Hajimariは、「管理職に関する意識調査」結果を1月16日に発表した。同調査は2024年12月に、20~50代の会社員700人(管理職150人、非管理職550人)を対象にインターネットを用いて行われた。
どのようなマネジメントを希望するかを聞いたところ、全世代において「チームの雰囲気を良くすること」(18.8%)が最も重視され、「長所を褒めて伸ばす」指導(12.7%)を求める声は、「厳しい指導」(6.5%)を望む声の倍以上に上った。
メンバーと競争して出世を目指す価値観は全世代で薄まっており、調和やバランスを重視する人が増えていることがうかがえる。また、プライベートでの交流よりもビジネスライクな関係を望む傾向が強いことも「令和型マネジメント」の特徴だという。
次に、理想の働き方を尋ねたところ、「オン・オフをはっきりさせ、プライベートを大切にする」が260人で最多となり、次いで「本業の給与をしっかり上げていく」(213人)、「成果にこだわらず、ストレスフリーでゆるく働き続ける」(172人)と続いた。
一方で、「出世して組織を率いる」という回答は72人にとどまり、かつての出世競争や、肩書きを重んじる働き方は、多くの人々にとって魅力が薄れていることが判明。
特筆すべきは、ワークライフバランスを重視しながらも、「本業の給与をしっかり上げていく」(213人)、「投資や副業で会社に依存しない収入を作る」(136人)という収入にまつわる回答も多かった点だという。賃金の上がりにくい社会状況の中で、働く時間を確保しながらも、収入をしっかり得たいという現実的な志向が広がっている。
世代間の違いはほとんど見られず、40~50代においても、「出世して組織を率いる」を理想とする回答者はわずか23人にとどまった。
管理職になることについてどう考えているか尋ねたところ、管理職になることに否定的な意見をもつ人は、約51%に上り、ビジネスパーソンの管理職離れが改めて明らかになった。世代による違いはほとんど見られず、若手からベテランまで、管理職を避ける人が多いことが判明した。
次に、管理職を志向する人のみに、その理由を聞いたところ、「収入が上がるから」がトップとなり、「社内で出世したい」、「自分の裁量が高まる」よりも多い回答数だった。管理職になりたい理由は、権威ややりがいよりも、収入の増加がメインの動機となっている。
一方で、管理職を望まない人の理由としては、「責任が重すぎる」、「仕事量が増える」が上位を占め、「プライベートの時間が減る」、「メンタル面での不安」と続いた。また、「給与面でのメリットを感じない」という回答が92人に上っており、管理職としての責任や負担に見合う待遇が期待できない職場が多いと推察される。
管理職に対するイメージを聞いたところ、「憧れ」や「かっこいい」といったポジティブな意見は少数派で、「ストレスが多い」(318人)、「仕事が忙しくなる」(263人)といったネガティブな回答が上位を占めた。
また、「部下の育成責任がある」(252人)という回答も多く、特に40代以降では責任感や業務負担への意識が顕著に高まっている。また、「収入が増える」や「社会的な地位が上がる」といった管理職の利点は一定の支持を得ているものの、ネガティブイメージを上回ることはなかった。
次に、過去、良い上司がいたか尋ねたところ、「非常に良い上司がいた」と感じている層(113人)では、約67%(76人)が管理職を選択肢として考えるか、積極的に目指したいと回答。良い上司との出会いが、次世代のマネジメント人材育成の鍵を握っている可能性が見て取れたという。
一方で「上司との関わりがほとんどなかった」層の約76%が「管理職は絶対に避けたい」と最も否定的な回答を選択している。上司というロールモデルにそもそも関わりもしなかった場合、管理職に消極的を超えて拒否感まで感じる傾向にあることがわかった。