キャリタスは12月3日、「11月後半時点での就職意識調査」の結果を発表した。調査は11月15日~22日、2026年3月卒業予定の大学3年生(理系は大学院修士課程1年生含む)1,054名を対象にインターネットで行われた。
はじめに、自分たちの代の就職戦線の見通しを尋ねたところ、2025年卒者に比べて「やや厳しくなる」(64.4%)が6割強を占め、「非常に厳しくなる」(10.3%)と合わせると7割強(計74.7%)。「厳しくなる」の合計は3年連続で増加した。
志望業界の決定状況については、「決まっていない」という回答は2割程度(20.2%)。文系に比べ理系の方が決定している学生が多く、特に理系男子は過半数が「明確に決まっている」と回答した(52.8%)。
志望業界のある学生に具体的な業界を尋ねると、「情報処理・ソフトウエア」(19.0%)や「情報・インターネットサービス」(18.6%)が上位となり、前年に引き続き今期も序盤からIT人気が目立つ結果に。3位は、前年5位の「銀行」(18.5%)で、文系男子で1位、文系女子で2位と、文系学生からの支持が高い。一方で、IT業界は文理問わず上位に位置し、属性によらず志望者が多い傾向に。理系の上位には、ITのほかに製造業が多く入り、とりわけ理系女子は1位から3位までを製造業が占めた。
次に、会社選びの軸として学生がよく挙げる5つの項目について、こだわりの度合いを尋ねたところ、「強くこだわる」が最も多いのは「社風・人」(59.4%)で、「ややこだわる」(34.8%)をあわせると9割(計94.2%)を超える結果に。次いで「仕事内容」(92.8%)、「給与・待遇」(91.1%)、「勤務地」(74.4%)、「企業規模」(69.1%)と続いた。
こだわり度合いが最も低いのは「企業規模」だったが、就職活動の中心におく企業の規模について聞くと、「業界トップの企業を中心に活動するつもり」(19.8%)、「大手企業を中心に活動するつもり」(43.7%)と、いわゆる大手志向の学生は今年も6割を超える(計63.5%)結果に。一方で、中堅中小企業を中心におく学生の割合(8.1%→13.2%)が前年より増えており、競争の激しい大手を避けたり、全国勤務のない地元企業で働きたい等の声が寄せられた。
就職活動の開始時期については、「3年生の4月」(30.8%)が最も多く、前年調査(26.0%)よりも増加。「2年生」(7.6%→12.1%)の時に開始した学生も増えており、活動開始の早期化が見て取れる。
また、就職活動の準備として行ったことを聞くと、最も多いのは「自己分析」で約8割(82.0%)。「業界研究」「企業研究」が7割台(ともに73.5%)で続き、インターンシップへの応募準備や実際にプログラムに参加することなどで、着実に就活準備を進めているよう。そのほか、「大学のガイダンス」(54.9%)や「筆記・面接等の就職試験対策」(46.8%)も多く、選考対策が進んでいる様子がうかがえる。
次に、インターンシップやオープン・カンパニー等のプログラムへの参加状況を日数別に尋ねたところ、「1日以内のプログラム」が8割強(83.0%)、「2〜4日間のプログラム」は約半数(51.7%)が参加と、短期間のものへの参加が中心であることがうかがえる。
また、参加後に企業から「フォローを受けた」学生は9割強(96.5%)に上り、それにより、その企業への「志望度が上がった」経験を持つ学生は6割強(63.5%)に上った。