バイク王&カンパニーが運営するバイク未来総研が最新の「リセール・プライス」ランキングを発表した。同社が独自に調査したバイクの人気ランキングだが、1位に輝いたのはどんなバイクだろうか?

カワサキ「Z900RS SE」が初の首位獲得!

リセール・プライスとはバイクを再び売却(=リセール)するときの価格(=プライス)についての指標だ。今回のランキングでは、2025年1月現在、新車で購入が可能なバイクを対象とし、業者間オークションで売却した際の落札金額の平均値と新車販売価格を基にリセール・プライスをポイント化している。

この指標は年間10万台以上の中古バイクを取り扱うバイク王のデータを基にバイク未来総研が独自に集計したもの。「リセール・プライスが高いバイク」は需要の高いバイク、つまり「人気のあるバイク」と言い換えることもできる。

今回のランキング(バイク未来総研調べ)は2024年9月〜2024年11月が対象。カワサキの「Z900RS SE」が初の首位に輝いた。

  • 「リセール・プライス」ランキング(バイク未来総研調べ、対象期間は2024年9月~11月)

初の首位に輝いたカワサキ「Z900RS SE」、最新モデルの発売が影響?

「Z900RS SE」が人気の理由は? バイク未来総研の分析は以下の通り。

「Z900RS」の上位モデルとなる「Z900RS SE」は、往年の「Z1」を彷彿とさせる「イエローボール」をベースとした SEモデル専用のボディカラーを採用し、ゴールドのホイールやフロントフォークはより上質なイメージに仕上げられています。
 
一方で、ブレンボ製のフロントブレーキキャリパーとパッド、オーリンズ製のリアサスペンションを採用するなど足回りがグレードアップされ、上質なライディングフィールとコントロール性を実現しています。
 
歴代の「リセール・プライス」ランキングにおいて最多のランクイン回数を誇る、安定した人気の「Z900RS」の上位バージョンであることはもちろん、2024年9月に発売された「Z900RS SE」の2025年モデルではカラーが変更され、「イエローボール」カラーがより希少となったことなどがランキングに影響を与えた結果と推測できます。今後のランキング順位にも注目が集まります。

つまり、もともと「Z900RS」というバイクは不動の安定した人気があり、さらに2024年9月には最新版のカラーが発売になったばかりだが、最新版は昔人気の高かった「イエローボール」カラーではなくなった。そのため、ひとつ前のイエローボールカラーの希少性が上がったことなどが人気に寄与してるといえそうだ。

また、どのバイクでも新モデルが発売になると、その車種の注目度が上がるため、もともと以前のモデルの人気は上がる傾向があるのだという。

  • カワサキ「Z900RS SE」

ランキング全体の傾向としては上位5車種が100ptを越え、中古バイク市場が2022年以来、再び活況を呈しているという。その要因は? 以下、バイク未来総研の分析だ。

ランキングを通じて、長く続く円安による海外バイヤーの応札による相場引き上げ、そして、話題の新モデルが多く登場した期間の集計ということもあり、全体的にポイントが高くなった期間となりました。
 
100pt超えは一定の人気が集まっている目安となりますが、今回はランキング10車種中、5車種が100pt超えとなる期間となりました。
 
5車種以上100pt超えの期間は第43回ランキング(集計期間2022年9月〜11月)以来となり、前回の50回ランキングでも4車種が100pt超えしていることから、2024年夏頃から中古バイク市場が再び活況であることがうかがえます。

今回のランキングについて、バイク未来総研所長の宮城光さんはこんな解説を寄せている。

改めて、カワサキ「Z900RS」 の安定感に脱帽と言えるでしょう。
 
今回のランキングトップはグレードの高い「Z900RS SE」と、今までに十分にバイクで走り込んで来たベテランライダーも納得のハイスペックモデルで、所有感、走りを見ても十分に満足度を与えてくれるモデル。
 
実際のところ、週末のサービスエリアや道の駅などで、「Z900RS」を見ないことは無いぐらいに多くのライダーに支持されています。車体流通が活発だけに、サードパーティー各社も商品開発に余念が無い辺りも、ユーザーには安心の購入材料となっているのでしょう。
 
一方、ホンダ「X-ADV」に関しては、作り込みに加えて走りの良さ、デザイン性含め乗れば楽しいマシンとは言うものの、常にランキング上位に居ながらも実際には市街地での遭遇が少ないのが実情。国内での取引が活発なものの、実走行では海外需要が多いとも言えます。林道好きの私としては、奥深い林道での遭遇に期待もするのですが。
 
カワサキ「エリミネーター」は、普通二輪免許で乗れるマシンとしての充実度は高いモデル。普通二輪免許で乗れる最大に近い排気量にETCやドライブレコーダーなどの装備は、アップライトなポジションゆえツーリングへの誘いも魅力となっているのでしょう。
 
ホンダ「Gold Wing Tour」の上位ランクインは、実際にツーリングポイントでも見かける様になっています。リセールマーケットに出て来るマシンのコンディションも大変に良いレベルで、前オーナーの多くが大切に扱って来たことが良くわかり、指名買いのお客様数での動きと見て良いでしょう。

  • バイク未来総研所長の宮城光さん