働きながらスキルアップをしたいと考えている会社員はとても多いと思います。そうした時に、「教育訓練給付金制度」が活用できることをご存じでしょうか。この制度は、失業中の人だけでなく、在職中の会社員でも利用できます。日商簿記や宅建、TOEIC、MOS、Webデザインなどさまざまな講座があり、仕事を続けながら休日やオンライン講座などで学ぶことができます。制度を利用することで講座費用の20%(上限10万円)が戻ってくるので、今年のスタートに、教育訓練給付金制度を利用したスキルアップにチャレンジしてみませんか?

  • 働きながらスキルアップ「教育訓練給付金制度」とは?

    働きながらスキルアップ「教育訓練給付金制度」とは?

教育訓練給付金制度とは

教育訓練給付金制度は、雇用保険に加入している会社員などが、厚生労働大臣の指定を受けた講座を受講・修了した場合に、支払った費用の一部がハローワークから支給される制度です。支給額の割合は教育訓練の種類や雇用保険の加入期間によって異なります。

求職者支援だけでなく、働きながらのスキルアップや資格取得を支援するための制度としても使える仕組みになっています。

教育訓練給付金制度には、以下の3つの教育訓練があります。

●専門実践教育訓練

職業資格取得や専門スキル向けで給付率が高い

<対象講座>
公的職業資格(業務独占資格など)の養成課程など。介護福祉士、看護師・准看護師、美容師、社会福祉士、歯科衛生士、保育士、調理師など

●特定一般教育訓練

一定の専門性や再就職につながる講座向け

<対象講座>
業務独占資格などの取得を目標とする講座など。大型自動車第一種・第二種免許、介護職員初任者研修、社会保険労務士、税理士、行政書士、司法書士、宅地建物取引士資格試験など

●一般教育訓練

働く人の日常的なスキルアップに使える制度

<対象講座>
資格の取得を目標とする講座など。TOEIC、TOEFL、実用英語技能検定、簿記検定試験、中小企業診断士、Webクリエイター、ITパスポートなど

  • 教育訓練給付金の講座指定の対象となる主な資格・試験など 出所: 教育訓練給付金 厚生労働省

    教育訓練給付金の講座指定の対象となる主な資格・試験など 出所: 教育訓練給付金 厚生労働省

教育訓練の種類ごとに資格がきれいに分かれているわけではなく、同じ資格がいくつかの区分にまたがって指定されているものが多くあります。

ここでは、仕事を続けながら、キャリアアップの一環で資格取得を目指す「一般教育訓練」について解説します。

一般教育訓練給付金を受けるには

一般教育訓練給付金を受けるための要件を確認しましょう。

*対象者

  • 受講開始日に雇用保険に加入していること
  • 雇用保険の加入期間が1年以上あること
  • 以前に給付を受けたことがある場合は、雇用保険の加入期間が3年以上あり、なお且つ前回の給付から3年以上経過していること

会社員に限らず、雇用保険の加入要件を満たしていれば、パートやアルバイトの方も対象となります。

*対象講座

厚生労働大臣の指定を受けた講座が対象となります。対象講座は「教育訓練給付金講座検索システム」で検索できます。

例えば同じ「TOEIC対策講座」と銘打っていても、厚生労働大臣の指定を受けていない講座は給付金の対象とはならないので、必ず講座検索システムで確認しましょう。

検索条件に、「夜間」、「土日」、「通信」、「eラーニング」を指定できるので、働きながら学べる講座を探すことができます。

*支給額

一般教育訓練は受講費用の20%が支給されます。

上限: 10万円
下限: 4,000円を超える場合に支給対象※

※20%に相当する額が4,000円を超えない場合は支給されません。つまり2万円を超える講座を受けないと支給されないということです。

講座費用が50万円であれば、上限である10万円が支給されます。

なお、受講費用とは、入学料および受講料(最大1年分)の合計をいい、検定試験の受験料は含みません。まずは、教育訓練施設に受講費用の全額を支払い、受講後に申請をすることで、受講費用の20%が戻ってくる仕組みです。

*申請の流れ

  1. 雇用保険の加入期間の要件を満たしているか確認する

  2. 対象講座を選ぶ

  3. 教育訓練施設に受講の申し込みをする

  4. 講座を修了する

  5. 修了後1か月以内にハローワークに申請する

<提出書類>

  • 教育訓練給付金支給申請書
  • 教育訓練修了証明書
  • 領収書
  • 本人・住所確認書類およびマイナンバー確認書類
  • 通帳またはキャッシュカード(給付金の振込先口座)
  • 教育訓練経費等確認書(郵送・電子申請の場合)

教育訓練の修了日の翌日から1か月以内に、住所地のハローワークに上記の書類を提出する必要があります。期限を過ぎると給付金を受け取れないので忘れずに申請しましょう。

活用事例

教育訓練給付金制度を活用した資格取得やスキルアップについて、具体的な活用事例を紹介します。

  • TOEICで英語力を磨き、海外業務やグローバル案件への対応力を高める
  • MOSを取得し、ExcelやWordなどの実務スキルを底上げする
  • 事務職として働きながら簿記を学び、経理事務へのスキルアップを目指す
  • Webマーケティングを学び、Web担当として社内での評価を高める
  • ITパスポートを取得し、「営業 × IT」の掛け合わせスキルで強みをつくる
  • 仕事を続けながら、大学院で修士号・博士号の取得を目指す
  • 今の仕事とは異なるスキルを身につけ、将来の転職やキャリアの選択肢を広げる

教育訓練給付金の対象講座は約17,000講座あります。受講料が2万円を超える講座であれば、給付金が支給される可能性があります。今年こそ何か新しいことを始めたいと思っているなら、公的制度を上手に使って資格取得やスキルアップにチャレンジしてみるのもいいですね。