阪神タイガースの藤川球児(左)と読売ジャイアンツの上原浩治(写真:産経新聞社)

 ストーブリーグに突入しているプロ野球。今オフは村上宗隆(ヤクルト)、岡本和真(巨人)、今井達也(西武)などがメジャー挑戦を表明している。ただ、過去にはポスティングシステムでの移籍が実現しなかった例もある。今回は、MLB移籍が認められなかった経験のある選手を紹介したい。

藤川球児

・投打:右投左打

・身長/体重:185cm/90kg

・生年月日:1980年7月21日

・経歴:高知商

・ドラフト:1998年ドラフト1位(阪神)

 

 絶対的クローザーとして、阪神タイガースを支え続けた藤川球児。ポスティングシステムでのMLB移籍を目指したが、実現しなかった1人だ。

 

 1998年ドラフト1位で阪神に入団すると、2005年にリリーバーとしての才能が開花。

 

 

 同年は80試合に登板して53ホールドポイント、防御率1.36という驚異的な成績を記録し、最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。

 

 2007年から本格的にクローザーを務め、コンスタントにセーブ数を積み重ねた藤川。2011年シーズン終了後、ポスティングシステムを利用したメジャーリーグ挑戦を希望した。

 

 しかし、希望が認められなかったため、翌2012年も阪神でプレー。同年オフに海外フリーエージェント(FA)権を行使し、シカゴ・カブスへの入団が決まった。

 

 MLBでは3シーズンプレーし、2016年からは再び阪神でプレー。通算243セーブを挙げ、2020年にユニフォームを脱いだ。

前田健太

・投打:右投右打

・身長/体重:182cm/81kg

・生年月日:1988年4月11日

・経歴:PL学園高

・ドラフト:2006年高校生ドラフト1巡目(広島)

 

 来季の日本球界復帰を示唆した前田健太も、ポスティングシステムの利用を認められなかった経験がある。

 

 PL学園高から2006年高校生ドラフト1巡目で広島東洋カープに入団し、高卒2年目に早くも9勝をマーク。

 

 

 さらに、2010年には15勝、防御率2.21をマークして沢村賞を獲得。球界を代表する投手に成長した。

 

 同年から2桁勝利を記録し続けた前田は、2014年にポスティングシステムでのMLB移籍を希望したが、許可されずに断念。

 

 翌2015年は15勝8敗、防御率2.09をマークし、最多勝と2度目の沢村賞を獲得。傑出した数字を残し、同年オフにポスティングシステムでのメジャー移籍が実現した。

 

 MLB通算68勝を挙げている前田だが、近年は苦しいシーズンに。来季は日本球界でのプレーを明言しており、その去就に注目が集まっている。

上原浩治

・投打:右投右打

・身長/体重:187cm/87kg

・生年月日:1975年4月3日

・経歴:東海大仰星高 - 大阪体育大

・ドラフト:1998年ドラフト1位(巨人)

 

 読売ジャイアンツで長きに渡り活躍した上原浩治。ポスティングシステムの許可を求めたが、認められなかった。

 

 1998年ドラフト1位で巨人に入団すると、ルーキーイヤーから20勝4敗、勝率.833、179奪三振、防御率2.09と驚異的な成績をマーク。

 

 

 同年は投手4冠(防御率・勝利・勝率・奪三振)に加えて新人王、さらには沢村賞を受賞する偉業を成し遂げた。

 

 その後は巨人のエースとして君臨。2007年にはクローザーとして32セーブを挙げるなど、フル回転の活躍を見せた。

 

 一方、ポスティングシステムでのメジャー挑戦を希望していた上原。海外フリーエージェント(FA)権の取得には時間がかかるため、早期の挑戦を熱望するも、球団側から許可は得られなかった。

 

 最終的に2008年オフに海外FA権を行使し、ボルチモア・オリオールズに入団。ボストン・レッドソックスでは、日本人初となるワールドシリーズ胴上げ投手を経験するなど、確かな実績を残した。

才木浩人

[caption id="attachment_234934" align="aligncenter" width="530"] 阪神タイガースの才木浩人(写真:産経新聞社)[/caption]

・投打:右投右打

・身長/体重:189cm/92kg

・生年月日:1998年11月7日

・経歴:須磨翔風高

・ドラフト:2016年ドラフト3位(阪神)

 

 阪神タイガースのエース格として活躍する才木浩人だが、来季のMLB挑戦は見送りとなった。

 

 須磨翔風高から2016年ドラフト3位で阪神に入団。高卒2年目に頭角を現し、6勝を挙げた。

 

 

 しかし、2020年にトミー・ジョン手術を敢行。同年から2年連続で一軍のマウンドには立てなかった。

 

 それでも、2022年に復活を遂げると、昨季は初めて規定投球回をクリア。25試合(167回2/3)を投げ、13勝3敗、防御率1.83と傑出の数字を残した。

 

 今季はやや苦しむ時期もありながら、最終的に24試合(157回)を投じて12勝6敗、防御率1.55をマークし、チームのリーグ優勝に大きく貢献。自身は初の個人タイトルとなる最優秀防御率に輝いた。

 

 今オフはポスティングシステムでのメジャー挑戦を希望した中、球団側は容認せず。来季も阪神で先発ローテーションの中心を担うことになりそうだ。

辰己涼介

・投打:右投左打

・身長/体重:180cm/74kg

・生年月日:1996年12月27日

・経歴:社高 - 立命館大

・ドラフト:2018年ドラフト1位(楽天)

 

 今季は不本意な成績に終わった辰己涼介。オフにポスティングシステムでのMLB移籍を目指したが、球団側の許可は得られず。その後、国内フリーエージェント(FA)権の行使を決断した。

 

 立命館大から2018年ドラフト1位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団。ルーキーイヤーから中堅のレギュラー格として124試合に出場した。

 

 

 プロ入り後3年間は、球界屈指の外野守備で高い貢献度を誇った一方、打撃面では打率2割台前半にとどまっていた。

 

 その後、2022年は打率.271、11本塁打と数字を大きく向上させると、昨季は打率.294、158安打、20盗塁をマークし、最多安打のタイトルを戴冠。攻守に渡りチームを牽引した。

 

 しかし今季は、開幕から打撃不振に苦しみ、二軍降格も経験。最終的に114試合出場で打率.240(規定未満)にとどまった。

 

 オフにはポスティングシステムでのメジャー挑戦を要望したが、球団側はこれを認めず。今季中に取得した国内FA権の行使を表明し、来季の去就に注目が集まっている。

千賀滉大

・投打:右投左打

・身長/体重:186cm/92kg

・生年月日:1993年1月30日

・経歴:蒲郡高

・ドラフト:2010年育成選手ドラフト4位(ソフトバンク)

 

 福岡ソフトバンクホークスのエースとして君臨した千賀滉大。球団の方針により、ポスティングシステムでのMLB挑戦は叶わなかった。

 

 2010年育成選手ドラフト4位でソフトバンクに入団すると、プロ2年目に支配下契約を奪取。翌2013年にリリーフで台頭すると、2016年には先発として12勝、防御率2.61をマークした。

 

 

 2017年も13勝を挙げると、同年オフにポスティングシステムでのMLB挑戦を直訴。ただ、ソフトバンクでは前例がなく、千賀を例外扱いすることもなかった。

 

 最終的に7年連続2桁勝利の実績を引っ提げ、2022年オフに海外フリーエージェント(FA)権を行使。ニューヨーク・メッツと契約を締結し、念願のメジャー移籍を果たした。

 

 メッツ1年目で12勝と幸先の良いスタートだったが、昨季はけがの影響もあってわずか1勝どまり。

 

 今季は開幕からエース格の活躍を見せて7勝を挙げたが、6月中旬に負傷離脱。復帰後は調子を落としてマイナー降格も経験。来季は勝負のシーズンとなりそうだ。

 

 

【了】