フジテレビ系ドラマ『愛の、がっこう。』(毎週木曜22:00~ ※FODでこれまでの全話配信)の第5話が、7日に放送された。
今作は、まっすぐで不器用なあまり過去に恋愛で大きな過ちをおかしてしまった高校教師の愛実(木村文乃)と、複雑な家庭環境から義務教育すらまともに受けられなかった読み書きの苦手なホストのカヲル(ラウール)が出会い、お互いが本当の“愛”を知っていくというラブストーリーだ。
多様性が叫ばれ、どんな恋愛も自由なはずの時代
「禁断の恋」とはよく言うが、この令和の時代に果たして“禁断”などあるのだろうか。
今の時代の日本では、貧富の差はあれど「ロミオとジュリエット」のような身分での格差はほとんどなく、同性同士の恋愛も当たり前で、禁断という要素は皆無と言っていいだろう。そして多様性が叫ばれ、どんな恋愛も自由であり、それが受け入れられる素養が備わっている。
当然、不法行為に当たる不倫や、道徳的観点から見て教師と生徒の恋愛は“禁断”と言ってもいいのだろうが、こと最近の恋愛ドラマにおいてのそれらは、禁断というよりも、物語を盛り上げるギミックとして扱われることが多く、禁断を高々に謳(うた)う作品は少なくなっている。
だが今作は堂々と「禁断なのに純愛な“愛”の物語」と銘打っている。しかも高校教師とホストの恋愛劇で、この時代の価値観において、どこにも禁断の要素はないのにもかかわらずだ。
しかしどうだろうか。どうしても2人の一挙手一投足にいたたまれない気持ちになり、周辺人物たちが動けば動くほど、2人が踏み入れてはいけない場所へ進もうとしていることを心配してしまう――まさに“禁断”を感じざるを得ない。
“禁断”を感じさせてしまう大きな要素としては、愛実とカヲルの育ってきた環境の違いという“設定”の部分もあるのだが、今作はその外側だけではない内側…丁寧に描写されたディテールの数々が挙げられる。
5話で全てが明るみに出るまさかの展開
それが顕著に表れているのが、愛実の婚約者・川原(中島歩)の動きだ。彼は婚約者がいながらも悪びれた様子なく浮気相手がおり、そうでありながら愛実を尾行するほど執着し、その結果、愛実がホストに通っていることを知ってしまう…。
こうした動きの描写については、川原の浮気の発覚も、愛実を尾行しホストへ行った事実が知られるのも、先々に待ち受けるクライマックスへの伏線だと高を括っていた。それらの秘密の数々を内包させることで、今作があたかも禁断であるかのような錯覚をさせようという、そんな魂胆だと思っていたのだ。しかしまさか、この5話の段階で全て明るみ出してしまうとは…。秘密を秘密にすることなく前へ進むことで、真の“禁断”をあぶりだしたのだ。
それを象徴するのはやはり、愛実の親にホストとの関わりが知れてしまったことだろう。粗方想像もできていた展開だが、この段階で、しかも自らの生徒にまでそれを知られることになるあの状況は、想像していたよりも“最悪”だ。
愛実とカヲルの環境の差や女子高生がハマってしまったホストなど、これまでばら撒かれたトピックの数々をただの“設定”にすることなく、“最悪”へと向かわざるを得ない巧みな展開の連続によって、視聴者が共感し、体感できるほど、“禁断”を生み出すことに成功したということなのだ。
また、映像演出的な“禁断”も今回は巧みであった。カヲルが愛実の学校へやってきてしまう、ラストシーンだ。そう、あの高身長のカヲルよりもはるかに高いあの柵は、2人を禁断へと誘ったことを象徴的に、そしてドラマチックに演出した秀逸な“画”であった。
多様性や自由恋愛が当たり前の世の中に、まさかこんなにも“禁断”を感じてしまうとは…。今作はそれほどに没頭できてしまう、稀有な作品ということに違いない。









