連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で、主人公・朝田のぶ(今田美桜)の幼馴染で海軍中尉の貴島勝夫を演じた市川知宏にインタビュー。これまでの俳優としての道のりを聞くとともに、朝ドラ初出演がどんな経験になったか語ってもらった。
――2008年に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞され、芸能界に入られましたが、もともと芸能界に興味があったのでしょうか。
入りたいと思ったことは全くなかったんです。友達が『JUNON』でコンテストの募集記事を見て「いっちー応募しなよ」と言ってきて、「嫌だよ」と言ったら、「クラス全員で受けようぜ」と言われ、それは面白そうだなと思ったんです。でもみんな嫌がって、「言い出しっぺだけで受けなよ」という感じになり、もともと話していた3人で受けました。
――そうしたらまさかのグランプリに!?
まさか自分がグランプリを獲れるとは思ってもいなかったので、びっくりしました。
――その後、俳優として続けていきたいと気持ちが固まったのはいつ頃ですか?
今もそうなのですが、自分が現場でやったであろうことと完成したものの差がすごくて、「全然できてない」「やばい」と愕然として、最初の3年ぐらいは面白いというより苦い思い出が多く、楽しいと思えなくて。でも、ありがたいことにお仕事をいただけて、お芝居のレッスンも受けていく中で、人とつながれる楽しさや、いろいろな役を演じられる楽しさなど、徐々に楽しさが増していき、続けていきたいと思いました。
――2020年から2021年にかけて特撮ドラマ『仮面ライダーセイバー』でユーリ/仮面ライダー最光役を演じ注目されましたが、ご自身にとってどんな経験になりましたか?
『仮面ライダー』のオーディションは受けたことがなくて、ご縁がないのだろうなと思っていた中でお話をいただけて、まさか自分が変身するとは思ってなかったので、すごくうれしかったです。『仮面ライダー』も伝統ある作品なので、それを経験できたことは自信と誇りになりました。『仮面ライダー』に29歳で出るというのはあまりないと思いますし、朝ドラも33歳で出演させていただいて、僕は遅くして経験することが多いのかもしれないなと思います。
――今のお仕事に対する思いをお聞かせください。
これまで仕事がない期間もあって、その時期が一番しんどかったです。先輩方の話を聞いていても、どんなに活躍されていても仕事がなくなる不安を持っている方が多く、自分もずっとそうなんだろうなと思います。16年ぐらい続けてきましたが、周りの人たちに助けてもらって続けてこられているので、支えてくださっている皆さんに感謝しています。