コロナ禍が明け、対面での打ち合わせ機会が増えてきました。

対面とオンラインの打ち合わせはそれぞれに難しさがありますが、対面の場合は注意点や改善策に関する情報が体系的に共有されていないことが多く、経験を通じて学ばなければならないという点がヒアリング初心者にとって、より難しさを感じるポイントです。

「でざいん姉さん」としてSNSで日々デザインに関する発信をしている佐野五月氏は、「対面での打ち合わせでは、相づちを○○るように伝えるべし」と指摘します。

佐野さんの新刊『デザインはヒアリングからはじまる』(マイナビ出版)から一部を抜粋し、対面での打ち合わせの極意を解説します。

  • 対面の打ち合わせの注意点はオンラインミーティングと比べて明文化されていないので、初心者にとって難しく感じやすい

    対面の打ち合わせの注意点はオンラインミーティングと比べて明文化されていないので、初心者にとって難しく感じやすい

対面(リアル)時のヒアリングの極意

対面でお会いする場だからこそ伝わる空気や、得られる情報があります。

服装や姿勢といった第一印象は一瞬で決まりますし、声のトーンや立ち居振る舞い、空間の雰囲気も会話に影響を与えます。さらに、ささいな振る舞いや気配りが相手との信頼を築くきっかけにもなります。

そこで、対面の打ち合わせで意識したいポイントをまとめました。

1:第一印象は最初の3秒で決まる
会話をはじめる前から、すでに相手への印象ははじまっています。とくに最初の3秒で、「この人は話しやすそう」「安心できそう」といった印象を持ってもらえるかどうかが決まります。ちょっとした仕草や表情の違いが、その後のコミュニケーションに大きな影響を与えるのです。

  • 清潔感を意識した服装を選ぶ:見た目から「きちんと準備してきている」と伝わります。
  • 自然な姿勢や動きを心がける:猫背や腕組みは、無意識のうちに「拒否」のサインと思われることがあります。
  • やわらかい笑顔と明るい声であいさつする:挨拶のトーンだけでも、安心感や親しみやすさを生み出します。

2:表情や相づちは“見えるように”伝える
対面の打ち合わせでは、相手の様子がよく見えているように思いがちですが、実際には座っている位置や距離によってリアクションが意外と伝わりづらいことがあります。とくに相づちや共感のサインは、少し意識しないと伝わらないことも。

そのため、リアルな場でも“ちゃんと見えるように伝える”ことを心がけましょう。

  • うなずきはいつもよりやや大きめに:首を軽くしっかり動かし、「聞いていますよ」と視覚的に示しましょう。
  • 表情に気持ちを込める:「いいですね」「それは大変でしたね」など、言葉だけでなく表情でも感情を表すと、相手に感情が伝わります。
  • 目を合わせてうなずく:相手が話している間は、やさしく目を見てうなずくことで、気持ちがより伝わりやすくなります。

3:距離感と空間の使い方で「話しやすさ」をつくる
座る位置や机の使い方など、ちょっとした距離感の違いが、そのまま心の距離にも影響します。たとえば、少し配置を変えるだけで「この人は話しやすいな」と思ったり、「少し緊張するな」と感じたりすることがあります。だからこそ、机や空間を共有する場を丁寧に扱うことが、自然な安心感を生み出すポイントになります。

  • パーソナルスペースを大切に:近すぎると緊張しやすくなりますし、逆に遠すぎるとどこかよそよそしい印象になります。
  • 資料を見るときは“横並び”がおすすめ:「向かい合う」のではなく、「同じ方向を向く」ことで自然と協力ムードが生まれます。
  • 荷物はさっとまとめて、スペースをゆったりと:相手のスペースを尊重するちょっとした気づかいの積み重ねが、信頼を生むコミュニケーションになります。

4:“落ち着き”が生む信頼感
ときには話す内容よりも、ふるまいや間の取り方のほうが強く印象に残ることがあります。こちらが慌てていると、その雰囲気は自然と相手にも伝わってしまいます。 反対に、落ち着いた動きや表情を心がけることで、「この人になら任せて大丈夫だな」という安心感を与えることができます。

  • 焦らず進めるために、事前準備はしっかりと:資料の確認や相手の情報チェックは、基本のひとつです。
  • 少し早めに現地に到着して、心に余裕を持つ
  • 必要な資料やメモは、すぐに取り出せるように用意する
  • 相手が考えているときは、急かさずに“待つ”気持ちで見守る

5:細やかな気配り
ちょっとした気配りや所作は目立ちませんが、そうした細かな心づかいが「この人、感じがいいな」と思ってもらうきっかけになります。こうした丁寧さが、自然と場の空気を心地よいものにしてくれます。

  • 名刺や資料は、丁寧に渡す
  • お茶やコーヒーを出してもらったら、笑顔で「ありがとうございます」とお礼を伝える
  • 椅子を引くときは静かに行い、立ち座りも落ち着いて動く
  • 視線がキョロキョロしないように、相手にしっかりと向ける
  • 机の真ん中は共有スペースとして空けておく
  • 資料やPCは、相手にも見やすいように配置する
  • 自分の荷物やメモで机いっぱいにしない

打ち合わせの机の上も、立派な会話の場です。資料や画面をひとり占めせず、「一緒に見て、考える」ことを意識してレイアウトするとよいでしょう。こうした些細な気づかいが、「話しやすい人だな」と思ってもらうきっかけになります。

書誌情報

書名:デザインはヒアリングからはじまる
著者名:佐野五月
書籍:2,497円
電子版:2,497円
判型:A5
ページ数:272ページ
発売日:2025年11月21日
ISBN:978-4839988067
マイナビBOOKS
Amazon

2026年1月24日、大阪で出版記念イベントを開催

『デザインはヒアリングからはじまる』の発売を記念して、イベントを開催します。 詳細は、マイナビBOOKSの特設ページをご確認ください。

<概要>
日時:2026年1月24日(土) 14:00開場/14:30開演/16:30終演予定
場所:株式会社マイナビ大阪支社 マイナビルーム(〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町4番20号 グランフロント大阪 タワーA 31階)
参加費:
書籍+チケット 5,000円(税10%込み)
チケットのみ 3,000円 (税10%込み)
定員:80名 ※先着順

<内容>
・ヒアリングテクニックが学べるデザイン姉さん特別セミナー
・佐野さんが考える「ヒアリング」の力とは(宮田シロクさんとのお仕事事例)
・Q&Aコーナー

<出演者プロフィール>
佐野五月
アートディレクター・ブランディングデザイナー

宮田シロク
仕事運専門占い師。副業から独立した経験をもとに、西洋占星術で個々に合った働き方を設計。がんばり方のズレを整え、「好き」を仕事にする方法を提唱。モットーは「ヘルシーに働く」。