普段のかわいらしい印象やこれまで演じてきた役柄とは違う、大人な魅力満載の瀬川を見事に演じてきた小芝。「いろんな役柄を演じられるというのは幸せです」と新たな役への挑戦に喜びを感じたという。
「今までは真っすぐな役、特に20代前半までは元気で明るくていい子みたいな役が多かったので、イメージになかったものにチャレンジさせてもらえるのはありがたいです。今まで色気や大人っぽさが課題で、苦手意識がすごくあって、年齢より下に見られることも多いですし、そういうイメージがないと言われることも多いので、大河ドラマでこの大きな難題にチャレンジさせていただけるんだと。プレッシャーもありつつ、新しいことへの挑戦は楽しいしうれしいので、少しでも期待に応えられるように頑張ろうと思いました」
そして、「皆さんがどういう風に受け止めてくださるかなという不安があった」と打ち明け、放送が始まってからの反響に「うれしいです」と笑顔を見せた。
すでに小芝はクランクアップ。蔦重が瀬川に「俺がお前を幸せにしてえの」と告白し、瀬川が「心変わりなんてしないだろうね」と蔦重の胸ぐらをつかむ、第9回の稲荷神社のシーンが最後の撮影だったという。
「やっと蔦重と思いが通じ合ったシーンだったので、男前な終わり方でしたが、数少ない幸せなシーンというか、思いが報われたシーンでクラックアップできたので、それはすごくうれしかったです」
瀬川は幸せな人生だったと思うかという問いには、「難しいですね」と悩みつつ、「自分の幸せよりも人の幸せを願える人で、自分がしんどくても、自分の望みが叶わなくても、蔦重が思い描いた世界になるために尽くせる人なので、きっと蔦重が無邪気に『本売れた!』『叶った!』って笑っているのを見ていたい。その真っすぐさを守るために生きた人なんだなと思います」と語る。
さらに、身請けされた瀬川の今後について「幸せであってほしいと願っています。実際の瀬川も記録が残っていなくて、いろんな説がありますが何が本当かわからなくて。ただ、どこにいてもきっと、蔦重が元気に夢に向かって走り回っていることを願って生きているんだろうなと思っています。そうあってくれ! って」と話していた。
1997年4月16日生まれ。大阪府出身。2011年「ガールズオーディション2011」でグランプリを獲得。2012年にドラマ『息もできない夏』で女優デビューを果たした。初主演映画『魔女の宅急便』(14)での演技が評価され、第57回ブルーリボン賞・新人賞を受賞。その後、NHK連続テレビ小説『あさが来た』(16)、ドラマ『トクサツガガガ』(19)、ドラマ『美食探偵 明智五郎』(20)、映画『貞子DX』(22)、ドラマ『波よ聞いてくれ』(23)、ドラマ『転職の魔王様』(23)などに出演。2024年は映画『レディ加賀』、ドラマ『大奥』、ドラマ『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』で主演を務めた。
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