埼玉西武ライオンズの髙橋光成(写真:産経新聞社)

 MLB移籍を目指した埼玉西武ライオンズの髙橋光成が、残留という選択をした。西口文也監督から受け継いだ背番号13はただの数字ではなく、球団の歴史と、勝利を願い続けてきたファンの思いが積み重なっている。2026年、再びその重みを背負う覚悟が問われる。(文・羽中田)

 

背番号13の残留と西口監督の期待

 

[sp_ad]

 

 西武の背番号13番・髙橋の物語が再び始まる。

 

 ポスティングシステム(入札制度)でMLB移籍を目指していた髙橋だが、日本時間1月4日に西武残留を決めた。

 

 西武ファンからは、MLB移籍先が決まらなかった事実に対して、様々な意見がある。夢を叶えられなかった無念さ、覇権奪回に向けた戦力強化の喜びなど、悲喜こもごもの感情が交錯している。

 

 されど西口監督は、髙橋には大いに期待しているだろう。戦力としても、背番号13の後継者としても。

 

 西口監督自身も、現役時代に背番号13を背負ってきた。背番号はただの数字ではなく、歴代の選手たちが背負ってきた物語といえる。

 

 西口は現役時代に182勝を挙げ、西武のエースとしてチームを支え続けた大投手である。2015年の西口の引退セレモニーでは、マウンドにグラブを置き、当時高卒1年目の髙橋が拾う場面があった。

 

 2019年からは西口の背番号13を髙橋が受け継ぎ、良い時も悪い時も先発ローテーションで投げ続けた。

 

 2025年は24試合計148イニングに登板し、8勝9敗。勝敗だけを見れば物足りなさも残るが、1年間ローテーションを守り抜いた事実は揺るがない。年間通して粘り強く投げ切った。

 

ファンとして思う本音「チームを日本一に導いてから…」

 

[sp_ad]

 

 一方で、苦楽を共にした今井達也をはじめ、日本代表経験のある選手たちが、ポスティングでメジャー移籍を果たした。

 

 日本人選手のMLB進出が当たり前になってきた現代だからこそ、夢を応援したい気持ちは大前提としてある。

 

 プロ野球選手が個人事業主であり、移籍が自由であることは私自身も理解している。それでも、ファンとして思ってしまうことがある。

 

 「チームを日本一に導いてから、海を渡ってほしい」

 

 プロ野球選手には、多くのファンがいるはずだ。毎試合のように球場に足を運ぶファンもいる。仕事や学業が忙しいが、試合途中から球場に来るファンもいる。

 

 私自身も球場に足を運べない日は、テレビやラジオで応援している。数えきれないほどの感情を、時間を、そしてお金を割いている。様々な形で応援しているファンが大勢いる。

 

 願うことしかできない。それでもファンだからこそ願ってしまう。移籍は自由だが、この感情は切り離せないのが本音だ。

 

 2026年は、西武一筋25年目を迎えるレジェンド・栗山巧が去る年だ。偉大な先輩を気持ち良く送り出すためにも、背番号13を背負う髙橋には自然と期待が高まる。

 

 現状を打破し、レジェンドと共に頂まで駆け上がる日を、心から祈っている。

 

【著者プロフィール】

羽中田 (hanakata)

ライター。2001年東京都生まれ。幼少期から埼玉西武ライオンズにまっしぐら。2025年5月より埼玉西武ライオンズの、イベント、試合、選手のインタビューを中心にコラムを寄稿。現在、カフェ店員をしながら執筆活動に励み、年間60試合以上を現地へ足を運ぶ。趣味は、炭坑節を聴きながらカフェモカを飲むこと。

 

 

【関連記事】

 

【了】