日産自動車/NISMOのファンが大集結する年に1度のイベント「NISMO FESTIVAL 2024」に参加してきた。会場の富士スピードウェイには昨年を超える2万8,500人が来場。NISMOのレジェンドが駆る往年の名車や懐かしの“ハコシャ”レースなど、見どころ満載だったイベントの模様をレポートする。
レジェンドと名車が豪華共演
NISMOフェスティバルの開催は今回で25回目。今年はNISMOブランド誕生40周年という記念の年でもある。会場にはNISMOのレジェンドや現役ドライバー、さらには彼らが駆る新旧のレーシングカー、日産電動化技術を象徴するフォーミュラEマシン、NISMOブランドの各モデル、懐かしの“ハコシャ”などが集結。同乗走行やサーキットサファリバス、関連企業やチューニングショップなどの出店、ガレージセールなどファン垂涎のイベントが盛りだくさんだった。
グランドスタンド前のホームストレッチで行われたウェルカムセレモニーでは、スーパーGT日産チームの木賀新一総監督が挨拶に立った。
「本日はNISMOフェスティバル2024にご参加いただきましてありがとうございます。今年4月に総監督という栄誉を拝命し、チャンピオン奪還を目指してきましたが、ドライバーズポイントの方は残念ながら現時点でトップの可能性がなくなってしまいました。皆様のご声援に応えることができず申し訳ありませんでした。しかし、チームの方にはまだ可能性が残っておりますので、来週の最終レースでは日産、NISMOの本来の速さを見せつけるべく全力で頑張ります。ぜひ応援よろしくお願いいたします。今年はニスモ40周年ということで、今日は輝かしいレジェンドドライバーや現役選手が集まり、多彩なコンテンツを用意しておりますので、たくさん楽しんでいってください。レース中の選手は集中していて声かけがためらわれるようなことがあるかもしれませんが、今日はお祭りなので、精一杯の笑顔で対応してくれることをお約束します」
続いて、ずらりと並んだ参加選手を代表して登壇したのは、スーパーGT500クラスに参戦中の千代勝正選手だ。
「40周年のNISMOフェスティバルに朝早くからご参加いただきまして、嬉しく思います。これまでのNISMOの歴史は、我々だけでは達成できず、ファンの皆様あってのものだと思います。これからも全ドライバーが“強いNISMO”“勝つNISMO”を目指していきますので、今後とも応援よろしくお願いいたします。まだ最終戦が残っていますが、今日はフェスティバルなので、楽しくしっかり盛り上げていきたいと思います」
イベントは132台のNISMOカーオーナーによるパレードランでスタート。R35GT-RやZ34、Z33をはじめ、スカイライン、オーラ、電動のリーフやアリアなどのNISMO車両が長い隊列を組んで本コースを駆け抜けた。
続いて行われたのは、1970年前後のヒストリックモデルを使用するニッサンヒストリックカー・エキジビションというレースだ。今年はB110型、B310型サニーだけのワンメイク。OHVのA12やA14エンジンをカリカリにチューンした後輪駆動車両によるTSレースや富士フレッシュマンレースは、当時の若者に大人気だった。スタンディングスタートを決めた11台が発する小排気量自然吸気直列4気筒エンジンの乾いた爆音が富士のすそ野に響き渡り、ちょっと目がウルウルしそうになった。Z33、Z34ユーザーによるZ-チャレンジエキジビションレースも直後に開催された。
会場内にはS14 270RやR33 400R、NISMO・クラブマンレーススペックのBCNR32、BCNR33、BCNR34、BCNR35など、普段お目にかかれないモデルが鎮座。その周囲のテントにはメーカーやチューニングショップによる出店がずらりと並び、多くのファンが詰めかけていた。
特に人気だったのは、BRIDE製のバケットシート売り場やマフラー、各種部品などの中古パーツ売り場。会場を一回りして戻ると、さっきまで山積みだったパーツがすっかり売り切れているといった繁盛ぶりだ。NISMOファンの熱の高さとおメガネにかなうものが、たくさん出品されていた証拠だろう。
ピットウォークも大人気。いつもは会話を交わしたりすることができない新旧の人気ドライバーに直接会ってサインまでもらえるとあって、ピット前には大行列ができていた。「日本一速い男」の異名をとるレジェンド・星野一義選手の列には、岩手から駆けつけ、目の前のショップで買ったばかりというアルミホイールを差し出してそこにサインをもらうファンも。これには星野選手もびっくりした様子だった。
ヘリテージランで伝説のドライバーが爆走!
午後からは、NISMOブランド40周年を振り返ることができるメインイベントのNISMOヘリテージランが開催された。デモ走行には長谷見昌弘選手の「リーボックスカイライン(1989年)」、星野一義選手の「カルソニックスカイライン(1990年)」、影山正美選手の「R390GT1(1998年ル・マン)」、鈴木利男選手の「R19CP(1992年デイトナ24H)」、近藤真彦選手の「'95 NISMO GT-R LM(1995年)」など全24台が参加して爆走。懐かしい姿とサウンドで見守るファンを魅了した。ピットにはレースアンバサダーたちも姿を見せ、会場を彩っていた。