フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)初の4時間特番『ザ・ノンフィクションの大みそか2025 放送30周年スペシャル』(31日13:50~)の収録が、このほど行われた。

ドキュメンタリーをこよなく愛する東野幸治と設楽統(バナナマン)のMCで、これまでに放送された全1,200回超の中から記憶に残る登場人物たちがスタジオに続々登場。この中の1人が、2020年、25年に放送された「クズ芸人シリーズ」の主人公であるお笑いコンビ・ガッポリ建設の小堀敏夫だ。

芸を磨く努力は皆無で、ネタ見せをサボり、パチスロに興じ、“ギャラ飲み”と借金で、その日暮らしの日々を送る小堀の生き方に、SNSは沸騰。今回の収録には、そんな彼を見捨てずコンビを維持し続ける相方・室田稔とともに出演したが、ここでまさかの“事件”が起こった――。

  • (左から)ガッポリ建設の室田稔、小堀敏夫

    (左から)ガッポリ建設の室田稔、小堀敏夫

東野、設楽、吉岡里帆の目の前で「カメラ止めてくれますか?」

ガッポリ建設は、かつて東野MCのネタ番組『あらびき団』(TBS)にたびたび出演し、バナナマンとは渡辺正行主催のライブ「ラ・ママ新人コント大会」で若手時代にしのぎを削っていた仲。それだけに、小堀は「感慨深いものがあったよね。7~8年前はもう落ちるところまで落ちてたから、(東野と設楽は)別世界の人だと思ってたんだよ。それがさ、まさかスタジオで横に並べる日が来るなんて思わなかったからね」と喜びを語る。

小堀のドキュメンタリーのナレーションを担当したゲストの吉岡里帆も交えたスタジオトークでは、「面白くできてたと思うんだよ」と手応えがあったそうだが、その最中に“事件”が起きた。

トークの中で、小堀が後輩と飲むと言って室田から借りたお金をパチンコで“溶かした”ことをサラッと告白すると、室田の様子が一変。立ち上がって、「カメラ止めてくれますか?」と収録の中断を要求し、「コンビを解散する」と怒りをあらわにして退席してしまったのだ。

あまりの急展開に、スタジオには「ドッキリ?」と疑う空気が流れたが、小堀が慌てて室田を追いかけ、“マジ激怒”であることが判明。室田はスタジオに戻らず、すぐにフジテレビから帰ってしまい、スタジオがまさに“ドキュメンタリーの現場”となった。

収録前から感じていた異変「“来たくねえ”って…」

収録本番を終え、ガッポリ建設2人そろってインタビューを行う予定だったが、結果として小堀のみが応じることに。「見ての通りなんだけどね。俺が室田の金を使っちゃったことがこの2年くらいで2~3回あったからさ、後で揉めるのも嫌だからこのタイミングで言っちゃんたんだよ。そりゃ俺が悪いよ? 今回に関して言い訳はしない、俺が100(%)悪いから」と釈明する小堀。

室田の怒りの導火線には、少し前から勘づいていたそうで、「“俺のバーター(※抱き合わせ出演)だから”ってギャグで言ってたんだけど、そっからちょっと変だったんだよね。あいつ“(スタジオに)来たくねえ”とか言ってて、俺の晴れ舞台だからってことで来させたんだけど…」と振り返る。

収録では、室田が小堀を見捨てない理由を明かし、感謝する場面もあっただけに、「俺はガッポリ建設を続ける方向で行きたい。永遠にガッポリ建設だと思ってるから」と強調する小堀。「あいつはいろいろ心配してくれて、俺の母ちゃんみたいなところがあるんだよ。お金の部分でも相当世話になってるから、“ごめん”って謝るよ」と、自身が折れてコンビ仲の修復に全力を注ぐ構えを見せていた。

生放送でついに年内での解散を申し出

2人はそのまま顔を合わせることも連絡を取ることもなく、ゲスト出演を予定していたラジオ番組『ナイツ ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)に25日、コンビで登場。長年、迷惑をかけられ続けて「疲れた」という室田が見切りをつけて、生放送で年内での解散を申し出た。

『ザ・ノンフィクション』特番収録後のインタビューで、小堀は「塙(宣之)がこの話聞いたら、“小堀さんが悪いですよ”って言ってくるだろうから、塙の耳に入る前になんとかしないとな」と言っていたが、その特番放送日にまさかの結末を迎えることになった。

  • 『ナイツ ザ・ラジオショー』に生出演するガッポリ建設

    『ナイツ ザ・ラジオショー』に生出演するガッポリ建設

●小堀敏夫
1967年生まれ、群馬県出身。97年に室田稔とお笑いコンビ・ガッポリ建設を結成、漫才やコントで活動し、『エンタの神様』『あらびき団』などにも出演した。2003年からWAHAHA本舗にも所属したが、19年に主宰・喰始にクビを言い渡された。