JR東海とスカイピークは、鉄道設備の点検において「レベル3.5飛行」によるドローン活用の実証実験を実施したと発表した。実験は3月24日、東海道新幹線のトラス橋(愛知県一宮市から岐阜県羽島市にかけての区間)周辺で行われたという。
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愛知県一宮市から岐阜県羽島市にかけての区間で実施された自動飛行実験の様子
JR東海は鉄道設備の点検業務のうち、橋りょう等でドローンによる点検を以前から取り入れており、現在は目視内飛行(レベル1~2)で活用している。一方で、労働力人口の減少を見据え、より効率的な点検手法として目視外飛行(レベル3~4)の導入を検討してきた。
今回の実験では、補助者や看板の設置などの立入管理措置を撤廃できる「レベル3.5飛行」を適用。ドローンを安全に飛行させるため、飛行計画や飛行状況等の情報を管理するシステム(UTM)と、ドローンが指定経路から一定距離を離れて飛行している状態を検知する「経路逸脱検知機能」を組み合わせ、安全な自動飛行を実現した。
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トラジェクトリー社製のUTMを使用し、赤色への進入を経路逸脱と取り扱うように設定したという
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実証実験に使用されたドローン「UAV-E6106FLMP2」(イームズロボティクス社製)
これにより、列車が安全に運行できる十分な離隔を保ちながらドローンによる点検業務を実施できることが確認できたという。今後も両社は、鉄道点検業務の効率化と高度化をめざし、検討を進めていくとしている。