2025年の大みそかに放送された『第76回NHK紅白歌合戦』で、連続テレビ小説『あんぱん』のスペシャルコーナーが行われ、ショートドラマとキャスト陣による歌のステージに視聴者から歓喜の声が続出。大きな盛り上がりを見せた紅白での『あんぱん』企画の制作の裏側について、制作統括の倉崎憲チーフ・プロデューサーに話を聞いた。
本編のセット&衣装で「『あんぱん』が戻ってきたと喜んでほしかった」
『あんぱん』は漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、ヒロイン・朝田のぶ(今田美桜)と柳井嵩(北村匠海)が“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描いた物語。昨年9月26日に最終回を迎えた際には、SNS上で“あんぱんロス”の声が相次いだ。
9月29日~10月2日には『あんぱん』特別編が放送されたが、約2カ月後の大みそかに紅白で再び『あんぱん』が帰ってきた。『あんぱん』のショートドラマ『紅白特別編』とドラマの出演者による歌のスペシャルステージに、「あんぱんのキャストさんが紅白に集結してるの最高だよ」「あんぱん、神演出だな!感動するわ」「あんぱんファミリー胸アツ!!」「涙出そうになる」などと歓喜の声があふれた。
倉崎氏は、昨年の夏頃から紅白チームと話し合いを重ね、「『あんぱん』の世界観をもう一度届けたい」という思いで企画を考えていったという。
「大みそかなので歌も歌ってほしいけど、視聴者の皆さんに『あんぱん』が戻ってきた、また見られたと喜んでほしかったので、『あんぱん』の世界観をもう一度届けたいなと。なので、本編で使っていたセットで、役衣装で、ショートドラマを作ることにしました」
リアルな世界と融合させたユーモアあふれるドラマに
ショートドラマはお馴染みの喫茶店のセットで撮影。嵩(北村)、蘭子(河合優実)、メイコ(原菜乃華)、羽多子(江口のりこ)、たくや(大森元貴)、店長(西村雄正)が紅白を見ているというストーリーで、のぶ(今田)は紅白の司会として、そして、NHKのディレクターとなった健太郎(高橋文哉)も紅白の現場で頑張っているという、リアルな世界と融合させたユーモアあふれるドラマとなった。
「紅白チーム含めみんなで話し合っている中で、事前収録だけどリアルタイム性を大事にしたいということになって、NHKホールでのぶ姉ちゃんが司会として頑張っているから、みんなで紅白を見ていたらいいんじゃないかと。しかも健ちゃんがNHKのディレクターという設定だったので、健ちゃんもNHKホールで仕事として頑張っているということにして、お馴染みのメンバーで忘年会がてら紅白を見てのぶたちを応援しているという構成になりました」
嵩たちはテレビではなくスマホで紅白を視聴。そこでもリアルタイム性を表現した。
「役衣装ではありながら、時空を超えて2025年の大みそかの紅白を見ているという設定なので、スマホで見ている方がわかりやすいし、面白いのではないかなと」
そして、「NHKホールにのぶを応援しに行こう」という流れで、実際の紅白のステージにキャスト陣が登壇し、歌のステージへ。
「役衣装で『あんぱん』の世界に浸ってほしいという意味でのショートドラマでもあり、NHKホールへの橋渡しのためのショートドラマでもあります」
歌手を夢見ていたメイコの思いも大切に
また、紅白のステージに行きたいというモチベーションとして、歌手を夢見ていたメイコの思いも大切にしたかったと倉崎氏は語る。
「メイコはドラマ本編で『のど自慢』の予選会で落ちて、その後、母親になって子供も生まれて幸せな家庭を築きましたが、メイコの中にはずっと歌への思いがあったと思うんです。のぶもそうですが、世の中には『何者かになりたかった』という女性がたくさんいると思いますし、メイコの思いを一夜限りでも実現したいという思いが我々にありました」
紅白のステージに行くところでは、蘭子がタイムリープできるという設定に。ヤムおんちゃんこと屋村草吉役の阿部サダヲがタイムリープする主人公を、その娘役を河合が演じたTBS系『不適切にもほどがある!』を連想させる演出に、SNSでは「ふてほどみたいな展開(笑)」「あんぱんの世界にふてほどw」「あんぱんとふてほどのコラボやん!」などと盛り上がった。
ショートドラマの撮影は12月中旬に実施。キャスト陣は久しぶりの再会を喜んでいたそうで、「待ち時間もスタジオの中でみんなで待っていて、他愛もない話をしていました。あの日だけは『あんぱん』の温かかったスタジオと前室の空気に戻った感じで、我々もすごくうれしくなりました」と収録時の様子を明かした。
紅白に続き、1月3日(22:00~22:50)には、『あんぱん』のスピンオフとなるオーディオドラマ『さいごのうた』がNHK-FMで放送される。本作で描かれるのは、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴が演じる作曲家・いせたくやの晩年。たくやの作曲家としての執念や、嵩との絆が感じられる物語となっている。また、NHK ONEでは『あんぱん』総集編が配信中。
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