日本航空(JAL)は8月1日、クレジットカードの最上位カード「JAL Luxury Card」を発行受付を開始した。富裕層向けクレジットカードのラグジュアリーカードを発行するBlack Card Ⅰとアプラスと提携をすることで実現。ラグジュアリーカードと同等のサービスに加えて、JALユーザー向けにJALのステイタスなどを提供する。
券面がブラックの「JAL Luxury Card」とJALレッドを再現した「JAL Luxury Card Limited」の2種類が用意され、いずれもメタルカードとなっている。JAL Luxury Card Limitedは完全招待制となっており、一定の基準をクリアしたJAL Luxury Cardユーザーに招待が送られる。
ラグジュアリーカードの提携カードが登場するのは初めてで、従来のJALカードとは異なる特別なカードとして提供する。
ラグジュアリーカードと同等のサービス
JAL Luxury Cardは、ラグジュアリーカードと同様の富裕層向けクレジットカードとして「JAL史上最高クラス」と位置づけられるクレジットカード。
これまでJALでは、グループのJALペイメント・ポートが提供するプリペイドカードのJAL Pay、普通カードのJALカードを発行。日頃の買い物でマイルを貯めたいエントリー層向けのラインナップとして提供してきた。
マイルを貯める意欲の高い中間層向けには、CLUB-Aゴールドカード、プラチナを展開。4月には上位クラスとしてプラチナ Proを、それぞれJALカードとして発行し、ラインナップを拡充した。
ただ、プラチナ Proが「JALカード最上位」という位置づけだったが、それでも「富裕層向けカードは提供できておらず、ショッピングでよりたくさんのマイルを貯めたい、JALが提供する最上級のサービスを受けたいという期待には応えられていなかった」とJALの執行役員である大森康史氏は話す。
そこで富裕層向けのラグジュアリーカードを発行するBlack Card 1と、そのカード発行会社であるアプラスと協業してJALブランドのラグジュアリーカード「JAL Luxury Card」の発行を決めた。
カードスペックとしては、JAL Luxury Cardの申し込み資格が学生を除く20歳以上でJMBアカウントを保有する人。JAL Luxury Card Limitedは枚数限定の完全招待制だ。年会費はそれぞれ24.2万円、59.95万円、家族カードの年会費は6.6万円、9.9万円。家族・追加カードはそれぞれ4枚まで。ETCカードも無料で発行できる。
いずれも、海外旅行傷害保険は最高1.2億円が自動付帯。国内旅行傷害保険もいずれも最高1億円で利用付帯となっている。
JALが展開するカードの中で最も高い還元率も実現。ショッピングマイルはJAL Luxury Cardが100円ごとに1.25マイル(1.25%)、JAL Luxury Card Limitedが同1.5マイル(1.50%)。
Life Statusポイントも「JALカードと同等以上の積算率」として、いずれも2,500マイルごとに5ポイント+年間利用額に応じて1,000万円につき75ポイントを提供。
FLY ON ステイタスは、JAL Luxury CardがJMBクリスタルを付与。JAL Luxury Card LimitedはJMBサファイアに加えて、Fly on ポイントとして毎年5万FOPを進呈するため、さらに追加でFOPを貯めることで、さらなるステイタスの獲得も可能。
JAL Luxury Cardはサクララウンジクーポンを年間5枚提供。国内では同伴1人が無料、海外ではクーポン利用で同伴者も利用可能。Limitedはサファイアステイタスなので、国内外のさくらラウンジを利用でき、同伴1人までは無料となる。
そのほかにもJAL特典として、アドオンマイル、機内販売時の割引、国際線機内Wi-Fiのクーポンも提供される。
コンシェルジュサービス、ダイニングやスパなども利用できるプライオリティ・パスも付帯。サービスとしては、JAL Luxury CardがラグジュアリーカードのBlack Card相当、JAL Luxury Card LimitedがGold Card相当の特典が利用できる。ただし、マイル移行がJALのみなど、一部サービスが異なっている。レストランリムジン送迎サービス、映画鑑賞チケット、ホテルステータスマッチなどのサービスも利用できる。
なお、JALグローバルクラブ(JGC)に入会するには、別途JALカードを発行する必要がある。
カード発行会社はアプラスで、2016年からラグジュアリーカードの発行を担い、入会手続き、審査、会員管理、運営などを行ってきている。そのノウハウをJAL Luxury Cardでも提供する。
富裕層クレジットカードとして、高額決済のニーズにも対応するよう、独自の与信枠のシステムを採用。利用可能額以上でも、事前に入金しておくことで最大9,900万円までのカードショッピングをサポートする。企業オーナーからの法人口座からの引き落としニーズに応じて法人決済用カードも用意されている。
主な仕様
| JAL LUXURY Card | JAL LUXURY Card Limited | |
|---|---|---|
| 申込資格 | 20歳以上(学生除く)でJMBカードを保有者 | 完全招待制(発行枚数限定) |
| カード年会費(税込) | 24.2万円 | 59.95万円 |
| 家族カード年会費(税込) | 6.6万円(※1) | 9.9万円(※1) |
| 家族・追加カード | 4枚まで(法人決済用は、追加カードなし) | 4枚まで(法人決済用は、追加カードなし) |
| ETCカード | 無料 | 無料 |
| 海外旅行傷害保険 | 最高1.2億円(自動付帯) | 最高1.2億円(自動付帯) |
| 国内旅行傷害保険 | 最高1億円(自動付帯) | 最高1億円(利用付帯) |
| ショッピングマイル | 100円ごとに1.25マイル(※2) | 100円ごとに1.5マイル(※2) |
| ステイタス(※3) | クリスタル(※3) | サファイア、またはそれ以上(保有するFly on ポイントによる) |
| Fly on ポイント(※3) | - | 毎年50,000Fly on ポイント進呈 |
| サクララウンジ利用 | サクララウンジクーポン5枚/年 国内(同伴1名無料) 国際(同伴1名可/クーポン利用) | サファイアステイタス 国内・国際サクララウンジの利用可能(同伴1名無料) |
| Life Status ポイント(LSP) | 2,500マイルごとに5ポイント 加えて、年間利用額に応じて1,000万円につき75ポイント追加 | 2,500マイルごとに5ポイント 加えて、年間利用額に応じて1,000万円につき75ポイント追加 |
| その他JAL特典 | アドオンマイル、機内販売割引、国際線機内Wi-Fiクーポン、指定席優待の優先受付等 | アドオンマイル、機内販売割引、国際線機内Wi-Fiクーポン、指定席優待の優先受付等 |
| Luxury Card特典(一部抜粋) | Black Card相当レベル付帯 | Gold Card 相当レベル付帯 |
| コンシェルジュ | 24時間365日LINE/電話/メール対応コンシェルジュデスク | 24時間365日LINE/電話/メール対応コンシェルジュデスク |
| 空港ラウンジ | プライオリティ・パス無料(ダイニング・スパ等の施設利用可能) | プライオリティ・パス無料(ダイニング・スパ等の施設利用可能) |
| ダイニング優待 | 2名利用で1名無料~最大6名利用から3名無料のダイニング優待 | 2名利用で1名無料~最大6名利用から3名無料のダイニング優待 |
| 映画鑑賞チケット | 毎月最大で月2枚まで提供 | 毎月最大3枚まで提供 |
| 国立美術館企画展 | 毎週金曜日が無料 | いつでも無料 |
| レストランリムジン送迎サービス | 往路のみ | 往路 or 復路選択可 |
| ホテルステータスマッチ | ○ | ◎(上級ステータス) |
| クルーズステータスプログラム | ○ | ◎(上級ステータス) |
| ラグジュアリー・ビバレッジプログラム | - | ○(プレミアランク) |
| 会員限定イベント枠 | ○ | ◎(特別枠・優先枠) |
※1 利用できるサービスには条件がある場合がある。
※2 税金の支払い等、一部積算率が異なるもしくは積算のない取引もある。
※3 2年目以降は、前年度に100万円以上の利用を行うことが条件となる。
※4 クレジットカードの発行には所定の審査がある。
日常と非日常のラグジュアリーを提供するJAL Luxury Card
ラグジュアリーカードは、日本でも2016年から発行開始されており、Mastercard最上位クラスの「World Elite」採用カードを発行している。年会費はエントリーのTitanium Cardで55,000円だが、最上位のBlack Diamondになると入会金110万円、年会費66万円になって日本で最も高額だという。
特に提供されるサービスとラグジュアリーな体験に定評があり、「JALが日常/非日常の双方で提供したいもの」(大森氏)との考えから今回のカード発行に至ったという。
新カードは「相当な時間と手間をかけて作成したカード」だと大森氏は強調。持つだけで品格を感じるというデザインにこだわり、メタル素材の券面にはJALブランドの象徴である鶴丸を配置。日本の伝統工芸である鎌倉彫をモチーフにしたという繊細な彫刻技術でメタル券面に彫り込まれた。どの角度から見ても美しく映えるように、彫りの深さや角度は0.1mm単位で何度も調整を重ねたそう。
特に完全招待制のLimitedは、券面のJALレッドの再現にこだわった。同じステンレスでもロットによってクロムやニッケルの含有量が異なり、酸化反応や膜の構造がわずかに変化するため、色味にずれが生じてしまうという難関に遭遇。素材ごとに化学分析を行い、成膜温度や酸素の濃度をミクロン単位で制御することで、狙った真紅の色を再現できるようになったという。「1,000枚を超える試作カードを作ったが、納得のいく品質になったのは数十枚程度」とBlack Card 1の代表取締役である菊地望氏は語る。
結果として、完全招待制で人数を限定して特別感を演出するだけでなく、物理的にも大量生産が難しい希少価値の高いカードに仕上がった。
ラグジュアリーカード自体は、ユーザーの約7割が経営者層で、上位50%の会員の平均年収が6,000万円以上、年間平均決済金額が3,000万円以上、20~40代が7割を占めている。JAL Luxury Cardでもこれに近い属性のユーザー層に加えて、旅行に興味がある人の利用を想定している。
菊池氏は、「年収が高いほど旅の体験価値と人と人とのつながりを重視する傾向がある」と指摘。JAL Luxury Cardでも、こうした高年収で高額決済を行うユーザー層が中核となると見ている。
そうしたユーザーに向けては、JALに関する優待に加えて、ダイニング、エンターテインメントなどのラグジュアリーカードのサービスを提供。音声ガイダンスもなく24時間365日繋がるコンシェルジュ、2人予約すると1人無料となるレストラン予約、6人予約で3人無料というラグジュアリーカード限定のオファー、名刺交換を目的としたビジネスマッチングなどのイベントなど、様々な特典が用意される。「1枚で時間、体験、人脈を同時に広げる。それがJAL Luxury Card」と菊池氏はアピールする。


















