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その世代の昭和トークに辟易としながら、それでもマチルダ殺害犯人事件の真相を追う存在が、白馬だ。彼女は、1988年と現代をつなぐ重要な役割を担っており、いわゆる本作を見る若者世代の「目線」という立ち位置にもいる。

そう。現代と1988年では、カルチャーも大きく違う。劇中では何度も「オタクが気持ち悪い」という言葉が飛び出すが、実際に80年代は、「オタク迫害」時代であった。決定的だったのが、宮崎勤事件だ。1988年から89年にかけて、関東地方で相次いで幼女が誘拐、殺害された事件で、犯人がアニメをはじめとするサブカルチャーに傾倒していたことから、「オタク」という呼称が世間に広く周知された。

アニメなどのサブカルチャーが好きな者は総じて「オタク」と呼ばれ、「オタク」=「犯罪者予備軍」とまで言われていた時代でもあった。クールジャパンや『君の名は。』、『鬼滅の刃』が大ヒットする現代からは考えられないが、ゆえに、中学時代のミンメイは、「オタク」化していく雄太に、危機と気味悪さを感じていたのだ。

正確には、1988年頃は「第二次オタクブーム」であり、その「第一次」が、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を作った庵野秀明監督や、岡田斗司夫世代となる。

同時に1988年頃は、「軽薄」の時代とも呼ばれていた。学生の間では「努力」であったり、「何かに熱中すること」「何かに詳しいこと」を冷笑する文化があった。それなのに、ビジネス面で「24時間働けますか」という言葉がCMなどでも流行語となり、トレンディドラマ、メインカルチャーに「熱中」することは良しとする、矛盾した時代でもあった。

そんな時代に中学時代を過ごしていたのが、この主人公3人組だ。「オタク」と迫害されながらも、大好きなサブカルチャーに「熱中」する。それは、並大抵の「好き」だけでは、生き延びられない。「好き」は「輝き」そのものだ。その「輝き」は、形を変えて、今も主人公3人たちの中で眠っているはず…。彼らはこの事件を通して、「輝き」を取り戻せるのか?

一方、白馬の世代は、自分から「俺、実は結構オタクなんだよね(笑)」と言うイケメン男子がいるほど、「オタク」の概念が変化している(※「やはり気持ち悪い」という声もあるなど例外もある。人柄による)。日本のアニメがきっかけで日本好きになる外国人もいれば、コスプレ文化も、「クールジャパン」として、市民権を得ている。つまり、白馬と昭和のおじさん3人は案外、相性が良い。

このおじさん3人と、若い女子1人の4人組が、今後どんな真実を見いだしていくのか。まだ夢や希望を抱いている白馬が、「人生終わった」と嘆くおじさん3人にどんな影響を与えていくのか──見どころが多すぎて、語り尽くせない。

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