医師向けのキャリア支援サービスなどを提供するメディウェルは、医師の転職傾向に関するアンケート調査の結果を11月1日に発表。同調査は、2024年8月23日~8月30日の期間、全国のメディウェル医師会員1,205名を対象にインターネットで実施した。

  • これまでの転職回数について

これまでの転職回数について尋ねると、最多は「0回」(27.6%)、次いで「1回」(27.5%)、「2回」(20.5%)という結果に。7割超が「転職経験あり」と回答し、「2回以上」の転職経験者も4割を超えた。転職支援サービスを提供する同サービスの会員医師である点を踏まえても、多くの医師が転職を経験していることがわかった。

  • 医師の年代別の転職回数

医師の転職回数を年齢別に比較したところ、30代で「0回」の医師の割合が大きく減少。初めての転職に踏み切る医師が最も多いのは30代であることが判明した。

  • 転職未経験の医師が「転職したい」と感じたタイミング別の割合

転職未経験の医師が転職したいと思ったきっかけでは、「年収・待遇面で不満を感じたとき」(58.9%)が最多に。次いで「勤務の時間的拘束が長いと感じたとき」(42.4%)、「休息を取れず心身の疲れを感じたとき」(41.6%)と続いた。

  • 転職したことがある医師が前回の転職で「転職したい」と感じたタイミング別の割合

また、転職したいと思ったきっかけについては、転職経験のある医師も「年収・待遇面で不満を感じたとき」(32.1%)が最多となった。転職経験の有無にかかわらず「年収・待遇面で不満を感じたとき」が、転職したいと思うきっかけの最多回答となった。

  • 前回の転職活動をうまく進められたか

前回の転職活動について尋ねると、「うまく進められた」「まずまずうまく進められた」医師は9割超えとなった。

  • 前回の転職活動の結果に対する満足度

また、前回の転職活動について「満足している」「どちらかと言えば満足している」医師も計9割を超えた。

一方で、過去の転職活動で後悔したこと、やっておけばよかったことについては、「もう少し賃金交渉をすればよかった」(40代女性、皮膚科)、「転職先の人間関係や風通し、地域からの評判の下調べ」(40代男性、小児科)などの声が寄せられた。

また、失敗・苦労したことについて、「時間外勤務はほとんどないと聞いていたのに実際働いたら時間外の対応が意外と多かった」(40代女性、小児科)、「大学を辞めることが決まったあとに陰湿なイジメがあった」(30代女性、病理診断科)などが挙がった。

最後に、転職を経験した医師が未経験の医師に勧めたいと思うことについては、「有給休暇の取りやすさ、給与、時間外など疑問に思うことは紹介会社を通じてでもはっきりさせておいた方がよい」(50代男性、健診・人間ドック)といったコメントが寄せられた。

また、「紹介会社の情報だけではなく、自分でも知り合いなどを通して情報収集すべき。できれば見学も行った方がいい。実際に転職を強く希望していない病院でも、他のところがどんな雰囲気かを知るだけでも意味はあると思うので」(40代女性、救命救急)といったことも挙げられた。