ハピネットは、昨年に引き続き、2024年9月までの玩具販売動向と、クリスマス・年末年始の売れ筋商品に関するレポートを10月17日に発表した。同調査は、2024年9月までの同社の流通データをもとに過去データと比較し、エンタテインメント業界での消費者動向を分析したものである。

  • トレーディングカードゲームの同社売上は5年推移で630%に増加

トレーディングカードゲーム商品の同社玩具部門における年間売上金額は、5年推移で630%と約6倍以上に拡大しており、直近の2022年度から2023年度にかけても前年度比160%と依然好調に推移している。2024年度においても、2024年4月~9月の合計売上金額は、前年同時期(2023年4月~9月)の150%に増加した。

2024年夏休み商戦の玩具市場は、前年度比108%(トレーディングカードゲームを除くと同109%)であり、キャラクター玩具ではクルマをモチーフにしたスーパー戦隊シリーズ「爆上戦隊ブンブンジャー」や新幹線変形ロボ「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」、動物をモチーフとした「わんだふるぷりきゅあ! 」などの関連商品が好調に推移し、売上の増加に貢献した。さらに、玩具系ホビー商品では「BEYBLADE X」「HYPER YOYO ACCEL」「ウーニーズ」などが、トレーディングカードゲームでは「ONE PIECE カードゲーム」や「ポケモンカードゲーム」「遊戯王カードゲーム」「デュエル・マスターズ」などが牽引し、大人需要も取り込んでいることが推測できるという。

少子化が進むなかで、大人が購入する「キダルト」(「キッズ」と「アダルト」をかけ合わせた言葉で、子どものような心を持った大人を意味する)需要も増加している。こうした需要に応えるため、「リカちゃん」の大人向けシリーズ「Francfranc × Licca」や「トミカプレミアム」などの定番商品をリニューアルし、大人をターゲットにした新商品が発売される動きがみられた。また、1990年代に流行した欧米版たまごっち「Original Tamagotchi」の日本での発売などもあり、キダルト向け商品が好調に推移している。さらに、親子二世代で遊べる「プラレール」「シルバニア」などの長寿IPは、キダルト需要の増加により子供への買い与えの抵抗感が低減し、購入拡大につながっていると同社は分析している。

インバウンド需要も拡大しており、空港内ショップでは「ポケモン」のぬいぐるみやモンコレ、「マリオ」のRCやぬいぐるみなど、IPを使用した商品が海外からの観光客に人気で、同社玩具部門の売上金額は2023年4~9月および2024年4~9月の比較で前年度比160%に拡大した。
また、同社の成田空港でのカプセルトイの売上金額も同時期比較で前年度比138%に到達している。さらに、同社が運営するカプセルトイ専門店「gashacoco」の「gashacoco ダイバーシティ東京プラザ」は同119%、「gashacoco なんば戎橋筋」は同113%と、観光地に近い店舗の売上が増加しており、インバウンド需要が市場の拡大につながっていると推測される。

  • 2024年クリスマス商戦のピークは第3週と第4週に分散と予想、アフタークリスマスにも期待

2024年のクリスマス商戦のピークは第3週と第4週に分散すると予想されており、昨年のクリスマス需要はクリスマス当日が月曜日だったことから第3週に集中したが、今年はクリスマス直前の土日を含む第3週に加え、23日と24日を含む第4週にも駆け込み需要が見込まれている。12月の第1週から第5週における第3週から第4週の売上構成比が、2023年実績の45%から49%に増加すると同社は推測。
また、2024年から2025年にかけての年末年始休暇は曜日配置の関係で、2023年から2024年にかけての年末年始休暇と比べて平均3日ほど長期化すると見込まれており、「アフタークリスマス」における消費行動も拡大すると予想している。

  • クリスマス・年末年始の注目商品は「コミュニケーションペットトイ」と「リバイバル玩具」

音声、光、動きなどの機能を持ち、話しかけたりさわったりすると応答する「ペットトイ」のニーズが、コロナ下の巣ごもり需要で広がっており、今年は複数のメーカーから大型の商品が発売され、市場金額が大きく伸長すると予想。直近の2023年4~9月および2024年4~9月の比較では前年度比140%の伸びを見せており、2023年度から2024年度にかけても前年度比200%に達する見通しである。また、かつて流行した玩具を復活・進化させた「ハイパーヨーヨー」「ベイブレード」「ワニワニパニック」などのリバイバル玩具も多く発売され、注目度が高まっているとのこと。
クリスマス・年末年始ヒット予測の参考商品は以下の通り。

  • (c)BANDAI/PLEX むぎゅむぎゅポン!たまごをウムード (各8,800円)

「むぎゅむぎゅポン!たまごをウムード」(各8,800円)は、バンダイから10月19日より発売予定の商品だ。ちょんまげコミュニケーションで仲良くなって、産卵応援が成功すると卵を産んでくれるという。その卵を秘密の口をあけて食べさせるといった不思議なループを何度も繰り返すことで楽しみが増える新コミュニケーショントイとなっている。

  • (c)Happinet ねころん with U (9,680円)

「ねころん with U」(9,680円)は、ハピネットから10月26日より発売予定の商品で、キュートなしぐさ、たのしい特技がギュッと詰まったインタラクティブペットトイである。目や口元が光り、かわいらしい表情を見せてくれるほか、なでなですると猫らしく気持ち良さそうに甘えるしぐさをするという。さらに、歌をまねっこしたり、ねずみを追いかけたりなど、合計6種の特技があり、音声や動きは合計で75種類以上、仲良くなるとダンス曲が増える機能もあるとのこと。

  • (c)BANDAI ハイパーヨーヨーアクセル アクセルオリジン (各1,980円)

「ハイパーヨーヨーアクセル アクセルオリジン」(各1,980円)は、バンダイから7月20日より発売されているリバイバル玩具だ。本体を手に持った状態でストリングを勢いよく引くことで、本体を投げずに高速回転させることができる、日米で特許出願済みの新機能「アクセルシステム」を搭載したハイパーヨーヨーシリーズ「HYPER YOYO ACCEL」より、「アクセルオリジン」が登場。初級トリックの遊びやすさに特化した、はじめてのヨーヨーに最適な入門機種となっている。

  • (c)Homura Kawamoto, Hikaru Muno, Posuka Demizu, BBXProject, TV TOKYO (c) TOMY BEYBLADE X BX-37 ダブルエクストリームスタジアムセット (8,200円)

「BEYBLADE X BX-37 ダブルエクストリームスタジアムセット」(8,200円)は、タカラトミーから10月12日より発売されている商品で、新型スタジアム、ベイブレード、ワインダーランチャーがセットになり、すぐにベイブレードが始められるセットとなっている。ダブルエクストリームスタジアムは、センターエリアが電動で上下することにより2つのXダッシュが体感できる新型スタジアム、付属する「ベアスクラッチ5-60F」は、内重心ブレードに背の低いラチェットとダッシュ性能に優れたビットを組み合わせ、低い位置から高速でXダッシュを決めやすいのが特徴だ。