Visaは11月12日、Visa Intelligent Commerceをアジア太平洋地域に拡大する重要な施策を発表した。
AIコマースのエコシステムを構築
統合されたAPIとパートナープログラムを提供するVisa Intelligent Commerceでは、同社の安全なインフラストラクチャーを活用し、AIエージェントが安全で透明性の高い同意型の決済を消費者に代わって実行する。トークン化、認証、決済指示、決済シグナル(取引に関する様々なデータとの照合)などの機能を搭載し、AIエージェントの透明性と安全性が確保され、消費者は安心してAIコマース機能を活用し、オンラインでのショッピングや支払いを行うことができる。
オンラインショップへのAIによるトラフィックはこの1年間で4,700%以上と急増し、ショッピングにAIを利用したことのあるユーザーの85%が、ショッピング体験が向上したとしている。同社は現在、アジア太平洋地域の消費者に新たな機会を提供するため、AIによるコマースを支えるインフラストラクチャー、基準、機能を進化させている。
近い将来、プラットフォームに組み込まれたAIエージェントが、世界中の加盟店で、同社の48億件のクレデンシャルを活用して取引することが可能となる。消費者はAIエージェントに旅行の手配や映画のチケット購入を任せ、一連の購入プロセスを安全に実行させることができるようになり、同社のネットワークや安全措置に基づくシームレスな体験が可能となる。
加盟店の信頼を構築
Visa Intelligent Commerceの中核となるTrusted Agent Protocolは、AIの時代に求められる保証を加盟店に提供するために同社が設計した、エコシステム主導の新たな枠組みである。同プロトコルにより加盟店は、正当な購買意図をもった信頼できるAIエージェントを認識、検証することが可能で、AIエージェントによるオンライントラフィックの拡大に伴う大きな懸念を解消する。エージェント固有の暗号署名を用い、取引の安全性を検証し、正当なエージェントと悪意のあるボットを峻別し、不正を防止する。エージェントの向こう側にいる消費者に対する可視性を維持し、顧客と良好な関係を保つことができる。
さらに、同プロトコルはオープンなローコードのソリューションとして設計されており、加盟店はインフラストラクチャーの大規模な刷新の必要なく、これをシームレスに取り入れてメリットを享受でる。AIエージェントが高い透明性、検証された意図、安全なクレデンシャルに基づいて消費者に代わって行動していることを確認できるようになる。この枠組みにより、加盟店はAIによる購入を、人による購入と同じように安心して扱うことができる。
同社アジア太平洋地域のプロダクト&ソリューションズの責任者であるT. R. Ramachandran氏は次のように述べている。
「AIエージェントコマースはオンライン決済取引を根本的に変革するものであり、そのポテンシャルを十分引き出すためには、一元化されたエコシステムが必要です。Visa Intelligent Commerceとその中核となるTrusted Agent Protocolにより、当社は消費者、AIエージェント、加盟店を安全で拡張可能なソリューションで結びます。すべての取引を確実に検証し、透明性を担保することで、購買に関わるすべての人がこのような未来の技術を安心して活用できるようにします。」
アジア太平洋地域で勢いを継続
同社はAnt International、LG Uplus、Perplexity、Stripe、TencentなどAI、テクノロジー、決済関連の代表的な企業と協業し、AIエージェントコマース取引を実現している。これらのパートナーシップは、AIエージェントと決済エコシステムが連動して、スマートで信頼できるコマース体験を提供する相互連結されたエコシステムに向けた同社のビジョンを反映している。
今後、規制対応やエコシステムの準備が整い次第、2026年初頭を目処に、Visa Intelligent Commerceをアジア太平洋地域で試験展開する予定だという。
