最後に、矢崎氏は「地上波の民放テレビというのは、イキって自己表現をする場ではないとプロデューサーになって思いつつも、『27時間テレビ』をやって改めて思ったのは、若いディレクターはある程度イキってもいいところが全然あると思うんです。今回、10歳下の2人の総合演出と組んでやったんですけど、いい感じにお互い切磋琢磨しながらイキってくれました」と紹介。

「最近、“テレビは自分の表現をする場じゃないんだ”って怒られるんですけど、突破力がないと『学校かくれんぼ』みたいな企画も生まれなかったと思うんです。“カギメンバーが学生とかくれんぼする”という作家さんの2行のアイデアから、そこに予算を投下して大人の美術力であれだけの舞台を作るというところに膨らませられたのは、演出がイキった感じで行けたからだと思うので、ぜひ若いディレクターはどんどん意見を言ってもらって、バンバンプロデューサーにぶつかってきてほしいです」と力説した。

『ラヴィット!』の精神をTBSの文化に

一方の辻氏は「『ラヴィット!』は平日毎朝8時にやっているというのが何よりも強みだし、使命を背負ってると思います。しんどい人たちのわずかな光になればと立ち上げた番組ですが、僕もサラリーマンなので、そう遠くないうち番組を離れた時に、どんどん引き継がれてTBSの文化になればいいなと思ってますし、この継続性を作れるかが課題だと思っています」と強調。

さらに、「帯番組は週5回あって、今3年9か月くらいやってるんですけど、放送回数は900何十回を迎えているんです。これは週1の番組だと20年やってるくらいになっちゃうので、飽きられないように日々変容しながら、志を持って視聴者に届けていくのはとても難しい課題なので、そこを後輩につないでいければいいなと思っています」と決意を述べた。