1991年の俳優デビューから数多くのドラマや映画で活躍を続けている常盤貴子。1月4日からはプレミアムドラマ『京都人の密かな愉しみ Rouge-継承-』(NHK BSP4K/BS 毎週日曜22:00~22:45)に出演中だ。俳優業のみならず、京都との縁から京都府文化観光大使を務め、能登との関わりから防災士の資格を取得するなど、さまざまな活動をしている常盤にインタビューし、本作への思いや自身の原動力など話を聞いた。

  • 常盤貴子

    常盤貴子 撮影:蔦野裕

京都人の持つ独自の価値観や美意識を描いてきた『京都人の密かな愉しみ』の第3シーズンとなる『京都人の密かな愉しみ Rouge-継承-』。常盤は本作で再び三上(沢藤)三八子を演じている。京都屈指の老舗和菓子屋・久楽屋春信の若女将だった三八子が、三上驍(石丸幹二)と結婚しパリに去ってから8年、三八子の母・鶴子(銀粉蝶)の病を知った驍が、先妻の娘でパリ育ちの洛(穂志もえか)に店を継ぐことを提案。洛が京都に降り立ち、三八子も帰ってきて、女三代の“継承”をテーマにした物語が描かれる。

常盤は「私自身が出演者でありながら『京都人の密かな愉しみ』のファンだったのでうれしかったです」と本作のオファーを受けたときの心境を述べ、「今回は女三代で継承を考えていくという内容で、継承は京都の町において切っても切れない、重くのしかかるテーマだということを初めて知りましたし、継承の形もこれだけの方法、スタイルがあると知ったので、京都に限らず、日本全国、全世界の継承を考えなければいけない立場の皆さんに見ていただきたいなと思います」と作品の魅力を語る。

2021年より京都の伝統文化を紹介する『京都画報』(KBS京都テレビほか)に出演し、2023年に京都府文化観光大使に就任した常盤。より京都を深く知れたことも、今回の役作りに生きたという。

「『京都画報』という番組をやらせていただけたことによって、職人さんや料理人の方など、京都に住まう方々の裏側を知り、京都の町に住む重みを深く感じていたので、継承をテーマにした今回の『京都人』に向けて、すごくいい積み重ねをさせてもらえたと感じています」

演じる三八子については、「私が憧れる京女のスタイル」だと言い、「はっきりものを言いたくなるものですが、途中でやめて、『なぁ~』みたいな。あとは察してというのは、物事を荒立てないすごくいい方法だなと思います」と語る。

常盤自身は「はっきり言ってもらいたいし、言いたいタイプ」とのことだが、年齢を重ねて三八子のようにはっきり言わない良さを感じ、変わりつつあるという。

「やんわりしていると、どちらかわからなくてミスしてしまうこともあるので、はっきり言ってもらった方がいいと思って生きてきましたが、年齢もあるのか、今はもうやんわり生きていきたいなと思うように。世の中、言わなきゃよかったということがたくさんあるので、噂話なども、何が言いたかったんだろうというところで止めるぐらいがちょうどいいのかなと思います」

  • 洛役の穂志もえかと三八子役の常盤貴子 (C)NHK

    洛役の穂志もえかと三八子役の常盤貴子 (C)NHK

“瞬発力”を大切に「これからもフットワーク軽くいられたら」

デビューから今年で35年。今の俳優業に対する思いを尋ねると、「その場その場をやり切るみたいな感じで、それは今も変わりません」と答え、「自分自身がどこに向かっているのか本当にわからない。でもそれでいいと思ってるんです」と予測不能な人生を楽しんでいる。

「だからこそ自由でいられる。新年の抱負を掲げても、絶対その通りにならなくて、年末に『こんな年になるとは思ってなかったんですけど』って言う自分がすごく好きです。思わぬ1年になったという、それが激しければ激しいほど、『やったね私!』って思います」

2025年も思わぬ1年になったという。

「 (『京都人の密かな愉しみ』シリーズの)源(孝志)監督にも(同シリーズに出演していた料理研究家の)大原千鶴さんにも8年間お会いしてなかったのが、今年に入ってから源監督、大原さんとご飯に行く機会に恵まれ、そのときに源監督から『京都人やりたいんだけど出てくれない?』と言われて『やります!』と答え、9月ぐらいから撮影を始めて。そんな年になると思ってなかったけど、そういう方がやっぱり楽しいなと思います」

そして、今後も「やりたい」という気持ちを大切に、フットワーク軽く仕事と向き合っていきたいと語る。

「先のことは全くわかりませんが、出会ったもの、出会った人、出会った場所と自分自身のコラボレーションというか、その瞬発力でずっと生きてきたので、これからもフットワーク軽くいられたらいいなと思います」