――この『欲望―』という作品をきっかけに、日本映画専門チャンネルで藤原さんの特集が組まれることになりました。
『欲望―』と一緒に僕が出演する他の作品も放送されるというのは聞いていたのですが、主演ドラマだったり、主演舞台だったり、THE RAMPAGE関連でもたくさん放送してくださるので、びっくりしました。
――「藤原樹にとらわれて」というキャッチーなタイトルですね。
めちゃくちゃ響きがいいなと思いました(笑)
――この特集では、役者業の藤原さんに、アーティスト・パフォーマーとしての藤原さん、そしてその裏側を追ったドキュメンタリーなど様々な顔が見られると思います。
ドキュメンタリー(『Rising Sun ~後戻りはしないOne Way Road~』)は、RAMPAGEのメンバーが今まで話せなかったことも含めてざっくばらんに全て打ち明けているものなので、これがまた放送されるのはRAMPAGEにとってもいいことだと思います。それに、ライブ映像(『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2023 “16” NEXT ROUND at OSAKA-JO HALL』)もTV初放送されるので、一緒に見ていただけると、よりRAMPAGEというグループが分かると思いますし、強みもたくさん描かれているので、RAMPAGEを知らない方にもぜひ見てほしいです。
『あらばしり』は初めて主演をさせていただいた連続ドラマで、こんなにすぐに放送していただけるのはうれしいですし、『カストルとポルックス』も初めて主演を務めた舞台なので、どちらも思い入れが強い作品で、また見てもらえる機会を頂けてすごくうれしいです。
――こうした役者業とパフォーマー業というのは、同じ表現をすることでありながらベクトルが違うところがあると思いますが、互いの仕事に生きる部分はありますか?
ありますね。パフォーマーとしてはカメラにどう見られているのかを想像できるので、そこは役者業に役立っていると思います。また、役者としては物語を届けるということを意識するので、パフォーマンスでも楽曲の意味をより考えて表現するというところで、意識が変わりました。
――パフォーマーと役者における意識の違いは、どのようなものがありますか?
普段は16人という大人数なので、いい意味であまり気を張らないところがあると思います。16人で長年やってきたからこそ、何も気をつかわないし、自分が一番生きる場所で、16人もいることで心強さがあるので、すごく楽です。
だからこそ1人で外へ出た時は責任感を覚えて気を張りますし、やっぱりモードが変わりますね。特に『あらばしり』をやってみて、主演はすごく大変だなと思いました。それでも、ほかのキャストさんやスタッフさんとみんなが一つのものに向かって頑張っていく期間はやりがいを感じる毎日だったので、終わった時は達成感があり、自分自身も成長できたと思いました。
それに、役者は自分以外の人間になれるのが楽しいです。いろんな役をやっていくと、「自分にこういう一面があったのか」と新しい発見ができる機会にもなるので。
――その主演の経験が、今回の『欲望―』に臨むにあたって生きた部分はありますか?
主演もそうですし、個人として仕事をしていると、やっぱり自信につながりますね。僕は個人活動をするまで自信があまりなかったのですが、おのずと自信が付いてきたので、それが次の作品で生きるし、自分の人生の経験値にもなっていると思います。
たまたま合致「これはすごいご縁だと思います」
――3月から開催中のRAMPAGEさんのツアーのタイトルが『PRIMAL SPIDER』ですが、一方で今回の作品が『蜘蛛の糸』から着想を得たということで、やはり「クモ」に運命を感じますよね。
めちゃくちゃ感じますね! ツアーの楽曲を制作しているのが11~12月で、ちょうどその期間に今回のドラマの話を頂いて。そしたら、たまたまだと聞いたので、これはすごいご縁だと思います。
――クモの見方がこれまでと変わりそうですね。
でも、僕は虫が嫌いなんです(笑)。今回の撮影でクモを触ったんですけど、マジできつかったです! 台本を読んで「CGかな」と思っていたら、結構大きめのクモで、しかも茶色くて。今までで一番きつい仕事でしたが、神田の優しさが見える大事なシーンなので、頑張りました(笑)
――クモ一匹殺さぬ優しさを持つ神田ですが、藤原さんご自身が周囲の方に最近優しくしたエピソードはありますか?
正月に両親をハワイに連れて行きました。親孝行です(笑)
――優しい!
スタイリスト=吉田佳輔
ヘア&メーク=oya