阪神タイガースの球団マーク(写真:産経新聞社)

 来季、リーグ連覇を狙う阪神タイガース。「黄金期」を築くためには、中長期的なドラフト戦略が大事になることは論を待たない。本稿では少々気は早いが、来年の阪神ドラフト1位候補および指名戦略を考察していきたい。

 

主な4つの補強ポイント

 

 阪神は2025年ドラフトで「打てる野手をとる」というテーマのもと、上位3名を強打の大学生野手で固めた。2023年度からは2年連続で投手を上位指名しており、自チームの強化ポイントとともに各年のドラフト対象選手の傾向を見極めている様子が窺える。

 

 2026年のドラフトでは、高校生の投手、大学生の投手・捕手に注目選手が多いという見方が現段階の主流となっているようだ。それを踏まえ、阪神の補強ポイントを分析し、1位指名候補を考察してみたい。

 

 阪神の主な補強ポイントは、大まかに分けて次の4点と考える。

 

・坂本誠志郎の後継となる守備型捕手

・近本光司の後継となる中堅手

・中継ぎ右腕と先発左腕

・遊撃手のレギュラー候補選手

 

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 上記の4点の中から最優先ポイントを定め、1位指名候補を決めていく。実際は来季におけるチーム状況、既存選手・ドラフト指名候補選手の成長度合いなどを照らし合わせなければならないが、あくまで現段階の分析としてお付き合い願いたい。

 

 先述のように、来年は大学生投手・捕手に逸材が多い。それを踏まえ、最優先は「坂本誠志郎の後継となる守備型捕手」、次点は「中継ぎ右腕と先発左腕」を重点ポイントに定め、1位指名候補を決めていきたい。

坂本の後継候補?ひしめく”逸材捕手”

 

 筆頭は渡部海捕手(青山学院大)だ。智辯和歌山高時代は甲子園で優勝を経験。青山学院大でもチームを幾度も頂点に導き、数々の好投手の球を受けてきた。常勝阪神の流れを受け継ぐに格好の選手であり、坂本の後継候補になり得る逸材であろう。

 

 渡部とともに、今夏の日米大学野球選手権のメンバーに選考された前嶋藍捕手(亜細亜大)も1位指名候補だろう。渡部は打撃を含めた総合力に秀でており、前嶋は守備面での評価が特に高い。この両名をまず1位指名候補に据えたい。

 

 勝利に導ける捕手という観点から挙げたいのが、福原聖矢捕手(明治大)と西野啓也捕手(立命館大)だ。

 

 福原は小島大河(埼玉西武ドラフト1位)の控え捕手としてリーグ戦に出場し、来季は主将を務める扇の要。身長167㎝と非常に小柄ながら、正確な送球と機敏さを兼ね備え、捕手としての評価が非常に高い選手だ。

 

 西野は今秋の明治神宮大会で、立命館大を創部初の準優勝に導いた主力のひとり。強肩や正確な送球はもちろん、ブロッキングやキャッチングといった技術面の精度の高さは群を抜く。

 

 福原は控え捕手ながら、今秋の東京六大学リーグで全勝優勝を経験。西野は前述のようにチームを明治神宮大会ファイナリストまで導いてきた。勝利の味を知る選手として指名候補に挙げたいが、仮にこの両名を2位以下の指名で獲得できるとした場合、「中継ぎ右腕と先発左腕」を最優先ポイントとするプランで1位指名を考えていきたい。

 

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今の阪神に必須...?要注目の”3投手”

 

 中継ぎ右腕としては、鈴木泰成投手(青山学院大)を推したい。非常に回転数の多い速球を投じ、ストレートの伸びは現段階でもアマチュア投手屈指だろう。剛腕というよりもキレで三振を奪える投手であり、かつての藤川球児(現・阪神監督)を彷彿とさせる。

 

 もうひとりとして川尻啓人投手(亜細亜大)を推薦する。こちらもキレのある速球を武器とし、縦に鋭く落ちる変化球で三振を奪うリリーフ右腕。いまの阪神の投手事情にフィットしそうなタイプと思われ、即戦力として1位指名したい。

 

 先発左腕としては、有馬伽久投手(立命館大)が筆頭ではないか。全球種の精度が高く、とりわけキレのあるストレートをコーナーに制球する力は、同大学の先輩である東克樹投手(横浜DeNAベイスターズ)を連想させる。

 

 現在の阪神の先発左腕投手陣とは異なるタイプであり、投手陣の底上げに貢献できる投手として1位指名候補としたい。ただ、いずれの投手も指名の重複が予想され、慎重に対策を講じていかなければならないだろう。

 

 1位で即戦力の投手を指名できた場合は、2位か3位で先述の捕手陣を獲得したいというのが、現段階の考察だ。来季以降まで見据え、常に優勝を狙える戦力配備を進めていきたい。

 

 ここまで、4つ挙げたなかで2つの最優先ポイントを抽出し、現段階での2026年ドラフトの1位指名候補の構想を考察してきた。残る2つにポイントついて、或いは今回触れられなかった高校生については、また機会を改めて深堀りできればと思う。

  

 もちろん補強ポイントはこれに全く限らず、かつ日々揺れ動き、新たな考察対象は刻々生じていくだろう。球団が休みなく戦略を練り続けることと同様に、われわれ野球ファンも変化していく状況を楽しみながら、未来への展望を考えていきたい。

 

 

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【了】