2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』のヒロイン発表会見が29日、NHK大阪放送局にて行われ、女優の高石あかりがヒロイン・松野トキを演じることが発表された。高石は会見に姿を現した瞬間に涙を見せ「小さいころから朝ドラのヒロインになることが夢でした」と喜びを口にしていた。この日は脚本を務めるふじきみつ彦氏、製作統括の橋爪國臣氏も会見に出席した。

  • 高石あかり

    NHK連続テレビ小説『ばけばけ』のヒロイン発表会見に出席した高石あかり

連続テレビ小説『ばけばけ』は、松江の没落士族の娘・小泉セツがモデルの物語。ヒロインとなる松野トキは、怪談話が好きな、ちょっと変わった女の子。上級士族の家系だったが、武士の時代が終わりを告げたことで事業に乗り出し大失敗。極貧のなか、時代に取り残された人々に囲まれ、世の中を恨めしく思いながら生きる女の子。そのなかでさまざまな人たちと出会うことで、たくましく変化していくさまが描かれる。

2892人の中から見事ヒロインを勝ち取った高石。登場するなり感極まって涙を見せると「小さいころから朝ドラヒロインになるのが夢でした」と言葉を紡ぐ。さらに高石は「同時にオーディションを通して、大阪のスタッフさんとどうしても一緒に仕事がしたいと思っていたので、皆さんの温かい表情を見て胸がいっぱいになりました」と涙の理由を述べると「作品を観ていただける人に、朝ドラのヒロインとして寄り添えるように頑張りたいです」と抱負を述べていた。

高石にとって、2022年度後期放送の『舞いあがれ!』、2025年度前期放送予定の『あんぱん』に続いて3度目のオーディションだったという。「今回は、自分がなれるわけがないんだという気持ちで挑みました。まさかご縁があるとは」と驚いたというと、決定の知らせが届いたときは「頭のなかが真っ白になりました。直後は感情が追いついてこなかったのですが、一人になったときボロボロ泣いていました」と振り返っていた。

またオーディションでのエピソードについて高石は「お着物が多い役なので、かしこまった感じで臨んでいたのですが、監督から『ここは(高石の代表作である映画)『ベイビーわるきゅーれ』だと思ってください』と言ってくださったんです。『ベイビーわるきゅーれ』というのは殺し屋の映画で、今回の作品とは真逆。本当に大丈夫なのかなと思ったのですが、吹っ切れて自分らしくできたのかな」と語っていた。

幼少期から憧れていたという朝ドラヒロイン。高石は「大好きな小学校の先生が、小4の時『あなたが朝ドラヒロインになっている姿を見たい』と言ってくれたんです。そこから夢見ていました。早く担任の先生に伝えたいです」と胸の内を明かしていた。

会見後の囲み取材に対応した橋爪氏は、高石の起用理由について「最初は『ベイビーわるきゅーれ』などのイメージがあったので、和服やカツラが大丈夫かなという思いがあったのですが、衣装をセットしたら本当にトキさんのような、その場に住んでいるような感じがしました」と語ると「最終オーディションは9名でした。皆さん素晴らしい俳優さんで、誰がなっても素敵なトキさんになるとは思ったのですが、その場にいたチームのみんなも全員一致で高石さんがいいとなりました。一番長く観たいと思ったトキさんが高石さんだったんです」と説明した。

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