控除)

2025年1月1日~12月31日までの期間に支払った医療費が多かった場合に、医療費控除が受けられます。

<控除額>
支払った医療費-保険金等の補てん-10万円(または所得が200万円未満なら所得の5%)

※控除額の上限は200万円

対象となる医療費は、診療費や薬代、通院にかかる電車やバス代、医療器具など、治療に直接必要な費用です。高額療養費や生命保険の入院給付金をもらった場合は支払った医療費から差し引きます。

家族(生計を一にする親族)の分も合算できるので、忘れずに確認しましょう。

2.ふるさと納税をした(寄付金控除)

ふるさと納税は、「確定申告」または「ワンストップ特例」のいずれかで控除を受けます。ただし注意したいのが、ワンストップ特例を申請していても、医療費控除などで確定申告を行う場合は、ワンストップ特例が無効となるので、確定申告で寄付金控除を受ける必要があります。

よくある取りこぼしとして、ワンストップ特例を申請していた安心感から、確定申告では医療費控除だけを入力し、結果的にふるさと納税の控除がまったく反映されていなかったというケースも少なくありません。

このような場合でも、申告期限から5年以内であれば「更正の請求」を行うことで、あとから控除を取り戻すことが可能です。

3.そのほか、会社員で申告が必要な例

次のケースに当てはまる場合は、会社員でも確定申告が必要です。

  • 給与が2,000万円を超えている(年末調整の対象外)
  • 住宅ローン控除を受ける最初の年(2年目からは年末調整で受けられる)
  • 年の途中で退職や転職をして年末調整を受けていない
  • 副業をしていて給与以外の所得がある(申告が必要なケースあり)

副業をしている場合で申告が必要なケースは、その副業による所得が年間20万円を超える場合です。所得とは、収入から必要経費を引いた金額です。たとえば、原稿料を30万円もらって、必要経費が10万円かかっていれば、20万円を超えていないので、確定申告は不要です。ただし、所得税は不要でも住民税には20万円ルールはないので、少しでも所得があれば申告は必要になります。

確定申告のやり方(会社員向け)

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成し、e-Taxで送信するのが、手間が少なくスピーディーに申告できるのでおすすめです。パソコンまたはスマートフォンとマイナンバーカードがあれば、自宅から提出できます。

  • e-Taxの5つのメリット 出所: スマホとマイナンバーカードでe-Tax! 令和7年分 確定申告特集

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会社員がe-Taxを利用して、医療費控除・ふるさと納税を申告するケースの流れをみていきましょう。

ステップ1: 事前準備

申告に必要なものを準備します。

  • マイナンバーカード(発行時に設定した2種類のパスワードが必要)
  • マイナンバーカード読み取り対応のスマートフォン(またはICカードリーダー)
  • 源泉徴収票
  • 医療費の領収書
  • ふるさと納税の寄付金受領証明書

ステップ2: 医療費の明細書を作る

「確定申告書等作成コーナー」にある医療費集計フォームを使って作成することができます。または、マイナポータルと連携することで、医療費の自動入力が可能となります。(次項で詳しく説明)

ステップ3: 確定申告書を作成

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスして、画面の案内に従って必要事項を入力することで確定申告書を作成します。

ステップ4: e-Taxで送信

e-Taxを利用して確定申告書をオンラインで提出します。24時間いつでも対応、書面での提出よりも還付金を早く受け取ることができます。

マイナポータル連携で自動入力

スマートフォンにマイナポータルアプリをインストールし、マイナポータルと外部サイトを連携することで、確定申告に必要なデータや証明書を一括取得することができます。マイナポータル連携を利用すれば、取得した情報が確定申告書の該当項目に自動入力されるため、入力ミスを防ぎながら、申告書作成の手間を大きく減らすことができます。

マイナポータル連携ができるもの

<収入関係> - 給与所得の源泉徴収票 - 公的年金等の源泉徴収票 - 株式の特定口座年間取引報告書 - 生命保険契約等の一時金・年金 - 損害保険契約等の満期返戻金等・年金

<控除関係> - 医療費 - 寄附金(ふるさと納税等) - 社会保険(国民年金保険料等) - 生命保険・地震保険 - iDeCo - 住宅ローン控除関係など

医療費のマイナポータル連携

医療費のマイナポータル連携を行うには、最初にマイナポータルで利用者登録を行います。家族分の医療費情報を取得するには、事前にマイナポータルで代理人の登録を行います。代理人の登録には、その家族のマイナンバーカードが必要です。さらにその家族自身も事前にマイナポータルの利用者登録をしておく必要があります。

医療費控除を受けるための医療費通知情報はマイナポータルの利用者登録のみで取得できます。

ふるさと納税のマイナポータル連携

マイナポータルで利用者登録を行います。
マイナポータルにログインして、「確定申告の事前準備」にアクセスします。
取得したい証明書等の選択で「寄付金控除(ふるさと納税)」を選択します。
マイナポータル連携に対応したふるさと納税の証明書の発行サイトのリストが表示されるので、自分が取得する証明書の発行サイトを選択します。
マイナポータルと「e-Tax」・「民間送達サービス」を連携します。
「民間送達サービス」と証明書を発行する企業を連携します。
マイナポータルで証明書等の取得状況の確認で「完了」と表示されると証明書を取得できます。(完了までに数日かかる場合があります)

給与所得の源泉徴収票のマイナポータル連携

マイナポータルの「外部サイトとの連携」機能を利用し、e-Taxと連携することで、勤め先から税務署に提出された「給与所得の源泉徴収票」の情報が確定申告書の該当項目に自動で入力されます。ただしマイナポータル連携の対象となるには、「勤め先がe-Taxまたは認定クラウド等により従業員の源泉徴収票を税務署へ提出している」、「年間の給与の支払金額が500万円を超える※」などの条件があります。

※500万円以下であっても勤め先が任意で提出している場合は対象となります。

一度、マイナポータル連携をしておけば、翌年以降はスムーズにデータを取得できます。初回の場合は、連携の手続きを行ってからデータが取得可能になるまで数日かかる場合があるので、早めに連携の手続きを行っておきましょう。

iPhoneのマイナンバーカードで確定申告ができる

令和7年分の確定申告から「iPhoneのマイナンバーカード」で申告ができるようになりました。Androidは令和6年分の確定申告から対応しています。

マイナンバーカードを最新のマイナポータルアプリを使ってiPhoneに追加することで、マイナンバーカードの機能をiPhoneに入れることができます。マイナンバーカードを持ち歩く必要がなくなるので便利です。

  •  iPhoneのマイナンバーカード 出所: スマートフォンのマイナンバーカード デジタル庁

    iPhoneのマイナンバーカード 出所: スマートフォンのマイナンバーカード デジタル庁

e-Taxでの確定申告・マイナポータル連携では、マイナンバーカードの読み取りが必要な箇所が多く、その度に暗証番号を入力、実物のマイナンバーカードをかざして認証する必要があります。iPhoneのマイナンバーカードなら、生体認証を使って認証ができるのでスムーズに申告を進めることができます。

マイナンバーカードの有効期限に注意

マイナンバーカードを使った確定申告は、手間を減らせる一方で、有効期限切れには注意が必要です。申告時に慌てないためにも、今のうちにカードの有効期限を確認しておきましょう。

マイナンバーカードの有効期限は、カード発行から10回目の誕生日までです。発行時に18歳未満であった場合は、5回目の誕生日までとなっています。

また、マイナンバーカードの電子証明書は年齢にかかわらず、電子証明書の発行から5回目の誕生日までです。

  •  マイナンバーカードの有効期限 出所: マイナンバーカードおよび電子証明書の有効期限・更新 デジタル庁

    マイナンバーカードの有効期限 出所: マイナンバーカードおよび電子証明書の有効期限・更新 デジタル庁

マイナンバーカードの更新手続きは、申請から受け取るまでに1か月程度かかります。確定申告期間中に有効期限が切れないように、1月~3月生まれの人は、有効期限に注意し、早めに更新手続きをしておきましょう。

マイナンバーカードや電子証明書の有効期限が近づくと、期限の2〜3か月前を目安に「有効期限通知書」が自宅に届きます。更新手続きは、有効期限の3か月前から市区町村の窓口で行うことができます。