パンクの名曲「New Rose」生みの親、ザ・ダムドのBrian James死去

1976年の「New Rose」でブリティッシュ・パンクの最初のシングル曲をリリースしたことで知られるザ・ダムドの創設メンバーでありギタリスト、Brian Jamesが3月6日に70歳で亡くなった。

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Jamesの死は、彼のFacebookページで発表された。死因は明かされていないが、声明によるとJamesは妻、息子、義理の娘と共に「安らかに息を引き取った」とされている。Xでは、元ザ・ダムドのバンドメンバーであるCaptain Sensible(Raymond Burns)が、「ダムドの創設者であり、偉大な友人であったBrian Jamesが悲しくも亡くなったと聞いてショックを受けています。数十年前に出会い、なぜか僕を選んで音楽の革命、つまりパンクの探求に一緒に取り組ませてくれた素晴らしい人物です。BJに乾杯!」と述べた。

ザ・ダムドは1976年に結成され、Jamesと彼のバンドメイトであるCaptain Sensible、Dave Vanian、Rat Scabiesは、ロンドンの他のプロト・パンク・グループ(JamesはLondon SS、他のメンバーは後にプリテンダーズのフロントウーマンとなるクリッシー・ハインドが在籍したMasters of the Backside)で数年間お互いに関わり合っていた。

グループはSex Pistolsのオープニングを務め、1976年10月には「Anarchy In the U.K.」の5週間前に、イギリス初のパンクシングル「New Rose」をリリースし、歴史に名を刻んだ。2020年に『The Guardian』紙のインタビューでJamesは、「New Rose」についてこう語った。「1976年の2月から3月にかけてこの曲を書いたとき、まさかこんなに影響力のある曲になるとは思いもしなかったし、50年近く経っても人々がこの曲について語り続けるなんて予想もしていなかった」

さらに、Jamesはこの曲の歌詞が「New Rose」を一種のパンク・ラブソングのように感じさせることについて、実際には意図していなかったと続けた。「特にRat Scabiesのドラムとオープニングのリフは、新しい時代の到来を告げるようだった」と彼は語った。「正直言って、歌詞については考えたことがなかった。ただ書き留めただけだったんだ。当時は彼女もいなかったし、恋愛のことも頭に浮かばなかった。歌詞が曲調に合っていたんだろうと思う。その後、歌詞がこの新しい時代、登場し始めたパンク・シーンについて歌っていることに気づいた」

ジミー・ペイジも絶賛

2017年に『Rolling Stone』誌のインタビューでJamesの元バンドメイトであるVanianとCaptain Sensibleは、Jamesの特別な才能について絶賛した。Vanianは、Jamesのギター・パートは「見た目以上にシンプルで、実際はずっと難易度が高い」と指摘した。Captain Sensibleはこう述べた。「僕たちはBrianのことを『リフ・マイスター』と呼んでいた。ジミー・ペイジは当時、僕たちのバンドの大ファンだったんだ。Roxyでのライブのバックステージでジミー・ペイジとロバート・プラントと僕たちが一緒に写っている写真がある。ジミー・ペイジはBrianのギター・スタイルと作曲に特別な何かを感じていたと思う」

Jamesは、ザ・ダムドの最初の2枚のアルバムの大半の曲を作曲し、いずれも1977年にリリースされた。『Damned Damned Damned』は2月に、そして『Music for Pleasure』は11月にリリースされた。しかしその後、Jamesはグループを脱退。

ザ・ダムド脱退後、Jamesは短命に終わったグループTanz Der Youthを結成し、イギー・ポップとツアーを行い、2枚のソロ・シングル「Ain't That a Shame」と「Why? Why? Why?」をリリースした。その後、彼が共同設立したグループLords of the New Churchは80年代を通じて活動し、3枚のスタジオ・アルバム、いくつかのEP、ライヴ盤をリリースした。

その後のキャリアでは、Jamesはついにソロ活動に専念し、1990年にセルフタイトルのデビュー・アルバムをリリース。その後、2000年代から2010年代にかけてさらに数枚のソロ・アルバムを発表し、最後のアルバム『The Guitar That Dripped Blood』は2015年にリリースされた。また、ポリスのスチュワート・コープランド、MC5のウェイン・クレイマー、ガンズ・アンド・ローゼズのダフ・マッケイガン、ブロンディーのClem Burkeらとスーパー・グループ「The Racketeers」を結成し、2000年にアルバム『Mad for the Racket』をリリースした。

Jamesはザ・ダムドと2度再結成し、1988年と1989年に再結成ライブを行い、2022年にも再結成ライブを行った。

from Rolling Stone US