レキットベンキーザー・ジャパンは9月12日、むくみに関する調査の結果を発表した。調査は2025年8月20日~21日、20~80代の男女1,400人を対象にインターネットで行われた。

無自覚むくみとは

今回の調査では、むくみの実態をより正確に把握するため、本人が「むくみを感じていない」と回答していても、以下のチェックリストで2項目以上に該当した人を脚のむくみの可能性がある「無自覚むくみ」と定義した。

  • 無自覚むくみチェックリスト

    無自覚むくみチェックリスト

全年代のむくみの自覚状況

20~80代の全世代で脚のむくみを自覚しているのは約3割、残りの7割は脚のむくみを自覚していなかった。

  • むくみ症状に関する自覚の割合

    むくみ症状に関する自覚の割合

「無自覚むくみ」の存在が明らかに

「脚のむくみを自覚していない」と回答した人のうち、63.7%が無自覚むくみチェックリストを2項目以上選択し、実際にはむくみの可能性がある「無自覚むくみ」であることが判明。特に男性に多い傾向がみられた。

  • 「無自覚むくみ」と判明した人の割合

    「無自覚むくみ」と判明した人の割合

シニア世代にも「無自覚むくみ」が存在

シニア世代は現役世代に比べ、仕事や家事、子育てなどによる脚の負担は少ないが、60~80代のシニア世代でも、むくみを感じていない人のうち65.8%が「無自覚むくみ」と判明した。特に男性に多い傾向がみられた。

  • 60~80代のシニア世代の中で「無自覚むくみ」と判明した人の割合

    60~80代のシニア世代の中で「無自覚むくみ」と判明した人の割合

「無自覚むくみ」と判明したシニア世代の生活習慣

シニア世代(60~80代)の無自覚むくみ層は、「パソコンや趣味で長時間座っている」が87.3%、「家にいることが多く運動不足である」が76.0%、「椅子やソファーで寝落ちすることがある」が42.0%と、むくみを助長する可能性のある生活習慣が目立つ結果となった。

  • 60~80代のシニア世代の「無自覚むくみ」と判断した人の生活習慣

    60~80代のシニア世代の「無自覚むくみ」と判断した人の生活習慣

「無自覚むくみ」層におけるむくみ対策への認知率

無自覚むくみ層は、むくみに対する対策の実践以前に対策方法の認知さえできていないことがわかった。「弾性ストッキング(一般医療機器)の活用」が31.3%、「脚を高くして休む」が40.1%、「ふくらはぎのマッサージ」47.2%と特に認識率が低い結果となった。

  • 「無自覚むくみ」層のむくみ対策への認知率の低さ

    「無自覚むくみ」層のむくみ対策への認知率の低さ

調査の中で「無自覚むくみ」層だけではなく、むくみ自覚層の特徴的な傾向も明らかになった。

むくみ自覚層の身体的悩み

むくみ自覚層は「ストレスを感じやすい」73.8%、「ぽっこりおなかが気になる」72.4%、「睡眠不足」60.7%など、複数の生活不調を抱える傾向がみられた。

  • むくみを自覚している方が抱える身体のお悩み

    むくみを自覚している方が抱える身体のお悩み

シニアのむくみ自覚層が抱える身体的不調

むくみを自覚するシニア世代(60~80代)は、「疲れやすい・倦怠感」「腰痛」が67.4%、「脚がつりやすい(こむら返り)」63.9%、「夜間頻尿が気になる」52.8%と身体的な不調も多く抱えていた。

  • むくみを自覚しているシニア世代の身体の不調

    むくみを自覚しているシニア世代の身体の不調

お茶の水血管外科クリニック院長・広川雅之医師は、今回の調査結果を踏まえ、次のように見解を示している。

「むくみを感じていない」と回答した人のうち63.7%が、実際にはむくみを抱えている可能性がある、「無自覚むくみ」に該当することが明らかになった。特に60~80代のシニア世代ではその割合が65.8%にのぼった。広川医師によれば、無自覚のまま放置すると血流の停滞や静脈機能の低下を招き、疲労感や睡眠の質の低下など生活の質全般に影響を及ぼす可能性があるという。

また世代別にみると、シニア世代では「疲れやすい」「夜間頻尿」「腰痛」「脚のつり(こむら返り)」といった症状が、むくみと関連して多く見られる傾向がみられた。これは加齢に伴う血管機能や筋肉量の低下も一因であり、放置すると日常動作や睡眠の妨げとなることがあるという。

「無自覚むくみ」はコロナ禍や猛暑による外出控えや運動不足、リモートワークなど生活習慣の変化を背景に年々増加している。たかが「むくみ」と放置すると、重大な病気が隠されている場合もあり、健康の維持と生活の質向上のためにも、日常的な脚ケアの重要性がこれまで以上に高まっている。

むくみの改善において、基本的なセルフケアとして有効なのが一般医療機器の弾性ストッキングの活用だという。弾性ストッキング(一般医療機器)は下肢に適度な圧をかけることで血液やリンパの流れを促進し、むくみの軽減に寄与する。医師としても推奨でき、世代を問わず多くの人に効果が期待できるという。

そのほかにも、1日のうち1時間以上座りっぱなしの時間を作らない、手足ぶらぶら体操を行う、ポリフェノールを多く含む食品を摂取する、脚を高くして睡眠をとる・足さすりマッサージなど、生活の中で無理なく取り入れられる対策から始めることが勧められている。

  • 「無自覚むくみ」対策6つ

    「無自覚むくみ」対策6つ