日本テレビの科学バラエティ番組『所さんの目がテン!』(毎週日曜7:00~)では、科学者の専門的知見と地域住民の協力で里山を再生させる長期実験企画「かがくの里」に、建築家・隈研吾氏の設計による母屋が完成した。16日の放送でお披露目される。

  • 「かがくの里」研吾氏設計の母屋

    「かがくの里」研吾氏設計の母屋

「かがくの里母屋建築プロジェクト」は、番組に隈氏が出演(2022年「木組みの科学」)した際に、老朽化したかがくの里の母屋の設計をオファーしたことでスタート。かがくの里を訪れた隈氏が、その風景や里山のコンセプトからインスピレーションを受け、自然と共生し、里山の循環を感じられる家をイメージした母屋を構想。自然に風でめくれたような緩やかなカーブを描く独創的な円形のかやぶき屋根が設計された。

他に類を見ない独創的なカーブを実現するため、屋根の骨組みとなる28本の垂木を1本ずつ3Dスキャンでデータ化。そのデータを元に、地元の大工が棟木にピタリとはまるよう加工するという、最新技術と職人技の融合で完成した。屋根材の茅には、かがくの里の周辺で番組メンバーや地域の方々が刈り取ったものを使用している。

かやぶき作業は、国選定重要伝統的建造物群保存地区である福島県・大内宿の職人を招いて実施。屋根の頂上は、土を乗せて植物を植え、その根で棟を固定する「芝棟造り」という伝統技法が採用されている。

内装の土間は、かがくの里の土を使い、「たたき」という伝統工法で仕上げられており、壁紙には、茨城県の無形文化財である手すき和紙を使用し、抗菌作用があるとされる伝統的な塗料「柿渋」を塗るなど、昔ながらの日本人の知恵が随所に見られるようになっている。

コメントは、以下の通り。

隈研吾氏

数年にわたり取り組んできた「かがくの里」の母屋プロジェクトは、ぼくにとって、現代における「人と里山の新たな関係」を問い直す、重要な場となっています。
ぼくたちが目指したものは、単に美しいかやぶきの建築を設計することではありません。里山という固有の場所から生まれた木材を使い、熟練の職人の手仕事を通して、その場所の生態系と資源循環に組み込まれるような建築を作ることでした。
母屋は、里の周辺木材を利用した丸太の大架構によって支えられ、土や茅といった素材と共に、里山の資源循環の核として機能します。
地域材の調達、伝統的な技術と現代の技術を融合させた丸太組みのプロセス、そして母屋を取り巻く、かがくの里の資源循環と生物多様性のネットワークまで、壮大なプロジェクトの構想がこの新しい小さな母屋に詰まっています。
日本の豊かな里山材が持つ力と、それによって生まれる持続可能な暮らしの形について、皆様と共に深く考えるきっかけになることを願っています。

所ジョージ

番組で隈研吾さん設計の家を建てることになって、デザイン画を見せて貰って、とてもワクワクした。
構想から3年。建ちあがった茅葺き屋根の母屋を見て、ほれぼれした。屋根から、柱から、壁から、土間から、全てがもう素敵だよね。里の周辺のものを使って造っているのに、すごく未来な感じだよね。
例えばキレイに並べられた屋根の丸太だけど、裏山に自然に生えていた木に人間が手を加えると、こんな素敵な愛でるものになる。人が手を加えなかったら、それは「森」なの。それが自然なのだけど、人が手を加えて、「”暮らし“が入った自然」が、私は一番好き。こうやって整えたら、「人が自然の中に入れる」ってことの証明ですね。
この家に居ると、地球の中にいる感じがする。昔からの技法を今もやっていることに、逆に未来を感じる。
東京でさ、没入型のイベントとか、いろんなとこに行くじゃない?比じゃないね、こっちだろ。ここに感動が詰まっていて、すごいね。そもそも、楽しい事、嬉しい事を望んで、未来に向かっているわけで、昔のものでも、それが気持ち良ければ、そこが未来という事です。
隈さん、そして永和工務店の親方はじめ、建設に携わってくれた皆さん、ありがとうございます。

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