クリニックフォアグループは10月23日、全国的に流行期に入ったインフルエンザについて、2025年の傾向と予防・受診のポイントを発表した。

今年は「早く、広く、長く」がキーワード

今年のインフルエンザは、例年より流行の立ち上がりが早く、すでに一部地域では定点報告数が流行の目安を上回っている。

  • 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイトより

    国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイトより

インフルエンザは、毎年南半球の流行のあとに北半球で広がるという流れがあるが、今年の南半球では、A型インフルエンザ(H1N1亜型)を中心に流行し、高熱や体のだるさ、筋肉痛などの全身症状が出やすい傾向がみられた。

流行期に入り、インフルエンザ疑いで同クリニックを受診する人も、主流はA型インフルエンザ(H1N1亜型)で、高熱や筋肉痛などの全身症状を伴いやすい傾向にあるという。年明け以降にはA型(H3N2・香港型)やB型の流行も見込まれる。

いまのところ、特別な新しい変異株の報告はないが、インフルエンザウイルスは毎年少しずつ姿を変えるため、「去年とは違う流行の波になる」ことは珍しくない。

このように、今年のインフルエンザは流行期に入るのは「早く」、感染状況も全国的に「広く」流行し、年明け2月ごろまで流行期が「長く」続く、"早く・広く・長く"の傾向が予想されるため、3つの「そなえ」が重要となる。

3つの"そなえ"で、この冬を乗り切る

  • 3つの"そなえ"で、この冬を乗り切る

    3つの"そなえ"で、この冬を乗り切る

そなえ その1「早めに打つ」

例年より早い流行に備え、11月中までの接種が理想的とされる。今年のワクチンはA型2株・B型1株を含む3価ワクチンで、流行株との相性も良好とされている。接種によって重症化や感染拡大を防ぐ効果が期待される。

そなえ その2「もしもに備える」

インフルエンザの感染防止には、ワクチン接種と日頃からの対策が重要となる。それでも例年11月〜年末年始にかけて徐々に感染者は増え、感染予防ができるか不安との声も多く聞かれる。

同クリニックでは、実際の治療としても処方される抗インフルエンザ薬を事前に服用することで一定期間感染を防ぐ「予防内服薬」を医師の診察のもと、必要な人には処方している。発症前に服用することで、かなり高い確率で感染を防ぐことができるという。効果は10日間ほどとされている。ただし、あくまで「かかれない理由がある」場合の選択肢であり、長期服用または不適切な使用により、ウイルスが薬剤に耐性を持つ変異株が生まれることもあるため注意が必要とされる。

なお、インフルエンザ予防内服薬は自由診療での処方となり、医師の診察によっては処方できない場合がある。

そなえ その3「かかったかもに迷わない」

季節の変わり目は風邪や新型コロナとの症状の違いが分かりにくく、発熱や喉の痛み、体のだるさがある際は早めの受診が重要となる。

同クリニックでは、オンラインでの診察から薬の配送まで自宅で完結できる仕組みを整えている。初期症状で、風邪かインフルエンザかわからないが、仕事が忙しくて対面受診が難しい人の「スキマ診療」としての活用や、家族や職場などでインフル陽性者と接触があり疑いがあるが熱が高く、対面受診が辛い場合の一次診察としてオンライン診療を活用される人も増えているという。なお、インフルエンザの診断および抗インフルエンザ薬の処方は、オンライン診療においても最終的には医師の判断によって行われる。症状や状況に応じて、対面での検査や診察を案内する場合がある。

インフルエンザの特徴と対策

Q. インフルエンザは普通の風邪と何が違う?

―― 38℃以上の高熱や全身の痛みを伴う症状が特徴。インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染により発症し、普通の風邪と同じく、喉の痛み、鼻水、咳などの局所症状に加え、38℃以上の発熱や関節痛、体のだるさなどの全身症状が比較的急速に現れる。

インフルエンザの特徴
インフルエンザは38℃以上の発熱を伴い、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状がみられる。また発症が急激であり、例年12月下旬から翌年2月にかけて流行のピークを迎える。

インフルエンザを予防するポイント
感染を防ぐためには、ワクチンの接種、マスクの着用、外出後の手洗いやうがい、適度な湿度の維持、人混みや繁華街への外出を控えることが重要になる。

Q. 発症後、病院を受診するタイミングはいつ?

―― 初期症状が現れてから12~48時間以内の受診が望ましいとされる。発症直後だとウイルス量が少なく、検査で陰性になることがある。発症から12時間以上経過することで、より正確な結果が得られやすくなる。また、抗インフルエンザ薬(タミフル、ゾフルーザなど)は発症から48時間以内の使用が最も効果的とされている。

Q. インフルエンザワクチンは打った方がいい?

―― インフルエンザワクチンは、感染予防や、高熱・肺炎など重症化の予防に関して、一定の効果があるとされている。ワクチンを接種しても感染を100%防ぐことはできないが、重症化や合併症を防ぐ上で重要な役割を果たす。ワクチンは効力を発揮するまでに2週間ほどかかるため、早めの接種が推奨される。

Q. 市販の風邪薬ではダメ?

―― 市販の風邪薬でも、発熱・喉の痛み・鼻水などの症状を一時的に和らげることはできるが、インフルエンザはウイルス感染症であり、市販薬ではウイルスを抑えることができない。抗インフルエンザ薬を使用するには医師の診断と処方が必要になるため、医療機関を受診することが推奨される。