「○月○日にTOEIC本番なのに、もう時間がない! どうしよう……」
そんな状況を経験したことのある方、多いのではないでしょうか? そこで今回は、「期日が迫っていても大丈夫! TOEIC受験日までの期間に合わせたオススメ勉強法」をご紹介します。
※ここでのTOEICとは、TOEIC Listening & Reading Test(TOEIC L&R)テストのことです。
TOEICは、受験までの期間によって「最適な勉強法」が異なります。テスト本番までに数カ月あればじっくり計画的に勉強ができる一方、本番ギリギリではできることが限られます。そんな状況ごとの「最適解」をぜひ参考にしてみてください。
ここでは、
【パターン1】3カ月前から勉強をスタート
【パターン2】1カ月前から勉強をスタート
【パターン3】1週間前から勉強をスタート
に分けて、勉強の方針をご紹介します。
■TOEICのスコアUPに必要な3つの力
はじめに、TOEICのスコアUPでは以下の3つの力が必要です。
1. 英語力
2. 回答力
3. 自己理解力
1. 英語力
これは単語力・文法力・リスニング力・速読力など。特にタイムプレッシャーが厳しいテストであることから、処理力・反応力を磨き上げ「スッと理解できる」単語・文法・文章を増やしていくことが必要です。
2. 回答力
これはTOEICというテストへの対応力です。単に英語力があればスコアが上がるかというと、そうでもありません。990点満点を余裕で取れる実力者でもない限り、私たちはいわゆる「テクニック」を効果的に活用しなければなりません。
例えばリスニングの長文パートでは、「先読み(問題文に目を通しておくこと)」という、鉄則のような解き方があるわけです。こういった戦い方を使いこなせるようになっておくことも、とても重要です。
3. 自己理解力
これはまさに「自分を知る」こと。そう! TOEICのスコアUPと自己理解は、実は切っても切り離せない関係なのです。例えばリスニングで、聞き取れなかった問題に固執してへこみ、ズルズル引きずる……。リーディングで、脳内に自作のストーリーを作りすぎて、英文を歪曲(わいきょく)して理解してしまう……。
これらはすべて「あなたの脳のクセ」の表れです。「自分」という最大の敵が、TOEICのスコアUPに立ちはだかる。これも、乗り越えるべき大きな壁です。
これらのことを踏まえ、本番までに残された期間別のオススメ勉強法をご紹介していきます。
■期間別のオススメ勉強法
【パターン1】 3カ月前から勉強をスタートする場合
なんと恵まれたシチュエーションでしょう! TOEICに必要な力1~3まで、すべてを鍛える時間が確保できます。3カ月後にTOEIC200点UPも夢ではありません。
最初の1カ月、地に足をつけて「1. 英語力」の徹底強化をしましょう。例えば、背伸びせずに、すでに知っている単語をおさらいし、土台を固めた上に新しい単語を積み上げグッと語彙(ごい)の力を上げていきます。また、読みやすい文法書で中学校の文法知識をおさらいすると、その後の問題集も取り組みやすくなります。
リスニングなども、いきなり問題を解きまくってはいけません。公式問題集などの一部を活用して、同じ教材を何度も聞いて声に出す「シャドーイング」や「音読」を"反復"します。そう、反復です! 大事なので2度言います(笑)。つまりトレーニングです! これにより、英語の「音をキャッチする力」や「英語の語順で意味を処理する力」を鍛えます(この辺りは、ぜひ詳しい情報にアクセスしてみてください)。
2カ月目。ここで「2. 回答力」を鍛えていきます。対策本などを通じてTOEIC各パートの解き方を知り、問題集で練習していきましょう。あわせて、基礎力を鍛える勉強は引き続き継続しておきます。
例えば、パート5(短文穴埋め問題)の解き方を学び、問題集で実践しながら回答力を鍛えていく。合わせて、苦手な文法が発見できたら基礎力の見直しに戻る。このようにすると、「2. 回答力」と「1. 英語力」両方の力をともに磨いていけます。
3カ月目。ここでは、「3. 自己理解力」を深めていきます。ちょうどTOEIC本番の1カ月前になったら、公式問題集などを活用し本番のように解いてみましょう。ここで、自分の間違え傾向を分析することを通して、TOEICという条件下に置かれると(例:時間制限がある)自分がどんなつまずきや間違いをしているか? をひも解きます。そして、それを克服するべく問題集を解き直します。
このように3カ月かけて、1. 英語力、2. 回答力、3. 自己理解力を総じて磨き、TOEIC本番を迎えましょう!
【パターン2】1カ月前から勉強をスタートする場合
1カ月という期間は、場合によりますが微妙です。なぜなら、英語力をがっつり鍛えるぞ! というにはやや短い期間だからです。
この状況の方にオススメしたいのが、「1. の英語力、どれか一個にフォーカスして鍛えてみない!?」という発想です。漫然と広く英語力を鍛えるより、一点集中で何かの英語力を鍛える(場合によっては、2つ鍛える計画でも行けるかと)。
並行して、「絞ったパート限定」で解き方を練習し、「2. 回答力」や「3. 自己理解力」を高めるのはいかがでしょうか。このアプローチのメリットは、絞った英語力はちゃんと磨かれること。また、対策パートを絞ることで取り組みのビフォーアフターが感じやすくなることです。
【パターン3】1週間前から勉強をスタートする場合
英語力の強化はほぼ見込めず、最適な小手先対策をしようという領域です。だからこそ面白がって取り組んでいきましょう!
鍛える余地があるのは「2. 回答力」。各パートの解き方を確認し、1週間の中でできるだけ解き直しをしましょう。締め切り効果も働くので、限られた時間なりのベストで回答力を高められ、TOEICの問題傾向も感じ取ることができるはず。特に、「意識的にTOEICの世界観を感じ取ること」が重要です。
例えば「パート3では、よくコピー機が壊れるよね」といったことです。また、問題集を解きながら「3. 自己理解」(=自分がどんな間違えをしているか)の部分でも気づきがあるはずです。そのほか、「慣れ」という効果も確実にあります。公式問題集を解く、リスニング音源を聴く。これらを1週間集中で毎日取り組むだけでも、多少の効果を期待できます。
また、日本語訳の出番でもあります。全体的に公式問題集の日本語訳を読むことで、おのずとすべての問題がなんとなく解きやすくなります。特に本文の日本語訳を読むと……難解だと思っていた内容がスルスル理解でき、気が楽になります。母語である日本語の読解力や予測力を総動員するわけです。
■まとめ
今回は、TOEIC本番までに残された期間ごとの勉強法について、その指針をご紹介しました。たかがTOEIC、されどTOEIC。人生の大きな転機を生むかもしれないTOEICに関して、王道としては「計画的に勉強」が理想的ではあります。ですが、期日が迫った起死回生のヒントに、本記事がお役に立てれば幸いです。