――『ガンニバル』出演はご自身にとってどんな経験になったと思いますか?
ディズニープラスは海外の方にもご覧いただけますし、こんなにハードな役はなかなかな経験できないので大きな挑戦になりました。銀の過去を描いた5、6話では重要な役どころを担当させていただいて、これまでは主人公を支えるような役だったり、逆に物語をかき乱すような役を演じることも多かったのですが、『ガンニバル』の過去編では堂々と真ん中でお芝居させていただいて周りを引っ張っていく立ち位置だったので、難しくもあり、楽しさも味わうことができました。
――また中心の役を演じたいという思いが芽生えましたか?
そうですね。さらに経験を積んで、そういう面も出していけたらいいなと思います。
――ここ数年で何か変わったことや変えたことがありましたら教えてください。
年々肩の力が抜けている気がします。もとから全然緊張しないタイプなんですが、段々と自分らしくいられるようになっていると思います。以前はバランスを取らなきゃいけないとか、共演者の方がこうだからもうちょっと明るくしようとか考えていましたが、そういうのをあまり気にしないようになってきて、自分らしくお芝居していけたらいいなと思うようになりました。
――何かきっかけがあったのでしょうか。
『ガンニバル』が真ん中で自分の道を歩いていく役柄だったので、それも影響しているのではないかなと思います。
――もともと全然緊張しないタイプというのもすごいですね。
子供の頃にオーディションを受ける機会が多くて緊張しない体質になったのだと思います。
――どれぐらいオーディションを受けていましたか?
子供の頃は週1ぐらいのペースで受けていました。それから長い間、そんな感じでやらせてもらっていたので、だいぶ鍛えられたと思います。
――それぐらい受けていると、合格できなくても毎回落ち込んではいられないというように心が強くなっていくのでしょうか。
1次で落ちていたのが、2次で落ちたり、3次で落ちたりという風になっていくのですが、最終審査で残り4名くらいに絞られた後に落ちるといったことが何度もあると本当に悔しくなります。でも、それもご縁だなと思うようになりました。
――オーディションとはいえ、人前で演じることに慣れていくというのもありましたか?
そうですね。その場で演じるドキドキすらも楽しむというか、興奮と高揚感だと捉えられるようになっていった気がします。でも、緊張しないのはこのお仕事に関してだけです。学生時代に国語の授業で順番に立って本を読むときとかはすごく緊張しました(笑)。学校にいるときは女優の自分ではなかったので。
――この先はどういう風になっていきたいと考えていますか?
いろんなことをやっていきたいというのはもちろんですが、事務所の先輩の仲里依紗さんがアパレルブランドを立ち上げていらっしゃって、私もモノ作りをしたり、絵を描いたりするのが好きなので、そういうのを発信していける場をいつか作れたらいいなと思っています。
――どんなものを作っているんですか?
ここ2年ぐらいは編み物にハマっています。母が編み物が得意で、お洋服も手編みで作れるんです。今までは母が作ってくれるし、教えてもらうのも恥ずかしい気持ちがあったのですが、2年前にやっぱやりたいと思って始めて、バッグやマフラーなどを作りました。最近はセーターに挑戦しています。いつかそういうものを披露できる場があったらうれしいです。
――女優としてはいかがですか?
物語の中心的な役をさらにやっていけるようになれたらなと思います。その経験を積み重ねて、その現場の居方も学んでいきたいです。
1998年10月9日生まれ、東京都出身。2005年にドラマ『瑠璃の島』で子役としてデビューし、2009年『キラー・ヴァージンロード』で映画デビュー。2019年公開の映画『凪待ち』で『おおさかシネマフェスティバル2020』新人女優賞を受賞。代表作は、ドラマ『おかえりモネ』『泣くな研修医』(21)、『ザ・トラベルナース』(22)、『リバーサルオーケストラ』(23)、『わたしの宝物』(24)、映画『きさらぎ駅』(22)、『Gメン』(23)、Netflix『全裸監督 シーズン2』(21)『今際の国のアリスシーズン2』(22)、『御手洗家、炎上する』(23)など。『きさらぎ駅 Re:』が6月13日公開予定。