ウェザーニューズは1月15日、「第3回花粉飛散予想」(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)を発表した。
飛散開始時期
1月後半以降は全国的に暖気と寒気が周期的に流れ込む予想。暖気が流れ込んで気温が上がったタイミングでスギ花粉の飛散が開始するとみられており、2025年春の花粉の飛散開始時期は平年と比べると西日本でほぼ同等、東日本や北日本でやや早くなる予想。
静岡県では全国で最も早く1月下旬にスギ花粉の飛散が開始し、2月上旬には九州や中国・四国の一部、東海、関東でも飛散が始まる。2月中旬になると西日本と東日本のその他の地域、さらに東北南部の太平洋側でも飛散が開始する予想。その後、3月上旬にかけて東北の各地でも飛散が始まるとみられる。北海道のシラカバ花粉は4月中旬からの飛散になりそうだという。
本格飛散時期
スギ花粉が本格的に飛散するのは九州で2月中旬~3月上旬、中国・四国や東海、関東・山梨は2月中旬~3月中旬、近畿では2月下旬~3月中旬の予想。北陸・長野や東北南部では2月下旬~3月下旬、東北北部では3月上旬~4月中旬になるとみられる。なお、スギ花粉の本格飛散開始は2月頃の気象動向に大きく左右され、気温が高い状態が継続すると、飛散開始の直後に本格飛散開始となることがあるため、最新の情報で確認を。
3月中旬に入るとスギ花粉の飛散は徐々に収まり、代わって西日本や東日本ではヒノキ花粉の飛散が多くなる。ヒノキ花粉が本格的に飛散するのは九州や中国・四国で3月中旬~4月上旬、近畿や東海、関東・山梨で3月下旬~4月中旬、北陸や東北南部は4月上旬~中旬とみられる。ただ、北陸や東北南部ではヒノキの樹木が少ないため、スギ花粉に比べると飛散量が少なくなる見込みだという。
北海道でシラカバ花粉の飛散が本格化するのは4月下旬~5月中旬の予想で、ちょうどゴールデンウィークと重なる見通し。
飛散量は西・東日本で平年を上回る予想
2025年春の花粉飛散量は西日本、北陸や関東北部の一部で2024年を大きく上回る一方、北日本では下回る地域が多い予想となっている。西日本では2024年の飛散量が非常に少なかったため、2024年比で800%を超える地域もあり、過去10年で最も多いか、それに匹敵する飛散量になるとみられる。一方、東北北部や北海道では2024年の飛散量が多かったため、2024年比で50%を下回る地域がある。東海の一部や関東南部と山梨、長野、東北南部では2024年並の飛散量と見込んでいる。全国平均では2024年比166%となる予想。平年と比べると、西日本や東日本、東北太平洋側では平年を上回る地域が多く、特に西日本では200%を超える地域もある。一方、北日本では平年並の地域が多い予想。全国平均では平年比165%となる予想。
エリア別の2025年花粉飛散予想
北海道は4月中旬から飛散開始
北海道の冬から春の気温は平年より高くなる傾向で、4月以降の寒さが緩むタイミングでシラカバ花粉が飛び始める。花粉の飛散開始時期は道南や道央など早い所で4月中旬、その他のエリアで4月下旬から5月にかけての予想で、平年よりもやや早くなるとみられる。本格飛散は道南や道央でゴールデンウィーク前後、道北や道東では5月上旬~中旬で、5月下旬になると段々と飛散量は少なくなる見込み。例年、北海道では飛散開始後、数日で本格的な飛散となる傾向があるため、4月に入ったら早めに対策を始めておくとよさそうだという。2024年のシラカバ花粉の飛散量は前年、平年を大きく上回り、2025年は前年の反動で飛散量が少なくなる「裏年」になると見込まれる。2025年春のシラカバ花粉の飛散量は前年の48%、平年の84%となる予想。
東北北部は2月中旬~3月上旬に飛散開始
花粉の飛散開始時期は平年よりも早く、2月中旬~3月上旬の予想。スギ花粉の本格的な飛散は3月上旬以降と見込まれるが、気温が高い状態が継続すると飛散開始の直後に本格飛散開始となることがある。4月中旬以降は飛散量が段々と少なくなる見込み。
2025年は前年の反動で飛散量が少なくなる「裏年」になる見込み。2025年春の花粉の飛散量は前年の52%、平年の98%となる予想。前年に比べて飛散量は減少するものの、平年並の水準となる。なお、東北北部ではスギ花粉の飛散が中心で、ヒノキ花粉はほとんど飛散しない。
東北南部は2月中旬~下旬に飛散開始
花粉の飛散開始時期は平年よりも早く、2月中旬~下旬の予想。スギ花粉の本格的な飛散は2月下旬~3月下旬と見込まれるが、気温が高い状態が継続すると飛散開始の直後に本格飛散開始となることがある。ヒノキ花粉の本格飛散は4月上旬~中旬で、その後は飛散量が段々と少なくなる見込み。
2025年春の花粉の飛散量は前年の90%、平年の120%となる予想で、前年をやや下回るが、平年を上回る水準となる。なお、東北南部ではスギ花粉の飛散が中心で、ヒノキ花粉の飛散は比較的少ない傾向にある。
関東・山梨は1月下旬から飛散開始
花粉の飛散開始時期は関東南部の一部で1月下旬、その他のエリアで2月上旬~中旬の予想で、平年よりも早くなるとみられる。スギ花粉の本格的な飛散は2月中旬~3月中旬と見込んでいるが、気温が高い状態が継続すると、スギ花粉の飛散開始が予想よりも早まる、あるいは飛散開始の直後に本格飛散開始となることがある。ヒノキ花粉の本格飛散は3月下旬~4月中旬で、その後は飛散量が段々と少なくなる見込み。
2025年春の花粉の飛散量は前年の142%、平年の155%となる予想で、特に北部を中心に前年の反動で飛散量が多くなる見込み。北部では前年・平年を上回る飛散量となり、南部では前年並ではあるものの平年を上回る飛散量となる予想。
北陸・長野は2月中旬から飛散開始
花粉の飛散開始時期は2月中旬の予想で、平年よりも早くなるとみられる。スギ花粉の本格的な飛散は2月下旬~3月下旬の見込みだが、気温が高い状態が継続すると飛散開始の直後に本格飛散開始となることがある。ヒノキ花粉の本格飛散は4月上旬~中旬で、その後は飛散量が段々と少なくなる見込み。
2025年春の花粉の飛散量は前年の155%、平年の138%となる予想で、前年よりも飛散量が増加するとみられる。なお、北陸エリアではスギ花粉の飛散が中心で、ヒノキ花粉の飛散は比較的少ない傾向にある。
東海は1月下旬から飛散開始
花粉の飛散開始時期は静岡県で1月下旬、その他のエリアで2月上旬~中旬の予想で、平年よりも早くなるとみられる。スギ花粉の本格的な飛散は2月中旬~3月中旬の見込みだが、気温が高い状態が継続すると、スギ花粉の飛散開始が予想よりも早まる、あるいは飛散開始の直後に本格飛散開始となることがある。ヒノキ花粉の本格飛散は3月下旬~4月中旬で、その後は飛散量が段々と少なくなる見込み。2025年春の花粉の飛散量は前年の121%、平年の152%となる予想。
近畿は2月上旬~中旬に飛散開始
花粉の飛散開始時期は2月上旬~中旬の予想で、平年並とみられる。スギ花粉の本格的な飛散は2月下旬~3月中旬の見込みだが、気温が高い状態が継続すると、スギ花粉の飛散開始が予想よりも早まる、あるいは飛散開始の直後に本格飛散開始となることがある。ヒノキ花粉の本格飛散は3月下旬~4月中旬で、その後は飛散量が段々と少なくなる見込み。
2025年春の飛散量は前年の302%、平年の213%となる予想。特に京阪神エリアでは前年の飛散量が平年の半分程度と少なくなったため、前年比で400%超、平年比で200%超となり、過去10年で最も多いか、それに匹敵する飛散量になる予想。
中国・四国は2月上旬~中旬に飛散開始
花粉の飛散開始時期は早いところで2月上旬、広範囲では2月中旬の予想で、平年並かやや早くなるとみられる。スギ花粉の本格的な飛散は2月中旬~3月中旬と見込まれるが、気温が高い状態が継続するとスギ花粉の飛散開始が予想よりも早まる、あるいは飛散開始の直後に本格飛散開始となることがある。ヒノキ花粉の本格飛散は3月中旬~4月上旬で、その後は飛散量が段々と少なくなる見込み。
2025年春の飛散量は前年の527%、平年の232%となり、過去10年で最も多いか、それに匹敵する予想。特に瀬戸内地域では前年の飛散量が非常に少なくなったため、前年比で500%を上回り、800%を超える地域もある予想。
九州は2月上旬~中旬に飛散開始
スギ花粉の本格飛散は2月中旬~3月上旬の見込みだが、気温が高い状態が継続するとスギ花粉の飛散開始が予想よりも早まる、あるいは飛散開始の直後に本格飛散開始となることがある。ヒノキ花粉の本格飛散は3月中旬~4月上旬で、その後は飛散量が段々と少なくなる見込み。
2025年春の飛散量は前年の287%、平年の181%となり、過去10年で最も多いか、それに匹敵する可能性がある。前年比では400%、平年比でも200%を超える地域もある予想。