日本気象協会が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクトは、本格的な暑さを迎える前に、事前に体を暑さに慣れさせることの大切さについて広く知ってもらうことを目的に、各地域で暑熱順化が必要なタイミングの目安となる「熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線(第2回)」を、同プロジェクト公式サイトで6月12日に公開した。
暑くなる前からできる熱中症の対策には、暑さに強い体づくりがある。暑さに強い体を作るためには、バランスの良い食事や十分な睡眠以外に、「暑熱順化」をすることも大切という。
暑熱順化とは、体が暑さに慣れること。暑熱順化ができていないと、体の熱をうまく外に逃がすことができず、熱中症になる危険性が高まる。暑熱順化には個人差もあるが、数日から2週間程度かかる。暑くなる前から余裕をもって体を暑さに慣れさせることが必要という。
「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線」では、軽い運動や湯船につかる入浴などで意識して汗をかくことで、体を暑さに慣れさせる暑熱順化を始めるタイミングの目安を示している。
2024年の梅雨明けは沖縄・奄美地方では6月20日~22日ごろ、九州・四国・近畿・東海・関東甲信地方では7月16日~18日ごろ、中国地方は7月21日ごろ、その他の地域では7月31日~8月2日ごろとなった。総務省消防庁の熱中症による救急搬送者数は、各地の梅雨明け前の週(7月8日~7月14日)の6,381人から、梅雨明け後の週(7月15日~7月21日)には9,401人と梅雨明け前に比べて約1.5倍、その次の週(7月22日~7月28日)は12,955人で約2倍に増加し、救急搬送者数が2024年で最も多い週となった。
梅雨の晴れ間や梅雨明け後など、体が暑さに慣れていない状態で急な暑さを迎えるタイミングでは熱中症に特に注意が必要という。また、一度暑熱順化ができていても、数日暑さから離れると暑熱順化の効果は薄れてしまう。梅雨で雨が降り気温が下がると、それまでに暑熱順化した体も元に戻ってしまう可能性がある。無理のない範囲で暑熱順化をするための運動や活動を続けることが大切という。
同プロジェクトでは、暑熱順化開始の目安となるタイミングとあわせて、暑熱順化の具体的な方法を公式サイトやX(旧Twitter)の公式アカウント(@netsuzero2013)で随時発信していく。