
プロ野球におけるFA(フリーエージェント)移籍は、ストーブリーグの中心となる話題だ。大物選手の移籍だけでなく、人的補償が不要となるCランクの選手は、争奪戦になるケースも珍しくない。そこで今回は、近年にCランクでFA移籍した経験がある選手を取り上げたい。
伊藤光
[caption id="attachment_191130" align="aligncenter" width="530"] オリックス・バファローズ時代の伊藤光(写真:産経新聞社)[/caption]
・投打:右投右打
・身長/体重:180cm/88kg
・生年月日:1989年4月23日
・経歴:明徳義塾高
・ドラフト:2007年高校生ドラフト3巡目(オリックス)
今オフFA(フリーエージェント)移籍により、新天地でのプレーを選んだ伊藤光。Cランクで移籍となった1人だ。
明徳義塾高から2007年ドラフト3位でオリックス・バファローズに入団し、2013年にブレイク。規定打席到達を果たすと、打率.285の成績を残し、バッティングでも存在感を発揮した。
その後も中心選手としてプレーしたが、若月健矢の台頭もあり徐々に出場機会が減少。2018年はわずか7試合の出場と苦しいシーズンを過ごしていた。
同年のシーズン途中、髙城俊人・白崎浩之とのトレードで横浜DeNAベイスターズに移籍。2019年には自己最多の8本塁打を放った。
ただ、怪我に悩まされることも多く、DeNA加入後は規定打席に到達したシーズンがなかった伊藤。今季は加入後最少となる6試合の出場に終わり、FA権を行使した。
新たな環境でのプレーを望む伊藤に対し、東北楽天ゴールデンイーグルスが獲得を表明。楽天は絶対的な正捕手が不在なだけに、伊藤のチャンスが増える可能性もあるだろう。
山﨑福也
[caption id="attachment_241476" align="aligncenter" width="530"] 北海道日本ハムファイターズの山﨑福也(写真:産経新聞社)[/caption]
・投打:左投左打
・身長/体重:188cm/99kg
・生年月日:1992年9月9日
・経歴:日大三高 - 明治大
・ドラフト:2014年ドラフト1位(オリックス)
6球団による争奪戦となったのが、オリックス・バファローズからFA移籍した山﨑福也だ。
2014年ドラフト1位でオリックスから指名を受け、ルーキーイヤーに3勝をマーク。その後は苦しむ時期もありながら、先発として成長。
2021年には8勝を挙げ、リーグ優勝に大きく貢献。2023年には先発ローテを守り抜き、初の2桁勝利(11勝)を達成した。
同年オフにFA(フリーエージェント)権を行使すると、Cランクという背景から、オリックスを含めた6球団の争奪戦が巻き起こった。
最終的には北海道日本ハムファイターズへの入団を決めた山﨑。プロ10年目となる昨季は初めて規定投球回をクリアし、2年連続の2桁勝利を成し遂げた。
さらなる飛躍を期待されたが、今季は終盤に失速。防御率こそ2.27の成績だった一方、勝ち星は7勝に終わった。来季はさらなる進化を見せ、優勝に貢献したいところだ。
嶺井博希
[caption id="attachment_241477" align="aligncenter" width="530"] 福岡ソフトバンクホークスの嶺井博希(写真:産経新聞社)[/caption]
・投打:右投右打
・身長/体重:176cm/86kg
・生年月日:1991年6月4日
・経歴:沖縄尚学高 - 亜細亜大
・ドラフト:2013年ドラフト3位(DeNA)
日本シリーズでの貢献が光った嶺井博希も、CランクでFA(フリーエージェント)移籍した選手である。
嶺井は亜細亜大を卒業後、横浜DeNAベイスターズに入団。プロ2年目で74試合に出場し、5本塁打を放つパンチ力も披露した。
しかし、翌年以降は打撃が安定せず、レギュラー定着には至らず。それでも2022年には自己最多となる93試合に出場。5本塁打、30打点をマークした。
同年オフにFA(フリーエージェント)権を行使し、福岡ソフトバンクホークスへの移籍が決まった。
移籍2年目の昨季は、キャリアで最も少ない4試合出場に終わった嶺井。苦しい立場となっていたが、今季は甲斐拓也のFA移籍もあり、ソフトバンク加入後最多となる63試合に出場。
また、日本シリーズ第5戦では途中出場から2安打。貴重な働きを見せ、日本シリーズ制覇に貢献した。海野隆司が台頭しているものの、経験豊富な嶺井も欠かせない存在だ。
伏見寅威
・投打:右投右打
・身長/体重:182cm/89kg
・生年月日:1990年5月12日
・経歴:東海大四高 - 東海大
・ドラフト:2012年ドラフト3位(オリックス)
今オフ、衝撃のトレード移籍が発表された伏見寅威。Cランクとして移籍をした選手だが、再び関西に戻ることになった。
東海大時代にはリーグ戦でMVPを獲得。2012年ドラフト3位でオリックス・バファローズから指名を受け、プロ入りを果たした。
ルーキーイヤーから二軍で打率3割超えの成績を残したが、一軍では伸び悩む期間が続いた。
それでも、プロ9年目の2021年、キャリアハイとなる91試合に出場。強打でもチームへの貢献を見せ、2022年に日本一を達成。その後、FA(フリーエージェント)権を行使した。
地元球団の北海道日本ハムファイターズに移籍し、若手が多いチームの中で貴重な働きを見せた伏見。しかし、オリックス時代と比較すると、出場試合数は微減となった。
そして今年11月、阪神タイガースの島本浩也とのトレード移籍が発表。梅野隆太郎、坂本誠志郎らが控えるチーム事情の中、自身の価値を発揮できるのか注目だ。
井納翔一
・投打:右投右打
・身長/体重:188cm/94kg
・生年月日:1986年5月1日
・経歴:木更津総合高 - 上武大 - NTT東日本
・ドラフト:2012年ドラフト3位(DeNA)
FA(フリーエージェント)移籍後、本来の実力を発揮できなかった選手が井納翔一だ。
NTT東日本でのプレーを経て、横浜DeNAベイスターズに入団。新人年に5勝を挙げると、続くプロ2年目に11勝。将来のエース候補と期待する声もあった。
2015年以降は防御率3点台のシーズンが続くも、個人成績は負け越しが続いた井納。2018年にはリリーフでの登板も経験した。
2020年、FA権の行使を宣言。人的補償が不要なCランク選手であることも影響し、東京ヤクルトスワローズも獲得に動いた。
DeNAとの残留交渉、読売ジャイアンツとの交渉の結果、巨人入りを決断。移籍1年目から開幕ローテーション入りを果たすも、すぐに二軍降格となった。
巨人での2年目も思うように登板機会が増えず、わずか7試合の登板に。防御率1.80と決して不調とは言えない成績だったが、オフに自由契約となり、同年限りでの現役引退を発表した。
福田秀平
・投打:右投左打
・身長/体重:182cm/77kg
・生年月日:1989年2月10日
・経歴:多摩大聖ヶ丘高
・ドラフト:2006年高校生ドラフト1巡目(ソフトバンク)
大争奪戦の末に千葉ロッテマリーンズにFA(フリーエージェント)移籍した福田秀平。移籍後は怪我に悩まされ続けた。
高校時代から身体能力の高さを評価されていた福田は、2006年高校生ドラフト1巡目で福岡ソフトバンクホークスに入団。
入団1年目から徐々にファームでの成績を向上させ、2010年に一軍デビューを飾った。将来のレギュラーと期待されたが、代走や守備固めでの出場が多くなっていた。
2019年は9本塁打をマークし、FA権行使を宣言。Cランク選手ともあり、ソフトバンクを含めた6球団が獲得に動いた中、ロッテへの移籍を決断した。
移籍1年目は開幕前こそ好調だったが、死球の影響で本来のパフォーマンスを発揮出来ず、62試合の出場にとどまった。
その後も怪我に悩まされ、4年契約の最終年となった2023年はわずか3試合の出場に。期待された働きを見せられないまま、くふうハヤテベンチャーズ静岡に活躍の場を移した。
【了】