いよいよシーズンも終盤を迎えた「確定申告」シーズン(令和6年(2024年)分の申告期間は令和7年(2025年)2月17日〜3月17日)。確定申告が必要なのはどんな人? しなかったら、遅れたらどうなる? ……気になるあれこれを国税庁課税部個人課税課の分山知衣巳氏にお聞きしました。

確定申告が必要なのはどんな人?

Q. そもそも「確定申告」ってなんですか? 必要なのはどんな人? 会社員でも必要なケースは?

所得税等の「確定申告」は、1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税等の金額を計算し、確定申告書を提出して、源泉徴収された税金などとの過不足を精算する手続です。

会社員の大部分の方は、年末調整により所得税等が精算されているため、確定申告は必要ありませんが、会社員の方でも(1)給与収入が2,000万円を超える場合や(2)副業や暗号資産取引に係る所得などが20万円を超える場合などは、確定申告が必要です。

確定申告に関する情報は、国税庁ホームページ「確定申告特集」に掲載しておりますので、是非ご覧ください。

確定申告しなかったらどうなる?

Q. 確定申告をしないとどうなるんですか? 罰則はありますか?

所得税を納める必要がある方が、確定申告期限内(令和6年分確定申告の場合、令和7年3月17日まで)に申告をしていない場合には、速やかに申告及び納税するようにしてください。確定申告をしておらず、税務署から所得金額及び税額等の決定を受けた場合には、本来、納めるべき所得税に加えて無申告加算税や延滞税がかかる場合があります。

詳しくは、国税庁HPのタックスアンサー「確定申告を忘れたとき」をご覧ください。

※延滞税は、本税を期限内に納めていない場合に、法定納期限(令和6年分確定申告の場合、令和7年3月17日)の翌日から納付した日までの利息に相当するものとしてかかる税金です。

※無申告加算税は、確定申告期限内(令和6年分確定申告の場合、令和7年3月17日まで)に申告しなかった場合に、本税とは別に課される税金です。

期限に遅れたらどうすればいい?

Q. 期限に遅れたらどうすればいいですか?

所得税を納める必要がある方が、確定申告期限内(令和6年分確定申告の場合、令和7年3月17日まで)に申告をしていない場合には、速やかに申告及び納税するようにしてください。確定申告期限後に申告をした場合は、期限後申告として取り扱われ、本来、納めるべき所得税に加えて無申告加算税や延滞税がかかる場合があります。

ただし、所得税を納める必要がない方や、申告することで所得税が戻ってくる方(還付申告になる方)については、期限後に確定申告をしても加算税や延滞税は発生しません。

詳しくは、国税庁HPのタックスアンサー「確定申告を忘れたとき」をご覧ください。

なお、確定申告期限後も、国税庁HP「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に沿って、金額等を入力することにより、税額などが自動計算され、確定申告書が作成できます。作成した申告書データはそのままe-Taxで送信できます。

「e-Tax」ってどうなんですか?

Q. e-Taxと紙の申告、どちらがいいんですか?

e-Taxなら休日も含め24時間、自宅から、いつでもどこからでもオンラインで申告ができます(メンテナンス時間を除きます)。わざわざ確定申告会場に出向く必要もありませんので、平日の日中になかなか時間がとれない会社員の方などにとっては、「時間」や「場所」の制約がないことは大きなメリットだと言えます。また、還付申告の場合、書面で申告した場合に比べ、早期還付(3週間程度)のメリットもあります。そのほか、添付書類の提出も不要で、印刷や郵送も必要ありません(一部の書類を除きます)。さらに、マイナポータルとe-Taxを連携いただくと、給与や医療費、ふるさと納税などの情報を自動入力できるため、集計や入力の手間が省け、計算誤りを防げるほか、書類の保管も不要です。

令和6年分の確定申告は、自宅から確定申告が行えるe-Taxを是非ご利用ください。

マイナンバーカードを利用した確定申告の方法については、国税庁HP「確定申告特集」をご覧ください。

「マイナポータル連携」のメリットは?

Q. 「マイナポータル連携」って何ですか? やらないと損?

マイナポータル連携とは、所得税確定申告の手続において、マイナポータル経由で、給与所得の源泉徴収票や控除証明書等のデータを一括取得し、確定申告書の該当項目へ自動入力する機能です。自動入力の対象データについては順次拡大しており、給与、年金、医療費、ふるさと納税等の情報を申告書に自動入力ができるようになりました。集計や入力の手間が省け、計算誤りを防げるほか、書類の保管も不要です。

令和5年分の確定申告では、190万人がマイナポータル連携を利用しており、そのメリットから、利用者は年々増加しております。

初めてマイナポータル連携を利用する際は、事前準備が必要です。事前準備から控除証明書等のデータが取得可能になるまでに一定の日数が必要になる場合もあるため、お早めの準備をお願いします。マイナポータル連携の詳細は、国税庁HP「確定申告特集」をご覧ください。

そのほか国税庁からメッセージもあればお願いします。

令和5年分の所得税の確定申告では、約7割の方にe-Taxをご利用いただき、所得税の確定申告はe-Taxの利用がスタンダードになっています。国税庁では、令和8年度におけるe-Taxの利用割合を80%まで伸ばすことを目標とし、引き続きe-Taxの利便性向上に取り組んでいます。令和6年分の確定申告は、自宅から確定申告が行えるe-Taxをぜひご利用ください。

なお、初めてe-Taxをご利用になる方や操作方法に不安がある方のために、国税庁では、YouTube【国税庁動画チャンネル】でサポートコンテンツを提供しています。申告書の作成手順を分かりやすく解説していますので、ぜひご活用ください。また、確定申告に関する質問や疑問については、24時間ご利用いただける(メンテナンス時間を除く)チャットボット「税務職員ふたば」がお答えしますので、こちらもぜひご活用ください。