フジテレビ系ドラマ『全領域異常解決室』(毎週水曜22:00~ ※FODで先行・見逃し配信)の第3話が、きょう23日に放送される。
高層マンションから左足が落下
“不可解な異常事件”を「全領域異常解決室」(通称「全決(ゼンケツ)」)が解決していく同ドラマ。第3話では、都内の高層マンションの庭園に、空から物体が落ちてくるという怪事件から始まる。
その中には何者かの左足と小型機の一部も含まれていた。「全決」の興玉雅(藤原竜也)は、これは「タイムホール」(※過去や未来と繋がる異次元媒介装置)によるものかもしれないと話す。そして、今回もヒルコから犯行声明が出され、興玉と雨野小夢(広瀬アリス)は事件の究明に乗り出す。
鑑定の結果、発見された左足は研究者・真鍋哲(神保悟志)のものであることが判明。真鍋は重力理論の世界的権威で、タイムホール研究の第一人者だった。しかし、4年前、小型機での移動中に機体ごと失踪していた。
警視庁の荒波健吾(ユースケ・サンタマリア)らは、落とした可能性のあるマンション高層階の住戸をくまなく調べたが、事件につながるものは何も見つからなかった。興玉は、ある騒動について話をする。4年前、真鍋と主任研究員・常見真紀(山口紗弥加)は、タイムホールにつながる時空制御に成功したと発表。だが1カ月後、常見がデータを捏造していたことが発覚し、真鍋は常見を解雇。タイムホールの研究も打ち切った。常見はそのまま姿を消し、真鍋の小型機が失踪したのはその1カ月後だった。
興玉と小夢は、真鍋らがいた研究室へ赴く。現在の室長・片桐凛太朗(森下能幸)らに話を聞いていると、そこに常見から電話がかかってきて――。
SNSにあふれるカルト思想
今回注目したいのは、全決の局長・宇喜之(小日向文世)に“不可解な異常事件”解決を要請する国家安全担当審議官・直毘(柿澤勇人)の「報告」シーン。事件発生の際、ビッグデータを解析してヒルコへの恐怖を日常的に感じている国民の割合を集計し、それに基づき異常事案の等級を決めて宇喜之へ要請している。
第1話では「神隠し」を受け、この割合が5%だったが、ティーン層では30%を超える看過できない状況ということで、「第三等級相当の異常事案」として解決を要請。第2話は、「集団失神事件」で割合が上昇し、「第四等級相当の異常事案」だった。
だが今回の第3話で、空から足が落ちてきた事件が発生すると、SNSには「悪党にはヒルコの天罰を」「ヒルコ様は世界を変える」といった投稿や、「#ヒルコ様」なるハッシュタグも出現し、直毘は「ヒルコを好意的に捉える人の割合が増えてきています」と報告。
これに宇喜之は「カルトや危険思想に傾く人間はいつの時代にもいましたけど、SNSが登場してからさらに顕著になりました。愚かな人間に情報発信をさせる道具を与えたからです」と、いつもと違う声色で応える。現代のSNS社会に突き刺さる痛烈な批判も包含したこの言葉を発する雰囲気は、彼の二面性を示唆するような恐ろしさをまとっており、即座に「あっ失礼。人間を見下しているわけではないです」と切り替えたところも、余計に不穏な印象を増幅させる。
このインパクト大の場面を冒頭で映しつつ、終盤には宇喜之の裏の顔にさらに迫っていくシーンが登場。謎に包まれた「全決」という組織自体の秘密が、ヒルコとの対決と並ぶドラマの大きな縦軸として今後どのように描かれていくのか、期待が高まってくる。
さらに、事件が起きるたびに現場に姿を現す謎多き女性・豊玉妃花(福本莉子)が、ついに興玉&小夢と本格的に接触する場面が。こちらの怪しすぎる動向にも注目だ。