アフターコールナビは、「カスタマーハラスメントの対策」に関する調査結果を10月17日に発表。同調査は、2024年9月26日~27日の期間でカスタマーハラスメントを受けた(または報告を受けた)ことがある経営者1,005人を対象に、PRIZMAによるインターネット調査を実施した。
どのような経緯でカスタマーハラスメントを受けたかを尋ねると、「理不尽な言いがかり」(45.7%)との回答が最も多かった。次いで「商品・サービスに対する不満」(38.9%)、「クレームへの対応の不十分さ」(37.2%)となった。
続いて、カスタマーハラスメントの具体的な内容を尋ねると、最多は「怒声や罵声を浴びせられた」(59.4%)で、次いで「長時間の拘束や繰り返しの来店・電話をされた」(22.8%)、「法的手段をとると脅された」(22.7%)となった。この結果から、従業員の尊厳を傷つける行為が横行していることがうかがえるという。
土下座の強要をされたことはあるかを質問したところ、半数近くの人が「はい」(46.8%)と回答し、カスタマーハラスメントがいかに深刻な問題であるかが浮き彫りに。
続いて「土下座の強要をされたことがある」と回答した人に、実際に土下座をしたかを調査すると、「一度だけした」(35.7%)が最も多く、次いで「複数回した」(34.5%)となった。約7割の人が土下座の強要に応じたことがあることが判明。
カスタマーハラスメントに対して、実際に行っている対策を尋ねると、「対応マニュアルの作成」(32.6%)が最も多く、次いで「上司や経営者への報告体制の整備」(30.1%)、「研修の強化」(29.9%)、「法的措置の検討」(28.8%)となった。
続けて、その対策は効果があったかを尋ねると、「とても効果があった」(13.5%)、「やや効果があった」(43.6%)、「わからない」(30.8%)、「あまり効果がなかった」(9.5%)、「全く効果がなかった」(2.6%)という結果に。
「とても効果があった」「やや効果があった」を合わせて約6割が効果を実感。一方で、約3割の人が「わからない」と回答し、効果の評価基準が曖昧なことや、複数の対策を同時に実施している場合にどの対策が有効であるかの特定が困難であることが示された。
カスタマーハラスメントとクレームの線引きについて、どのように判断させているのかという質問には、「顧客対応時の状況に応じて、判断を従業員に任せている」(39.9%)が最も多かった。次いで「明確な基準を設け、ケースごとに従業員に判断させている」(32.8%)、「複数の従業員で協議し、判断させている」(26.7%)となり、約4割の経営者が現場の判断に委ねていることが明らかに。
最後に、経営者不在時にカスタマーハラスメントを受けた場合、従業員にどのような対応をさせているかを質問すると、「上司や責任者が対応を引き継ぐ」(37.5%)との回答が最多に。
次いで「マニュアルで明確に定義されており、それに沿って与えられている権限でできる対応をさせている」(28.5%)、「一定の権限をもたせ、対応を任せている」(26.7%)となり、現場で即座に対応できる体制が整えられていることも明らかになった。