
ロールス・ロイスは、「ロールス・ロイス・スペクター・ベイリー」と名付けた、特別な一台を発表した。長年にわたってロールス・ロイスを保有する米国在住のある夫妻のためにオーダーメイドで制作されたこのモデルは、顧客が愛してやまないラブラドール・レトリバーとゴールデン・レトリバーのミックス犬であるベイリーにインスパイアを受けて制作したもの。ベイリー自身、そしてベイリーと共に過ごす喜びに満ちた日々に捧げられた、心温まる一台である。
【画像】愛犬ベイリーへの愛情が随所に感じられる、特別な「ロールス・ロイス・スペクター・ベイリー」(写真11点)
モデルの印象を左右するカラーは、とても大切で繊細な作業の一つである。グッドウッドにあるホーム・オブ・ロールス・ロイスのペイント・スペシャリストたちは、ベイリーの耳の柔らかな毛並みからインスパイアを受けた専用のカラーを制作した。「クリスタル・フュージョンを重ねたビューティフル・ベイリー(Crystal Fusion over Beautiful Bailey)」と「クリスタル・フュージョン(Crystal Fusion)」の二色が起用されている。
インテリアは、モカシンとクリーム・ライト・レザーで仕上げられており、ベイリーの毛色を彷彿とさせるダーク・スパイスとキャスデン・タンをアクセントにしてスパイスを効かせている。
インテリアで最も注目すべき点は、後部座席の間のウォーターフォールに配されたベイリーの肖像画だ。寄木細工で制作された本アートは4カ月以上をかけて完成した作品で、180枚を超えるベニヤが用いられているという。
ベイリーの舌をリアルに表現するため、ロールス・ロイスではこれまで使用されたことのない4種類のベニヤ(パープル・ハート、チューリップウッド、ラウロ・ファイア、ペア)が採用されている。最終的にこのアートには9種類のベニヤが用いられ、22の自然な色調を活かすことで、木材とは思えない驚くほどの写実性を兼ね備えた肖像が完成した。
また、ダッシュボードの助手席側には、ベイリーへ捧げるもう一つの小さな寄木細工のモチーフがある。彼の肉球の跡を正確に再現したデザインが施されているのだ。このデザインは、ドアシルに配されたビスポーク・ローズゴールドのトレッドプレートを縁取るフレームにも刻まれており、毎回ドアを開けるたびにオーナーに微笑みをもたらしてくれる。
まさに真のラグジュアリーメーカーだからこそ生み出せた、至高の一台である。