特撮ドラマ『仮面ライダーガッチャード』で主人公・一ノ瀬宝太郎/仮面ライダーガッチャードを演じた俳優の本島純政。そんな彼の1年半の成長の過程が詰め込まれたファースト写真集『純』(ワニブックス)が11月8日に発売される。自身が振り返ってみても「成長しているのかな」と思えるようなカットが満載の本写真集。そこには特撮ドラマをはじめ、懸命に駆け抜けてきた本島の思いが詰まっているという。激動の1年半を本島が振り返った。

  • 本島純政

    本島純政

2023年2月から、『仮面ライダーガッチャード』がクランクアップする2024年8月までの1年半の本島を余すところなく迫った本写真集。カメラマンの増田彩来氏との出会いは、事務所に入りたての作品撮り。続く作品撮りでも増田氏が担当し、本島は運命を感じたという。

「同じカメラマンさんが2度続いてびっくりしたのですが、その後もずっと増田さんが自分のことを撮影してくださって……。最初のころは写真集なんて話は全く出ていなかったのですが、半年少し過ぎたぐらいにマネージャーさんに『純政、この作品を写真集にして出せるように頑張ろう』と言われました(笑)。そこからは頭のなかで少しずつ「撮っていただいた写真が写真集になるかもしれない」と意識をしました。でも基本的に増田さんがなにも飾っていない僕を撮ってくださったので、等身大の本島純政が出ていると思います」。

18~19歳という多感な時期の1年半。本島自身は「変化」に対して、あまり意識したことはなかったというが、出来上がった写真集を見ると「変わったな」と実感する場面も多かったという。

「もともとXやInstagramなどで『顔が変わったね』と言っていただけることはあったのですが、自分では『本当にそうなのかな……』と思うことが多かったんです。でも実際今回の写真集を見ると自分でもわかるぐらい表情や雰囲気が変わっているなと感じました」。

特に印象に残っているのが、最後のカット。涙を流している本島が映し出されている。

「ちょうど『仮面ライダーガッチャード』がクランクアップしたあとで、増田さんから『達成感や役者として今後どうなっていくのか……などいま思っていることを全部感情に出して』と言われたんです。そのとき本当に期待や不安など、いろいろな感情が湧き上がってきて、予期せず涙が出ました。それって同じカメラマンさんにずっと追っていただいたからこその気持ちだったんだと思います。新しい本島純政が出ているような気がします」。

  • 本島純政ファースト写真集『純』 撮影:増田彩来 ワニブックス刊

本島が流した涙。そこには、1年半の間には、『仮面ライダーガッチャード』という歴史ある特撮ドラマで1年間主演を務めるという大役を全うしたという経験も大きかったのではないだろうか――。

「本当に言葉では言い尽くせないぐらいいろいろなことを学ばせていただきました。こうした取材のときの対応もそうですが、自分の話したことが記事や動画になるなんて、まったく想像もしていませんでした。俳優としても、より役に向き合う深度が増しているような気がします。『ガッチャード』で演じた宝太郎は、本来の自分と近しいところがあったのですが、次の作品(『未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~』)で演じる水無瀬仁という役は、宝太郎とは真逆でクール。すごく物事を達観している役なので、日常から役創りを意識して、物事を俯瞰でみるようなことをやっています」。

『仮面ライダーガッチャード』を経験して、役へ向き合う準備の大切さを痛感したという。

「もともと役のことを考えるのが好きだったのですが、よりそれは増してきました。1日中役のことばっかりを考えていてもまったく苦にならないというか楽しいんです。自分じゃない自分に触れる感覚というのが、新しい扉を開くみたいでワクワクします」。