
フェラーリ250GTOとマクラーレンF1を所有する幸運なふたりのオーナーにもコメントを求めた。いまや1台を買うだけでもかなりの富豪でなければならないが、彼らは幸運だったのだろうか?
【画像】かなりの富豪でももはや所有するのは困難?フェラーリ250GTOとマクラーレンF1(写真3点)
フェラーリ250GTOを所有する
「所有していること自体は驚くほど簡単でしたよ」いまから40年以上前に、有名なコレクターのニール・コーナーからシャシーナンバー:4115GTを購入したサー・ポール・ヴェスティはそう語った。「一度、エンジンから少し煙が出始めたときにピストン・リングを交換したのと、ギアボックスのシンクロを交換したくらいで、たいしたことはしていません」
「1962年のTTで初めて目にして以来、いつかGTOを手に入れたいと思っていたんです。だから、チャンスが訪れたときには全力を尽くしました。予算はDタイプとDB3を手放して確保しました。それでも買い取るときは心底、怖くなり、声が出なくなったので、交渉は家内にしてもらいました!この車はレースで好成績を残したというよりも、素晴らしい名誉を担っているべきでしょう。新車のときにドイツに持ち込まれ、地元のフルークプラッツレネン(飛行場で開催されるレース)で善戦したそうです」
「こういうと、なんか退屈な車だったみたいに聞こえるかもしれませんが、本当に苦労知らずでした。ラリーには何度も出ましたよ。トゥール・オートとか、オーストラリアのクラシック・アデレードなんかにね。アデレードの丘を封鎖して行ったセッションでは完勝しましたが、とても楽しかったですよ。メカニズム的には本当にシンプルで、ロード・ラリーに出場した程度では何ひとつ問題は起きませんでした」
「手持ちの車のなかでは、これがいちばん気にいっています。いい値段で売れることはわかっていますが、手放す気にはなれません。それは自分にとって、可愛がっているペットを売るのと同じくらい辛いことなんです」
マクラーレンF1を所有する
「ロードカーとしては、とりたてて快適というわけではありません。エアコンはないし、サイドウィンドウも固定ですからね。だから、たいした距離は走っていません。パブに行くのに乗る車じゃ、ありませんからね」
そう語るのはF1GTRのオーナー。彼が所有するシャシーナンバー07Rは、1995年のル・マン24時間で5位完走を果たしている。「でもね、いざ走らせると素晴らしいんです。自分が運転した車のなかでもベストですね。でも、渋滞した道を走るなら、別の車を選びます!」
「私がGTRを買ったのは、いまから20年以上も前のことでした。レースヒストリーのある車がほしかったのです。この車はレース後にロードカーにコンバートされていますが、私にはそのほうが都合よかったのです。手元にやってきてから、助手席にも人が乗れるようにするためにロールケージを外しましたが、それ以外は手を加えていません。所有しているだけでも大変な費用が発生しますが、それでも、この車を持っていられるのはある意味で特権ですよね」
F1のパーツは高価なことで知られるが、マクラーレン・スペシャル・オペレーションズのスタッフは「この種のモデルとしては高くありません」という。「将来的にもパーツの供給は怠らないつもりですし、壊れたら修理も行います。マクラーレンからF1を買った方には、ちょっとした図書館くらいのパーツリストを差し上げています」
「F1は私たちにとって極めて重要なモデルなので、いつでも面倒を看ます。私たちの部隊は、1日24時間、週に7日稼働しています!」
編集翻訳:大谷達也 Transcreation:Tatsuya OTANI