(左から)阪神タイガースの岡留英貴、藤川球児監督、小野寺暖(写真:産経新聞社)

 日本野球機構(NPB)は、12月9日に2025年度の現役ドラフトを開催する。同制度は各球団2人以上の対象選手を選出し、他球団から必ず1人以上指名する。移籍の活性化により、出場機会に恵まれていない選手の新天地での飛躍が期待される。ここでは、今年の現役ドラフトで特に注目したい阪神タイガースの選手を紹介する。

豊田寛

・投打:右投右打

・身長/体重:178cm/86kg

・生年月日:1997年4月28日

・経歴:東海大相模高 - 国際武道大 - 日立製作所

・ドラフト:2021年ドラフト6位(阪神)

 

 プロ4年目の今季は、代打を中心に自己最多の33試合に出場した豊田寛。だが、他球団であれば、出場機会の増加が期待できる選手ともいえる。

 

 東海大相模高では4番打者を務め、甲子園優勝を経験した豊田。国際武道大、日立製作所を経て、2021年ドラフト6位で阪神タイガースに入団した。

 

 

 ルーキーイヤーは開幕直後に一軍デビューしたが、5試合の出場で7打数無安打と結果を残せず。

 

 その後はファーム暮らしが続き、翌2023年は一軍未出場。昨季はプロ初安打を記録したが、最終的に11試合出場と出番を増やせなかった。

 

 それでも今季は、代打や左翼でスタメン出場の機会を掴み、キャリアハイの33試合に出場。得点圏打率.308(13打数4安打)と限られた打席で存在感を示した。

 

 左翼はレギュラー不在のポジションとなっているが、前川右京や髙寺望夢など、若手選手のライバルが多い。

 

 また、上位打線は絶対的なレギュラーが固定されており、レギュラー奪取は険しい道のりといえるため、環境を変えることも1つの選択肢といえそうだ。

藤田健斗

・投打:右投右打

・身長/体重:173cm/78kg

・生年月日:2001年10月18日

・経歴:中京学院大中京高

・ドラフト:2019年ドラフト5位(阪神)

 

 高卒6年目を迎えるも、ここまで一軍出場の経験がない藤田健斗。現役ドラフトにより、環境を変えることも1つの選択肢になるだろう。

 

 中京学院大中京高(現:中京高)では「4番・捕手」でチームを牽引し、3年夏の甲子園で4強入り。強肩強打の捕手として注目を集め、2019年ドラフト5位で阪神タイガースに入団した。

 

 

 ルーキーイヤーから二軍で経験を積み、高卒3年目の2022年には二軍で65試合出場、打率.243、1本塁打、12打点を記録。

 

 しかし、その後はファーム成績を落とし、一軍での出場機会を掴めず。高卒6年目の今季は45試合に出場したが、打率.182、6打点と寂しい結果に終わった。

 

 2025年の二軍戦では、ルーキーの嶋村麟士朗が最も多くマスクを被っており、今オフには経験豊富な伏見寅威がトレード加入した。

 

 厳しい立場に置かれつつあり、現役ドラフトの対象となる可能性もありそうだ。

小野寺暖

[caption id="attachment_241264" align="aligncenter" width="530"] 阪神タイガースの小野寺暖(写真:産経新聞社)[/caption]

・投打:右投右打

・身長/体重:183cm/82kg

・生年月日:1998年3月17日

・経歴:京都翔英高 - 大阪商業大

・ドラフト:2019年育成選手ドラフト1位(阪神)

 

 2023年に打率3割超をマークするも、ここ2年は一軍での出場機会が限られている小野寺暖。現役ドラフトの趣旨に沿った選手の1人である。

 

 大阪商業大から2019年育成選手ドラフト1位で阪神タイガースに入団した小野寺。プロ2年目の2021年4月に支配下登録を勝ち取り、一軍デビュー。

 

 

 2023年には自己最多の43試合に出場し、打率.347、11打点の好成績を収めた。

 

 しかし、昨季は左手首の故障で25試合の一軍出場にとどまり、打率.148と低迷。

 

 プロ6年目の今季は、シーズンの大半をファームで過ごし、一軍では19試合の出場で打率.241に終わった。

 

 阪神は、今秋のドラフト会議で谷端将伍、岡城快生など、外野をこなせる即戦力選手を複数人指名。ライバルの加入により、さらに厳しい立場となることが予想される。

 

 本来の打撃を発揮できれば、一軍戦力になり得る実力を持つだけに、現役ドラフトによる移籍の可能性も十分にありそうだ。

井上広大

・投打:右投右打

・身長/体重:189cm/100kg

・生年月日:2001年8月12日

・経歴:履正社高

・ドラフト:2019年ドラフト2位(阪神)

 

 入団時から大きな期待を受けているものの、ブレイクには至っていない井上広大。高卒6年目となり、そろそろ一軍での結果を求められている。

 

 履正社高では4番打者として甲子園を沸かせ、3年夏に全国制覇を経験。高校通算49本塁打のスラッガーとして高い評価を得て、2019年ドラフト2位で阪神タイガースに入団した。

 

 

 ルーキーイヤーから二軍で9本塁打を放つなど、長距離砲としての資質を見せた井上。しかし、その後は思うような成長曲線を描けずに伸び悩んでいる。

 

 高卒5年目の昨季は、一軍で自己最多の23試合に出場し、3本塁打をマークしたが、今季はわずか1試合の一軍出場に。

 

 ファームでも88試合出場、打率.230、8本塁打、34打点と目立つ数字を残せなかった。

 

 一方で、細川成也(現:中日)のように新たな環境に身を置くことで、覚醒を遂げるケースもある。現役ドラフトの対象となれば、多くの球団が注目する存在になるだろう。

岡留英貴

[caption id="attachment_241263" align="aligncenter" width="530"] 阪神タイガースの岡留英貴(写真:産経新聞社)[/caption]

・投打:右投右打

・身長/体重:181cm/95kg

・生年月日:1999年11月7日

・経歴:沖縄尚学高 - 亜細亜大

・ドラフト:2021年ドラフト5位(阪神)

 

 プロ4年目の今季は二軍で結果を残すも、層の厚い一軍ブルペン陣に割って入れなかった岡留英貴。他球団であれば、出番の増加が見込まれる選手の1人だろう。

 

 亜細亜大から2021年ドラフト5位で阪神タイガースに入団。ルーキーイヤーは二軍で36試合に登板し、2勝1敗、防御率1.54を記録するも、一軍未登板に終わった。

 

 

 翌2023年にようやく一軍デビューを果たすと、昨季は自己最多の35試合登板、1勝1セーブ6ホールド、防御率2.84と飛躍の足掛かりを掴んだ。

 

 しかし、今季は防御率1点台を維持しながらも、わずか10試合登板と出番が減少。

 

 二軍では30試合の登板で3勝1敗12セーブ、防御率1.16と傑出した成績を収めていたが、一軍でのチャンスに恵まれなかった。

 

 サイドスローから140キロ後半の直球とキレのあるスライダーを投じ、打者を翻弄する岡留。

 

 貴重な変則リリーフであり、現役ドラフトの対象となれば、多くの球団が注目する存在となるだろう。

津田淳哉

・投打:右投右打

・身長/体重:179cm/81kg

・生年月日:2001年8月27日

・経歴:高田商 - 大阪経済大

・ドラフト:2023年ドラフト6位(阪神)

 

 プロ入りから一軍登板の経験がない津田淳哉。プロ2年目ながら、現役ドラフトの対象となる可能性もありそうだ。

 

 大阪経済大から2023年ドラフト6位で阪神タイガースに入団。ルーキーイヤーはファームを主戦場とし、先発、中継ぎの両軸で17試合に登板するも、2勝5敗、防御率5.26と目立つ結果を残せなかった。

 

 

 プロ2年目の今季は夏場以降、リリーフに専念して安定した投球を見せていたが、2年連続で一軍登板なし。

 

 ファームでは24試合登板、(3先発)3勝1敗1セーブ、防御率3.89という成績でシーズンを終えた。

 

 それでも、現在24歳と若く、伸びしろを秘めているだけに、環境の変化を機にブレイクを遂げる可能性も多いにあり得る。

 

 現役ドラフトの対象となれば、関心を寄せる球団もあるだろう。

 

 

【了】