「地上波ではなかなか企画としては通りにくかった」ドラマ「沈黙の艦隊」撮影秘話 映像プロデューサー・早川敬之が語る
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」レギュラーコメンテーターの玉川徹とフリーアナウンサーの原千晶がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「ラジオのタマカワ」。「テレビではまだ出せていない玉川徹の新たな一面を発信!!」をコンセプトに、ビジネス、キャリア、マネー、カルチャー、エンタメ、音楽など、さまざまなジャンルをテレビとは違った角度から玉川が深掘りしていきます。

12月5日(木)の放送では、映像ディレクター・プロデューサーの早川敬之(はやかわ・たかゆき)さんがゲストに登場。Amazon Originalドラマ「沈黙の艦隊」の制作エピソードについて語ってくれました。

(左から)パーソナリティの原千晶、早川敬之さん、玉川徹

◆「沈黙の艦隊」の次回作はいつ出る?

原:今日のゲストは、東北芸術工科大学の教授でAmazon プライム・ビデオの日本オリジナルコンテンツの制作責任者をされていた早川敬之さんです!

早川:よろしくお願いします。

玉川:「沈黙の艦隊」、面白かったです! まず聞きたいんですけど、セカンドシーズンはいつ頃ですか?

早川:やります(笑)! やるんですけど、いつかっていうのはまだ申し上げることができないんですよね。

玉川:続きをやることがわかってよかったです! 早川さんは「沈黙の艦隊」を作ったときはAmazonの社員だったそうですね。

早川:はい。今年の3月までAmazonにいて、4月から独立しました。辞めた会社のことなので、お話しできることは限られている点はお許しください(笑)。

玉川:「沈黙の艦隊」は次も早川さんが関わるんですか?

早川:関わりません!

玉川:なんだよ~(笑)! クオリティ大丈夫かあ~!?

◆玉川とは共通点が多い?

玉川:話は変わるんですけど、(自分と)高校が一緒なんですよね?

早川:そうなんですよ。玉川先輩は仰ぎ見るテレビの巨人ですから。

玉川:何を言っているんですか(笑)。

原:後輩の早川さんから見ても偉大な存在なんですね。

早川:オープニングトークを聴いてビックリしたんですけど、テレビだとちょっと怖い印象があるじゃないですか。すごく優しい感じの方なんだなというのは発見でした。

玉川:テレビはキャラですから! あと、もう1つ共通点があります。早川さんはNHKで働かれていた経験もあるんですよね?

早川:はい。最初に仕事を始めたのはNHKで、ドキュメンタリーを担当していました。

玉川:どちらの局だったんですか?

早川:最初は九州の長崎で、そのあと東京に戻ってドキュメンタリー制作です。

玉川:実は僕、NHK落ちたんですよ(笑)。僕は今フリーですけども、NHKに出たいっていう思いだけで仕事をしているんです。

早川:素晴らしいです。

玉川:そして、NHKからフジテレビに行っているんですよね。中途採用ですか?

早川:そうです。

玉川:そしてフジテレビからAmazonですか。すごいね! なんだかわらしべ長者のようです。

早川:いやいや(笑)。やっているのは番組制作なので、変わらないです。

◆地上波では「沈黙の艦隊」の企画が通りにくい?

玉川:Amazonにはプロデュースのために入られたんですか?

早川:その通りです。Amazon MGMスタジオという組織がありまして、連続ドラマ、映画、バラエティ、アニメの4つチームがあるんですね。そこのまとめ役をやっていました。

玉川:たとえば「沈黙の艦隊」にはどういう風に関わったんですか?

早川:企画を立ち上げるところから関わりました。

玉川:僕は「沈黙の艦隊」の漫画(講談社:かわぐちかいじ)をずっと読んでいたんですけど、2時間映画だと無理だよなって思っていたんです。Amazonプライムで連続ドラマをやる良さっていうのは、当然考えられていたんですか?

早川:そうですね。やはりお金もかかりますし、作品のテーマもなかなか地上波では扱いにくいんですよね。

玉川:どのあたりがダメなんですか?

早川:安全保障に真っすぐ向き合う話ですよね。ですから、地上波ではなかなか企画としては通りにくかったです。「沈黙の艦隊」は配信に向いている作品だと思います。

玉川:でもね、仮にフジテレビでゴーサインが出たとしても、予算がそんなに付けられないから、あのクオリティは無理なんですよ。僕が圧倒されたのは、やっぱりクオリティなんですよね。

◆ドリームチームで理想的な映画を制作できた

玉川:役者さんたちも全員主役級の方を揃えることができていますよね。「沈黙の艦隊」を作るにあたってどこにこだわりましたか?

早川:原作が素晴らしいので、原作が持つ良さを実写化で損なわずにいい作品にするところかなと思います。

玉川:たとえば役者さんのキャスティングもそうですよね。これはどういうところを意識されました?

早川:もともと大沢たかおさんはこの企画をやりたいという強い思いがありました。

玉川:お声がけは早川さんのほうから?

早川:私のチームの人間がしていますね。いいチームに恵まれて、原作者、キャスト、クリエイターと夢のような方々が揃って作品が出来上がりました。

玉川:海江田(主人公)に大沢さんを選んだ理由は?

早川:やりたいという大沢さんからの強いご意向がありましたね。今回、みなさんやりたい気持ちが強い方々がうまく集まったということだと思います。

玉川:セットもすごいですけども、あれって海上自衛隊の協力もあったってことですよね?

 

早川:そうですね。海上自衛隊のご協力のもと、本物の潜水艦を撮影に使用しています。それから、潜水艦の内部を再現したセットを組んで、戦闘シーンではVFXを惜しみなく使いました。

玉川:潜水艦の内部ってセットなんだ! CGもすごかったです。

早川:日本を代表するコンピュータグラフィックスになっていると思います。

<番組概要>

番組名:ラジオのタマカワ

放送エリア:TOKYO FM

放送日時:毎週木曜 11:30~13:00

パーソナリティ:玉川徹、原千晶

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/tamakawa/