国際メディアコンクール「NEW YORK FESTIVAL TV&FILM AWARDS 2025(ニューヨーク・フェスティバル2025)」の最終結果が、日本時間23日に発表され、フジテレビ『ザ・ノンフィクション 私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~』がドキュメンタリー・Social Issues(社会問題)部門で金賞を、BSフジ『最期を選ぶということ~安楽死のないこの国で~』がドキュメンタリー・Human Rights(人権)部門で金賞を受賞した。
「ニューヨーク・フェスティバル」は、1957年に発足したテレビ番組・映画・ラジオ・広告・インターネットなど、あらゆるジャンルの映像作品を審査・表彰する国際的なコンクールで、40カ国以上から多数の作品がエントリーされた。23日7時から「ニューヨーク・フェスティバル」オフィシャルサイト上でオンライン授賞式が開催され、優秀作品に金賞・銀賞・銅賞などが授与された。
『ザ・ノンフィクション 私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~』は、全身にがんが転移したマユミさんが、スイスでの“安楽死”という選択肢について、悩んだ末に決断し、死を遂げるその瞬間までを追ったドキュメンタリー。取材姿勢や問題提起が評価された。
『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)は、「ニューヨーク・フェスティバル」において、2019年『父を殺した母へ~無理心中から17年目の旅~』が銅賞、2020年『おじさん、ありがとう~ショウとタクマと熱血和尚~』が銀賞と、国連グローバル・コミュニケーション(UNDGC)賞の銅賞を獲得。2021年『花子と先生の18年~人生を変えた犬~』が銅賞、2022年『ボクと父ちゃんの記憶~家族の思い出 別れの時~』と『あの日妹を殺されて~罪を憎む男が選んだ道~』の2作品がそれぞれ銅賞、2023年『東京デリバリー物語~スマホと自転車とホームレス~』が銅賞、2024年『からだに記す女たち~女体書道を願うわけ~』が銀賞を受賞しており、今年で7年連続受賞、そして11年ぶりとなる金賞受賞となった。
また、同じ制作陣が“安楽死”をテーマとして取材を重ね制作した『最期を選ぶということ~安楽死のないこの国で~』はBSフジで放送。マユミさんだけでなく、スイスで安楽死を望む人々を通じて“最期を選ぶ”ことの意味を世に問いかけた。
さらにフジテレビ作品から、『ザ・ノンフィクション 僕を産んでくれたお母さん』がドキュメンタリー・Human Concerns(普遍的関心)部門、 『Tokyo Young Homeless 彼らを見つめた半年間』がドキュメンタリー・Social Issues(社会問題)部門、そして『元日の大震災 日本航空石川野球部』がドキュメンタリー・Community Portraits(地域の肖像)部門で、それぞれファイナリスト入賞を果たした。
コメントは、以下の通り。
■『ザ・ノンフィクション 私のママが決めたこと』チーフプロデューサー・西村陽次郎氏(フジテレビ情報企画開発部)
「受賞作はTVerの見逃し配信で、報道・ドキュメンタリー部門の歴代最高記録を大きく更新する73万回(8日間)を記録するなど日本国内でも大きな反響を呼びました。山本ディレクターの渾身(こんしん)の取材と、放送にいたるまでにさまざまな議論を乗り越えた本作が、世界でも高い評価を受けたこと、番組としては11年ぶりとなる金賞、7年連続の受賞と、誇らしい出来事を胸に刻み、引き続き世界に通じる魅力的なドキュメンタリーを制作していきたいと思います」
■『ザ・ノンフィクション 私のママが決めたこと』『最期を選ぶということ~安楽死のないこの国で~』ディレクター・山本将寛氏(フジテレビ情報制作センター)
「本作は決して“安楽死”に限った話ではありません。“自分はこれからどう生きたいのか?”、私自身そんな根源的な問いを突きつけられた取材でもありました。勇気を持って取材に協力してくださった方々は、命と真剣に懸命に向き合っていました。“生と死”は地続きのイシューとして常に我々の目の前に立ちはだかります。だからこそ、このドキュメンタリーに触れた方が、“最期”を自分ごととして考え、話すきっかけをもらえたらという思いを込めて制作しました。私がそうであったように、より良く生きるヒントを少しでも見つけてもらえていたら、本望です」
【編集部MEMO】
マイナビニュースのインタビューに応じた山本将寛ディレクターは、安楽死を扱うドキュメンタリー制作について、「中途半端にやめられるテーマではないので、番組になるか否かは別にして、自分自身として今後も向き合っていきたいと思います」「今までタブー視されてきたテーマである分、取り上げるのが難しいのは間違いないです。今回の番組を放送するにあたっても、たくさんの課題がありましたが、我々メディアや政治が目を向けていくべきテーマだと考えています」と語っている。
(C)フジテレビ